北村薫

『玻璃の天』(☆4.6)

http://img.7andy.jp/bks/images/i4/31874864.JPG ステンドグラスの天窓から墜落死した思想家。事故か、殺人か。英子の推理が辿り着いた切ない真相とは。謎に包まれていたベッキーさんの出自も明らかに。 令嬢と女性運転手、昭和初期を舞台にしたシリーズ第…

『街の灯』(☆4.4)

http://img.7andy.jp/bks/images/i6/31084516.JPG 昭和七年、士族出身の上流家庭・花村家にやってきた女性運転手別宮みつ子。令嬢の英子はサッカレーの『虚栄の市』のヒロインにちなみ、彼女をベッキーさんと呼ぶ。新聞に載った変死事件の謎を解く「虚栄の市…

『紙魚家崩壊~九つの謎~』

http://img.7andy.jp/bks/images/i1/31682731.JPG 狂気にとらわれていくOLを描いた「溶けていく」、日常の謎を描く「おにぎり、ぎりぎり」、『メフィスト』連載の「新釈おとぎばなし」など、優美なたくらみにみちた「9つの謎」を収録したミステリ短編集。…

『ターン』

http://img.7andy.jp/bks/images/i5/30686315.JPG 真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。3時15分。いつも通り の家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった…

『スキップ』

http://img.7andy.jp/bks/images/i4/30543474.jpg 昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、千葉の海近くの女子高二年。それは九月、大雨で運動会の後半が中止になった夕方、わたし は家の八畳間で一人、レコードをかけ目を閉じた。目覚めたのは桜木真…

冬のオペラ

勤め先の二階にある「名探偵・巫弓彦」の事務所。わたし、姫宮あゆみが見かける巫は、ビア・ガーデンのボーイをしながら、コンビニエンス・ストアで働き、新聞配達をしていた。名探偵といえども、事件がないときには働かなければ、食べていけないらしい。そ…

朝霧

卒業論文を仕上げ巣立ちの時を迎えた主人公は出版社の編集者として社会人生活のスタートを切り、新たな抒情詩を奏でていく。語り手《私》と円紫師匠が登場するシリーズ第5作。 創元推理文庫あらすじより いよいよ、私も社会人である。この4年間、《私》はい…

六の宮の姫君

最終学年を迎えた「私」は卒論のテーマ「芥川龍之介」を掘り下げていく一方、田崎信全集の編集作業に追われる出版社で初めてのアルバイトを経験する。その縁あって、図らずも文壇の長老から芥川の謎めいた言葉を聞くことに。「あれは玉突きだね。…いや、とい…

覆面作家は二人いる

姓は「覆面」、名は「作家」―本名・新妻千秋。天国的な美貌を持つ弱冠19歳の新人がミステリ界にデビューした。しかも、その正体は大富豪の御令嬢…ところが千秋さんには誰もが驚く、もう一つの顔があったのだ。 『推理世界』の若手編集者・岡部を混乱させなが…

秋の花 著者:北村薫

http://images-jp.amazon.com/images/P/448841303X.09.TZZZZZZZ.jpg 絵に描いたような幼なじみの真理子と利恵を苛酷な運命が待ち受けていた。ひとりが召され、ひとりは抜け殻と化したように憔悴の度を加えていく。文化祭準備中の事故と処理された女子高生の…

夜の蝉 著者:北村薫

http://images-jp.amazon.com/images/P/4488413021.09._PE_SCMZZZZZZZ_.jpg 『空飛ぶ馬』に続く、円紫さんシリーズ第2段。設定も前作から1年経ち、“私”も大学2年生になってます。今回も3篇の短編から構成されていますが、前作軽く触れられた“私”の姉が全…

空飛ぶ馬 著者:北村薫

http://images-jp.amazon.com/images/P/4488413013.09._PE_SCMZZZZZZZ_.jpg 一昔前、ミステリーといえば殺人、根暗な動機、名探偵。それがいまや殺人の起こらない所謂『日常の謎』系ミステリーが結構主流のひとつを担うようになりました。 その流れを作った…

ニッポン硬貨の謎 ~エラリー・クイーン最後の事件~ 北村薫

幼児連続殺害事件に挑む、来日中の名探偵エラリー・クイーン…。敬愛する本格ミステリの巨匠に捧げる、北村薫の華麗なるパスティーシュ。エラリー・クイーン生誕100年記念出版。『ミステリーズ!』連載を単行本化。 ~オンライン書店ビーケーワンより~ ク…