日本のミステリ

『凶鳥(まがとり)の如き忌むもの』(☆3.7) 著者:三津田信三

怪異譚を求め日本中をたずねる小説家・刀城言耶は瀬戸内にある鳥坏島の秘儀を取材しに行く。島の断崖絶壁の上に造られた拝殿で執り行われる "鳥人の儀"とは何か?儀礼中に消える巫女!大鳥様の奇跡か?はたまた鳥女と呼ばれる化け物の仕業なのか?本格ミステリー…

『化物語 上』(☆4.5) 著者:西尾維新

阿良々木暦を目がけて空から降ってきた女の子・戦場ヶ原ひたぎには、およそ体重と呼べるようなものが、全くと言っていいほど、なかった ―!?台湾から現れた新人イラストレーター、"光の魔術師"ことVOFANと新たにコンビを組み、あの西尾維新が満を持して放つ、…

『学ばない探偵たちの学園』(☆3.6) 著者:東川篤哉

呑気な雰囲気の私立鯉ヶ窪学園。転校生の赤坂通は非公認サークル・探偵部に入部させられた。彼らの目前で起きた密室殺人。被害者は、芸能クラスのアイドル目当てで侵入した盗撮カメラマン。事件後には、妙な名前の刑事コンビが現れ、美術教師が勝手な推理を…

『陽気なギャングの日常と襲撃』(☆3.7)

人間嘘発見器成瀬が遭遇した刃物男騒動、演説の達人響野は「幻の女」を探し、正確無比な"体内時計"の持ち主雪子は謎の招待券の真意を追う。そして天才スリの久遠は殴打される中年男に ―史上最強の天才強盗4人組が巻き込まれたバラバラな事件。だが、華麗なる…

『新本格謎夜会(ミステリー・ナイト)』(☆3.5) 監修:綾辻行人・有栖川有栖

綾辻、有栖川両氏をはじめ、多くの推理作家の作品から盗作を繰り返していた男が密室の中で殺された。しかも、部屋の鍵は男の口の中に入れられていた!! ―新本格誕生15周年を記念して行われた謎解きイベント&トークショーをここに完全再現。 yahoo紹介より …

『ツール&ストール』(☆3.5) 著者:大倉崇裕

ある朝、殺人容疑をかけられた友人が飛び込んできて目が覚めた白戸君―「ツール&ストール」 別の日は、怪我をした友人から突然頼まれた、怪しげな深夜のバイトに出掛け―「サインペインター」 それなのにいつでも金欠君、預金残高51円の通帳を握りしめた横で…

『邪魅の雫』(☆3.8) 著者:京極夏彦

「殺してやろう」「死のうかな」「殺したよ」「殺されて仕舞いました」「俺は人殺しなんだ」「死んだのか」「──自首してください」「死ねばお終いなのだ」「ひとごろしは報いを受けねばならない」 昭和二十八年夏。江戸川、大磯、平塚と連鎖するかのように毒…

『犬坊里美の冒険』(☆2・6) 著者:島田荘司

雪舟祭のさなか、衆人環視の総社神道宮の境内に、忽然と現れて消えた一体の腐乱死体!残された髪の毛から死体の身元が特定され、容疑者として、ひとりのホームレスが逮捕・起訴された―。しかし、死体は、どこに消えたのか?そして、被告人の頑なな態度は、なぜ…

『ボトルネック』(☆3.6) 著者:米沢穂信

恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は、強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ちてしまった。―はずだった。ところが、気づけば見慣れた金沢の街中にいる。不可解な想いを胸に自宅へ戻ると、存在しないはずの「姉」に出迎えられた。どうやらここは、「僕の産まれ…

『丑三つ時から夜明けまで』(☆3.3) 著者:大倉崇裕

闇金融「藤倉ワイド」社長・藤倉富士衛門が、自宅の離れ、地下5メートルにある書斎で殺害された。厳重なロック、テレビモニターによる監視、雨のため泥沼と化した庭には不審な足跡も残っていない。ということは、これはいわゆる「密室」というやつで…「やは…

