森見登美彦

『夜行』(☆4.4)  著者:森見登美彦

僕らは誰も彼女のことを忘れられなかった。 私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。 十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。 十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ…

『〈新釈〉走れメロス 他四篇』(☆4.7)

http://img.7andy.jp/bks/images/i5/31855025.JPG まずはあらすじ。 あの名作が、京の都に甦る!?暴走する恋と友情――若き文士・森見登美彦の近代文学リミックス集! その時、彼の腕を通りすがりの女性が必死で掴み、「ちょっとすいません!」と叫んだ。 思わず…

『有頂天家族』(☆4.5)

http://img.7andy.jp/bks/images/i3/31956923.JPG まずはあらすじ。 糺ノ森に住む狸の名門・下鴨家の父・総一郎はある日、鍋にされ、あっけなくこの世を去ってしまった。遺されたのは母と頼りない四兄弟。 長兄・矢一郎は生真面目だが土壇場に弱く、次兄・矢…

『太陽の塔』(☆3.9)  著者:森見登美彦

http://img.7andy.jp/bks/images/i0/31699620.JPG 私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。 しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった! クリスマスの嵐が吹き…

『夜は短し歩けよ乙女』(☆4.4)  著者森見登美彦

http://img.7andy.jp/bks/images/i1/31810811.jpg 私はなるべく彼女の目にとまるよう心がけてきた。 吉田神社で、出町柳駅で、百万遍交差点で、銀閣寺で、哲学の道で、「偶然の」出逢いは頻発した。我ながらあからさまに怪しいのである。 そんなにあらゆる街…