ミステリ以外の本

『のび太の月面探査記』(☆3.4) 著者:辻村深月

月面探査機が白い影を捉えたという大ニュース。のび太は影を「月のウサギだ!」と主張するが、クラスメートに笑われてしまう。そこで、ドラえもんのひみつ道具『異説クラブメンバーズバッジ』を使い、月の裏側にウサギ王国を作ることに。月に興味を持つという…

『青少年のための小説入門』(☆4.7) 著者:久保寺健彦

「すげえの書いて、デビューしようぜ」 落ちこぼれヤンキーといじめられっ子中学生が、小説界に殴り込み! ? 小説家を目指すデコボココンビの奮闘を描く、渾身の青春長編小説。 小説家となった入江一真(かずま)のもとに、一枚の葉書が届く。とぎれとぎれの字…

『下町ロケット ヤタガラス』(☆4.0) 著者:池井戸樹

社長・佃航平の閃きにより、トランスミッションの開発に乗り出した佃製作所。果たしてその挑戦はうまくいくのか――。 ベンチャー企業「ギアゴースト」や、ライバル企業「ダイダロス」との“戦い"の行方は――。 帝国重工の財前道生が立ち上げた新たなプロジェク…

『下町ロケット ゴースト』(☆3.4) 著者:池井戸潤

倒産の危機や幾多の困難を、社長の佃航平や社員たちの、熱き思いと諦めない姿勢で切り抜けてきた大田区の町工場「佃製作所」。 しかし、またしても佃製作所は予期せぬトラブルにより窮地に陥っていく。 いまや佃製作所のシンボルとなったロケットエンジン用…

『羊と鋼の森』(☆4.0) 著者:宮下奈都

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。 ひたすら音と向き合い、人と向き合う外村。個性豊かな先輩たちや双子の姉妹に囲まれながら、調律の森へと深く分け入っていく―。 一人の青年が成…

『ブラッドライン』(☆3・0) 著者:黒澤伊織

アラルスタン共和国とラザン独立国の国境ー通称ブラッドラインで射殺体が発見された。殺されたのは、世界的歌手のM。アメリカ人である彼は、何のために紛争地帯にいたのか?彼を殺したのは誰か?何のためにスーパースターを殺したのか? 一人の男の死が、世…

『ヘンな論文』(☆3.5) 著者:サンキュータツオ

最高にムダな知的興奮! 研究者たちの知られざる奮闘をあぶり出す。 珍論文ハンターのサンキュータツオが、人生の貴重な時間の多くを一見無駄な研究に費やしている研究者たちの大まじめな珍論文を、芸人の嗅覚で突っ込みながら解説する、知的エンターテインメ…

『君の膵臓を食べたい』(☆3.6) 著者:住野よる

ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。それはクラスメイトである山内桜良が綴った、秘密の日記帳だった。そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて―。読後、きっとこのタイトルに涙する…

『星の子』(☆4.5)  著者:今村夏子

主人公・林ちひろは中学3年生。 出生直後から病弱だったちひろを救いたい一心で、 両親は「あやしい宗教」にのめり込んでいき、 その信仰は少しずつ家族を崩壊させていく。 前作『あひる』が芥川賞候補となった著者の新たなる代表作。 Amazonより 「あひる」…

『死体鑑定医の告白』(☆3.2)  著者:上野正彦

「事故ではありません。その人は殺されたのです」次から次へと依頼される「再鑑定」。本当の死因は何か。天才監察医が解き明かした難事件の真相とは…。数々のテレビ番組に出演。圧倒的な共感を呼んだ著者が書き下ろした衝撃の最新刊。ついに発売! Amazonより…

『ししりばの家』(☆4.0)  著者:澤村伊智

夫の転勤に伴う東京生活に馴染めずにいた笹倉果歩は、ある日幼馴染の平岩敏明と再会する。彼の家に招かれ平岩の妻や祖母と交流をしていく中で果歩の心は癒されていくが、平岩家にはおかしなことがあった。さあああという不快な音、部屋に散る不気味な砂。怪…

『美しい星』 著者:三島由紀夫

地球とは別の天体から飛来した宇宙人であるという意識に目覚めた一家を中心に、核兵器を持った人類の滅亡をめぐる現代的な不安を、SF的技法を駆使してアレゴリカルに描き、大きな反響を読んだ作品。著者は、一家を自在に動かし、政治・文明・思想、そして人…

『アトミック・ボックス』(☆3.8)  著者;池澤夏樹

人生でひとつ間違いをしたという言葉を遺し、父は死んだ。 直後、美汐の前に現れた郵便局員は、警視庁を名乗った。30年にわたる監視。父はかつて、国産原子爆弾製造に携わったのだ。国益を損なう機密資料を託された美汐は、父親殺人の容疑で指名手配されてし…

『随筆古文書紀行 まぼろしの厳嶋大仏』(☆3.0)  著者:山田道信

『厳嶋道芝記』など古文書に記されていたにもかかわらず、宮島「大仏原」から消えた丈六仏〈厳嶋大仏〉の行方を求め、秘められた謎の歴史を繙く。その仏は海を渡った――。 「台座や光背はなく、像の所々に金箔が残っている。膝から下の部分の損傷が特に激しく…

『あひる』(☆4.0)  著者:今村夏子

読み始めると心がざわつく。 何気ない日常の、ふわりとした安堵感にふとさしこむ影。 淡々と描かれる暮らしのなか、綻びや継ぎ目が露わになる。 あひるを飼うことになった家族と学校帰りに集まってくる子供たち。一瞬幸せな日常の危うさが描かれた「あひる」…