『殺意は必ず三度ある』(☆3.6) 著者:東川篤哉

のんきを絵に描いたような鯉ヶ窪学園。敗退を続ける野球部グラウンドからベースが盗まれてしまう。オレ(=赤坂通)が唯一の下級生として在籍する探偵部員の総力を結集しても謎は解けない。後日、野球部とライバル校との練習試合終盤に事件は起きた。白昼堂々、…

『仮面幻双曲』(☆2.8) 著者:大山誠一郎

双子の弟から兄への殺人予告。そして、事件は起こった。一見不可能に思える殺人事件の謎に、若き探偵が挑む。その先に待っていたのは意外な結末だった…。小学館eBOOKSおよび携帯で配信された作品を加筆訂正し単行本化。 yahoo紹介より 2007年度『…

『終末のフール』(☆3.8) 著者:伊坂幸太郎

あと3年で世界が終わるなら、何をしますか。;2xxx年。「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」と発表されて5年後。犯罪がはびこり、秩序は崩壊した混乱の中、仙台市北部の団地に住む人々は、いかにそれぞれの人生を送るのか? 傑作連作短編集。 yahoo紹…

『厭魅の如き憑くもの』(☆4.0) 著者:三津田信三

憑き物筋の「黒の家」と「白の家」の対立、「神隠しに遭った」ように消える子供たち、生霊を見て憑かれたと病む少女、厭魅が出たと噂する村人たち、死んだ姉が還って来たと怯える妹、忌み山を侵し恐怖の体験をした少年、得体の知れぬ何かに尾けられる巫女―。…

『骸の爪』(☆3.0) 著者:道尾秀介

20年前から瑞祥房に脈々と息づく死者の怨念に真備が挑む、シリーズ第2弾。;「オン……リ……マリ……」取材のため、滋賀県の仏所・瑞祥房を訪れたホラー作家の道尾は、深夜の工房で不気味な囁き声を聞く。仏師たちにその話をすると、全員黙り込み、彼は瑞祥房から…

『θは遊んでくれたよ』(☆3.0) 著者:森博嗣

飛び降り自殺とされた男性死体の額には「θ」と描かれていた。半月後には手のひらに同じマークのある女性の死体が。さらに、その後発見された複数の転落死体に印されていた「θ」。自殺?連続殺人?「θ」の意味するものは?N大病院に勤める旧友、反町愛から事件の…

『ステーションの奥の奥』(☆4.2) 著者:山口雅也

小学六年生の陽太は吸血鬼に憧れていること以外はごく普通の小学生。そんな陽太には一風変わった叔父がいる。名前は夜之介。陽太の家の屋根裏部屋に居候している物書きだ。 そんな叔父と甥が、ある日テレビで「東京駅」が大改築されることを知り、夏休みの自…

『φは壊れたね』(2.6) 著者:森博嗣

おもちゃ箱のように過剰に装飾されたマンションの一室に芸大生の宙吊り死体が!現場は密室状態。死体発見の一部始終は、室内に仕掛けられたビデオで録画されていた。タイトルは『φは壊れたね』。D2大学院生、西之園萌絵が学生たちと事件の謎を追究する。森ミ…

『向日葵の咲かない夏』(☆4.4) 著者:道尾秀介

明日から夏休みという終業式の日、小学校を休んだS君の家に寄った僕は、彼が家の中で首を吊っているのを発見する。慌てて学校に戻り、先生が警察と一緒に駆け付けてみると、なぜか死体は消えていた。「嘘じゃない。確かに見たんだ!」混乱する僕の前に、今度…

『最後の一球』(☆3.4) 著者:島田荘司

「二番手の男」が投じた友情と惜別の一球が御手洗も諦めかけた「事件」を打ち砕く! 「奇跡が起こったよ石岡君」心躍る感動の青春ミステリー。 御手洗潔シリーズ長編。 yahoo紹介より 現時点での御手洗シリーズ長編の最新刊です。 といっても騙されてはいけま…

