和製ミステリー

『長い腕』(☆3.8)  著者:川崎草志

新人作家の登竜門たる、第21回横溝正史ミステリ大賞を受賞した話題作である。ゲーム製作会社に勤務する主人公は音楽と読書、そして孤独を愛する女性。現在の仕事に大きな不満はないが、同じ場所に居続けることを好まないため、会社を辞めしばらく故郷・愛媛…

『松谷警部と目黒の雨』(☆3.4)  著者:平石貴樹

目黒本町のマンションで殺害された小西のぞみの身辺を調べていくと、武蔵学院大学アメフト部「ボアーズ」との関連が浮上、更にはボアーズの仲間内でこの5年に複数の変死者が出ていると判明した。これらは?壓がっているのか。 松谷警部は白石巡査らと捜査に…

たったひとつの浦川氏の事件簿』(☆1.6) 著者:斎藤肇

岸岡という小さな町で殺人事件が起こった。 町中がその話題で持ちきりとなってい たさなか、浦川はある少年にこう問いかけた。 「君さ、人を殺しただろ?」 浦川は少年が記したネット掲示板のある書き込みをみてそう感じたのだという。 はたして少年はある人…

『赤い博物館』(☆4.7)  著者:大山誠一郎

『密室蒐集家』で第13回本格ミステリ大賞を射止めた著者がミステリ人生のすべてを賭けて贈る渾身作。 キャリアながら《警視庁付属犯罪資料館》の館長に甘んじる謎多き美女と、一刻も早く汚名を返上し捜査一課に戻りたい巡査部長。図らずも「迷宮入り、絶対阻…

『裁く眼』(☆3.0)  著者:我孫子武丸

漫画家になり損ね、浅草の路上で似顔絵を描いて生計を立てている袴田鉄雄。あるとき、彼の腕前を見込んだテレビ局の人間から、「法廷画」を描いてほしいという依頼が舞い込む。描くことになったのは、殺人の疑いをかけられた美女だった。通り描いた絵が、テ…

『本格力』(☆5.0)  著者:喜国雅彦・国樹由香

どのページを開いても、本格愛、本棚探偵への愛に溢れた一冊。 本書を読める幸せを享受しないなんてもったいないです。――辻村深月 本格ミステリ誕生175年目の衝撃! 日本推理作家賞受賞作家が放つ 今まで見たことのないブックガイド!! ○本当にお薦めしたい古…

『世界が赫に染まる日に』(☆3.7)  著者:櫛木理宇

まずはあらすじ。 中学3年生の緒方櫂は、従兄妹の未来を奪った加害者に復讐を誓った。自分の左目は見た者を石にする“邪眼”だと称する高橋文稀は、15歳の誕生日に自殺する計画を立てた。夜の公園で出逢った二人は、文稀が死ぬまでの間、櫂の復讐に協力する契…

『侵蝕』(☆3.7)  著者:櫛木理宇

まずはあらすじ。 ねえ。 このうちって、とてもいいおうちよね。 ――わたしの、理想のおうちだわ。 皆川美海は平凡な高校生だった。あの女が、現れるまでは……。 幼い弟の事故死以来、沈んだ空気に満ちていた皆川家の玄関に、 弟と同じ名前の少年が訪れた。 行…

『ぼぎわんが、来る』(☆3.9)  著者:澤村伊智

まずはあらすじ。 幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。正体不明の噛み傷を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。その後も秀樹の周囲に不審…

『祈りの幕が下りる時』(☆4.0)  著者:東野圭吾

まずはあらすじ。 悲劇なんかじゃない。これが私の人生。 加賀恭一郎は、なぜ「新参者」になったのか---。 明治座に幼馴染みの演出家を訪ねた女性が遺体で発見された。捜査を担当する松宮は近くで発見された焼死体との関連を疑い、その遺品に日本橋を囲む12…