『魂でもいいから、そばにいて ─3・11後の霊体験を聞く』 著者:奥野修司

あの未曾有の大震災から、今年で6年――。 その被災地で、死者を身近に感じる奇譚が語られているという。 最愛の家族や愛しい人を大津波でうしない、悲哀の中で生きる人びとの日常に、 突然起きた不思議な体験の数々……。 《愛する亡夫との〝再会″で、遺された…

『女を観る歌舞伎』  著者:酒井順子

歌舞伎の女は、こんなにアツい!! 初めての男が忘れられず、遊女に身を落とすお姫様。「桜姫東文章 さくらひめあずまぶんしょう」 主君の子を守るために、息子を身代わりにする乳母。「伽羅先代萩 めいぼくせんだいはぎ」 親のために吉原に身を売ろうとする町…

『挫折を経て、猫は丸くなった』(☆4.0)  編集:天久聖一

一瞬で読めて、無限に広がる416の物語。「彼女の?茲を、マウスカーソルで撫でた」「白ブリーフの落とし主は永遠に見つからない」「ヒーローたちの利害は複雑に絡み合っていた」「担任に好かれている吉田と、ただの吉田がいた」――提示されるのは冒頭だけ。続…

『桜風堂ものがたり』(☆4.6)  著者:

百貨店内の書店、銀河堂書店に勤める物静かな青年、月原一整は、人づきあいが苦手なものの、埋もれていた名作を見つけ出して光を当てるケースが多く、店長から「宝探しの月原」と呼ばれ、信頼されていた。 しかしある日、店内で起こった万引き事件が思わぬ顛…

『比ぶ者なき』(☆4.2)  著者:馳星周

時は七世紀末。先の大王から疎まれ、不遇の時を過ごした藤原不比等。彼の胸には、畏しき野望が秘められていた。 それは、「日本書紀」という名の神話を創り上げ、天皇を神にすること。そして自らも神となることで、藤原家に永遠の繁栄をもたらすことであった…

『約定』(☆4・0)  著者:青山文平

真剣仕合、藩命、果し合い、介錯。刀が決する人生の岐路を鮮烈に描く武家小説。 小さな道場を開く浪人が、ふとしたことで介抱することになった行き倒れの痩せ侍。その侍が申し出た奇妙な頼み事と劇的な?莖末を描く「三筋界隈」。果し合いの姿のまま、なぜか…

『小説版「君の名は」」(☆3.5) 著者:新海誠

まずはあらすじ。 山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は、自分が男の子になる夢を見る。見慣れない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の街並み。 一方、東京で暮らす男子高校生・瀧も、山奥の町で自分が女子高校生になる夢を見る。やがて二人は…

竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/伊勢物語/更級日記 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集03)(☆4.5)

まずはあらすじ。 「もの」を「かたる」のが文学である。奇譚と冒険と心情、そこに詩的感興が加わって、物語と日記はこの国の文学の基本形となった。 ー 池澤夏樹 ー 竹取の翁が竹の中からみつけたかぐや姫をめぐって貴公子五人と帝が求婚する、仮名による日…

『陸王』(☆4.5)  著者:池井戸潤

まずはあらすじ。 勝利を、信じろ――。 足袋作り百年の老舗が、ランニングシューズに挑む。 埼玉県行田市にある「こはぜ屋」は、百年の歴史を有する老舗足袋業者だ。といっても、その実態は従業員二十名の零細企業で、業績はジリ貧。社長の宮沢は、銀行から融…

『世界から猫が消えたなら』(☆4.0) 著者:川村元気

まずはあらすじ。 郵便配達員として働く三十歳の僕。ちょっと映画オタク。猫とふたり暮らし。そんな僕がある日突然、脳腫瘍で余命わずかであることを宣告される。絶望的な気分で家に帰ってくると、自分とまったく同じ姿をした男が待っていた。その男は自分が…

日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集08)(☆4.3)

まずはあらすじ。 上代から中世の仏教の興隆を背景としながら、人間の無茶な生き様、性愛への欲望を多様な側面から説いた、説話集4作を収める。 天女との共寝を夢想する男を描く「天女の像に恋した縁」(「日本霊異記」現代語訳:伊藤比呂美)、能「道成寺…

『決壊』(☆3.0)  著者:平野啓一郎

http://img.7andy.jp/bks/images/i9/32091749.JPG http://img.7andy.jp/bks/images/i1/32091751.JPG まずはあらすじ。 2002年10月、京都を始めに全国で次々と犯行声明付きのバラバラ遺体が発見された。被害者は山口県宇部市で平凡な家庭を営む会社員沢野良介…

『私の男』(☆4.4)  著者:桜庭一樹

http://img.7andy.jp/bks/images/i6/31974096.JPG まずはあらすじ。 【第138回直木賞受賞作品】 優雅だが、どこかうらぶれた男、一見、おとなしそうな若い女、アパートの押入れから漂う、罪の異臭。 家族の愛とはなにか、超えてはならない、人と獣の境はどこ…

ゆきあやマニア賞品『風が強く吹いている』(マタタビ5個)  著者:三浦しをん

先月行われた『ゆきあやマニアクイズ』で、なんと1位を獲得したわたくしたいりょう。 先日、優勝賞品のかつおぶし1年分と花束、そして副賞の本が届きました。 本の内容については、「到着してからのお楽しみ」ということだったのですが、ほほう、三浦しを…

『ホルモー六景』(☆3.6)  著者:万城目学

http://img.7andy.jp/bks/images/i5/31987405.JPG まずはあらすじ。 このごろ都にはやるもの、恋文、凡ちゃん、二人静。 四神見える学舎の、威信を賭けます若人ら、負けて雄叫びなるものかと、今日も京にて狂になり、励むは御存知、是れ「ホルモー」。負けた…