『顔のない敵』(☆3.2) 著者:石持浅海

1993年、夏。カンボジア、バッタンバン州。地雷除去NGOのスタッフ・坂田洋は、同僚のアネット・マクヒューと、対人地雷の除去作業をつづけていた。突然の爆発音が、カンボジアの荒れ地に轟く。誰かが、地雷を踏んだのだ!現地に駆けつけた坂田とアネットは、…

『シャドウ』(☆4.7) 著者:道尾秀介

人間は、死んだらどうなるの?―いなくなるのよ―いなくなって、どうなるの?―いなくなって、それだけなの―。その会話から三年後、鳳介の母はこの世を去った。父の洋一郎と二人だけの暮らしが始まって数日後、幼馴染みの亜紀の母親が自殺を遂げる。夫の職場であ…

『独白するユニバーサル横メルカトル』(☆4.8) 著者:平山 夢明

恐怖か快楽か。 残虐か諧謔か。 嘔吐か感涙か。 ……地獄の超絶技巧師・平山夢明は激しく読者を挑発しつづける。 断言しよう。凄まじき傑作集である。 ――綾辻行人 狂気に優しい平山夢明が紡ぐ、優しい狂気の迷宮八つ。 癖になります。 ――京極夏彦 神です、神 ―…

『福家警部補の挨拶』(☆4.0) 著者:大倉崇裕

現場を検分し鑑識の報告を受けて聞き込みを始める頃には、事件の真相が見えている? おなじみ刑事コロンボ、古畑任三郎の手法で畳みかける、4編収録のシリーズ第1弾。福家警部補は今日も徹夜で捜査する! 最初に断っておきますと、ミステリ好き・ドラマ好…

『ダブルダウン勘繰郎』(☆4.2) 著者:西尾維新

京都―河原町御池交差点。蘿蔔むつみはそびえ立つJDC(日本探偵倶楽部)ビルディングを双眼鏡で一心不乱にみつめる奇妙な探偵志望者・虚野勘繰郎とめぐりあう。―それが過去に66人の名探偵の命を奪った『連続名探偵殺戮事件』の再起動と同調する瞬間だとは思いも…

『九十九十九』(☆4.4) 著者:舞城王太郎

「苦しさを感じるなら、僕なんて愛さなくていいんだ」。聖書/『創世記』/『ヨハネの黙示録』の見立て連続殺人を主旋律に、神/「清涼院流水」の喇叭(ラッパ)が吹き荒れる舞台で踊りつづける超絶のメタ探偵・九十九十九の魂の旅が圧倒的文圧で語られる。 "世…

『法月綸太郎の本格ミステリ・アンソロジー』(☆3.5) 編:法月綸太郎

不可能犯罪、密室殺人、読者への挑戦が挿入された犯人当て、大胆不敵なミスディレクションなど初心者からマニアまで楽しめる本格ミステリ・アンソロジー。選者・法月綸太郎ならではの風刺の利いたものや、本格エッセンスが凝縮された小説などバラエティに富…

『禁じられたソナタ』(☆4.5) 著者:赤川次郎

飛岡音楽院の院長・飛岡栄一郎の臨終の際、「決して弾いてはならない」という謎の言葉とともに、「送別のソナタ」と題する楽譜を孫娘の有紀子に遺した。学院の運営を栄一郎に任されてきた園井は、その曲の存在と恐ろしさを知っているようだった。遺言どおり…

『やさしい死神』(☆4.4) 著者:大倉崇裕

本書には、死神にやられたとのメッセージに首をひねる表題作を皮切りに、物足りない芸ゆえに先行きを危ぶまれていた噺家二人が急に上達する「無口な噺家」、元名物編集長の安楽椅子探偵譚「幻の婚礼」、携帯事件に始まり牧&緑コンビ定番の張り込みで決する「…

『七度狐』(☆3.7) 著者:大倉崇裕

「季刊落語」編集部勤務を命ず。という衝撃の辞令から一年。落語と無縁だった新米編集者・間宮緑は職場に定着し、時に名探偵ぶりを見せる牧大路(まきおおみち)編集長の透徹した洞察力に舌を巻きつつ落語編集道に精進する日を送っていた。 「静岡に行ってくれ…