『ずうのめ人形』(☆4.5)  著者:澤村伊智

まずはあらすじ。 オカルト雑誌でアルバイトとして働く藤間は、校了間際に音信不通になってしまったライター・湯水を探すために同僚の岩田とともに湯水の自宅を訪れる。そこで2人が発見したのは、顔中に”糸”のような引っ掻き傷をつけ、自ら目を抉り出した状…

『放課後スプリングトレイン』(☆3.9)  著者:吉野泉

まずはあらすじ。 福岡・天神を舞台に贈る、透明感溢れる青春ミステリ。 四月のある日、福岡市内の高校に通う私は、親友・朝名の年上の彼氏を紹介される。そのとき同席していた大学院生の飛木さんは、私の周りで起こる事件をさらりと解き明かしてみせる不思…

『亜愛一郎の狼狽』(☆4.0)  著者:泡坂妻夫

まずはあらすじ。 人けのない宮前空港で、折からの驟雨にずぶ濡れになって、約二時間も佇んでいる中年男がいた。宮前署の羽田刑事だ。彼はまもなく到着予定の旅客機を待っていた。この機の離陸直前、何者かが爆破を予告したのだ。ふと目を転じた羽田は、写真…

『小説「怒り」と映画「怒り」 - 吉田修一の世界』(☆なし)

attached(1,align) まずはあらすじ。 父・邦彦、母・景子、担任の幼稚園教諭、高校時代の恋人ら、ある時期の山神一也を知る人々が語る、小説「怒り エピソード0 8つの証言」。 山神とは一体、どんな人物だったのか? 残された謎に迫る。 他に、映画『悪人』『…

『ZERO~猟奇犯罪捜査官・藤堂比奈子』(☆2.7)  著者:内藤了

まずはあらすじ。 新人刑事・藤堂比奈子が里帰り中の長野で幼児の部分遺体が発見される。都内でも同様の事件が起き、関連を調べる比奈子ら「猟奇犯罪捜査班」。複数の幼児の遺体がバラバラにされ、動物の死骸とともに遺棄されていることが分かる。一方、以前…

『怒り』(☆4.3)  著者:吉田修一

まずはあらすじ。 若い夫婦が自宅で惨殺され、現場には「怒」という血文字が残されていた。犯人は山神一也、27歳と判明するが、その行方は杳として知れず捜査は難航していた。 房総の漁港で暮らす洋平・愛子親子の前に田代が現われ、大手企業に勤めるゲイ…

『LEAK〜 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』(☆2.6)  著者:内藤了

まずはあらすじ。 正月の秋葉原で見つかった不可思議な死体。不自然に重たいその体内には、大量の小銭や紙幣が詰め込まれていた。連続して同様の死体が発見されるが、被害者の共通点は見つからない。 藤堂比奈子ら「猟奇犯罪捜査班」の面々は、警視庁の合同…

『AID~ 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』(☆2.8) 著者:内藤了

まずはあらすじ。 都内の霊園で、腐乱自殺死体が爆発するという事件が起こる。ネットにアップされていた死体の動画には、なぜか「周期ゼミ」というタイトルが付けられていた。それを皮切りに続々と発生する異常な自殺事件。 捜査に乗り出した八王子西署の藤…

『死者は空中を歩く』(☆3.0) 著者:赤川次郎

まずはあらすじ。 あわれなことに、財貨の影の実力者千住忠高の信じているのは金の力だけである。 それがどうだ、ある日、弁護士に命じて殺人・公金横領で逃亡中の四人の男を広大な邸宅に拉致し、豪華な夕餐を振舞いながら「私を殺してくれ」と依頼したのだ…

『QJKJQ』(☆4.1) 著者:佐藤究

まずはあらすじ。 市野亜李亜(いちのありあ)は十七歳の女子高生。猟奇殺人鬼の一家で育ち、彼女自身もスタッグナイフで人を刺し殺す。 猟奇殺人の秘密を共有しながら一家はひっそりと暮らしていたが、ある日、亜李亜は部屋で惨殺された兄を発見する。その直…

『CUT~ 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』(☆3.0) 著者:内藤了

まずはあらすじ。 廃屋で見つかった5人の女性の死体。そのどれもが身体の一部を切り取られ、激しく損壊していた。被害者の身元を調べた八王子西署の藤堂比奈子は、彼女たちが若くて色白でストーカーに悩んでいたことを突き止める。犯人は変質的なつきまとい…

『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』(☆2.5) 著者:内藤了

まずはあらすじ。 奇妙で凄惨な自死事件が続いた。被害者たちは、かつて自分が行った殺人と同じ手口で命を絶っていく。誰かが彼らを遠隔操作して、自殺に見せかけて殺しているのか?新人刑事の藤堂比奈子らは事件を追うが、捜査の途中でなぜか自死事件の画像…

『裁きの終わった日』(☆4.5)  著者:赤川次郎

まずはあらすじ。 大富豪が殺された。高名な犯罪研究家が事件を解明しようとしたその時、犯人と名乗り出た娘婿はナイフで研究家の心臓を一突きに!この事態を皮切りに一族を巡る企みは回り出す。失脚工作、浮気の復讐…様々な思惑や打算が渦巻く中、詳細を黙秘…

『涙香迷宮』(☆4.8)  著者:竹本健治

まずはあらすじ。 明治の傑物・黒岩涙香が残した最高難度の暗号に挑むのは、IQ208の天才囲碁棋士・牧場智久! これぞ暗号ミステリの最高峰! いろは四十八文字を一度ずつ、すべて使って作るという、日本語の技巧と遊戯性をとことん極めた「いろは歌」四十八…

『オーブランの少女』(☆4.2) 著者:深緑野分

まずはあらすじ。 比類なく美しい庭園オーブランの女管理人が殺害された。犯人は狂気に冒された謎の老婆で、犯行動機もわからぬうちに、今度は管理人の妹が命を絶った。彼女の日記を手にした作家の「私」は、オーブランに秘められたおそろしい過去を知る……楽…

『クリーピー』(☆3.0)  著者:前川裕

まずはあらすじ。 大学で犯罪心理学を教える高倉は、妻と二人、一戸建てに暮らす。ある日、刑事・野上から一家失踪事件の分析を依頼されたのを契機として、周囲で事件が頻発する。野上の失踪、学生同士のトラブル、出火した向かいの家の焼死体。だがそれらも…

『図書館の殺人』(⭐3.2) 著者:青崎有吾

まずはあらすじ。 期末試験中のどこか落ち着かない、ざわついた雰囲気の風ヶ丘高校。試験勉強をしようと学校最寄りの風ヶ丘図書館に向かった袴田柚乃は、殺人事件捜査のアドバイザーとして、警察と一緒にいる裏染天馬と出会う。男子大学生が閉館後の図書館内…

『蠅男』(🌟4.2) 著者:海野十三

まずはあらすじ。 SF怪奇傑作小説 日本全土を恐怖のどん底に落し込んだ殺人予告の脅迫状!!そして送り主の署名は「蠅男」である。 この凶悪無残な殺人鬼の手から富豪の老人の命を護るため、警察と探偵帆村荘六は厳重な警戒網を敷くが密室の中で老人は殺害さ…

『新参者』(☆4.9)  著者:東野圭吾

http://ec3.images-amazon.com/images/I/51YH3KbF%2B-L._SL500_AA300_.jpg まずはあらすじ。 江戸の匂いも残る日本橋の一角で発見された、ひとり暮らしの四十代女性の絞殺死体。 「どうして、あんなにいい人が……」周囲がこう声を重ねる彼女の身に何が起きて…

『神々の殺人』(☆2.5)  著者:篠田秀幸

http://img.7andy.jp/bks/images/i2/31811952.JPG まずはあらすじ。 二〇〇一年九月八日、名探偵・弥生原公彦と探偵小説家・築島龍一の元に、警察庁の捜査官二人が捜査協力の要請にやってきた。 九月二日に九州で起きた弁護士殺人事件の前に、殺人予告状が送…