江戸川乱歩

『闇に蠢く』(☆3.2) 著者:江戸川乱歩

猟奇的嗜好の持ち主野崎三郎は彼の目に敵ったお蝶と両思いで幸せな猟奇生活を送っていたが、ある日からお蝶が何の影に怯えたものか、東京脱出を提案した。 野崎は前に行ったことあるS温泉の風変わりなところが彼の嗜好に合致し大変気にいっていたので、お蝶…

『一人二役』・『疑惑』・『人間椅子』・『接吻』 著者:江戸川乱歩

『一人二役』 これまたなんとも感想の難しい作品ですね。 現代でいうとマンネリ夫婦が、コスプレやらイメクラプレイで新鮮な気持ちを取り戻すってこと? でも、実際にこんなことしたらよけい夫婦の仲が壊れてしまうような・・・。 乱歩自身のコメント通り、…

『夢遊病者の死』・『百面相役者』・『屋根裏の散歩者』 著者:江戸川乱歩

『夢遊病者の死』 初期の乱歩作品には、夢遊病をモチーフにした作品が多いですが、これもその一つ。というかタイトルがずばりそのままですが。 主人公が、夢遊病状態の時に発生した事件に対して恐怖を抱くという設定は、「二廃人」と似てますが、後味の悪さ…

『盗難』・『白昼夢』・『指輪』 著者:江戸川乱歩

『盗難』 初期の短編を読み返してみると、思ったよりもユーモア風味の印象が強い作品が多いのにビックリ。 この短編もどちらかというとその傾向があると思います。 お金を盗むために犯人が仕掛けた罠が無駄に壮大なのがいいですね。もちろんそれだけではなく…

『日記帳』・『算盤が恋を語る話』・『幽霊』 著者:江戸川乱歩

『日記帳』 これはもうなんというか。本格小説というよりは暗号つき恋愛小説? とにかくまあ、ここに登場する男女の恋心の伝え方がまた奥ゆかしいというか、まわりくどいというか・・・。 当時の流行といった背景はあるものの、いくらなんでも伝わらないよと…

『心理試験』・『黒手組』・『赤い部屋』 著者:江戸川乱歩

『心理試験』 乱歩の短編の中でも代表作のひとつに数えられてますが、初期の作風や本格志向的なことを考えても、これを一番に推すのが妥当かなとは僕も思います。 実際にタイトルにある心理試験の考察の面白さもあるんですが、むしろ犯人である蕗屋清一郎の…

『二廢人』・『双生児』・『D坂の殺人事件』 著者:江戸川乱歩

『二廢人』 初期の乱歩によく登場する、夢遊病者の犯罪事件を扱った殺人事件です。 雰囲気はそれなりにあるんですよね~、短いなりに。主人公の心理状態なんかもよくわかりますし。 ただ、作者の仕掛けたトリックというのがもろに読めちゃうのが・・・。 初…

『二銭銅貨』・『一枚の切符』・『恐ろしき錯誤』 著者:江戸川乱歩

『二銭銅貨』 乱歩の記念すべき処女作であり、ポーの「黄金虫」の向こうを張った暗号が楽しめる作品です。 まずなにより、銅貨に暗号を隠すっていう発想がすごいし、それを解こうとする友人の努力と想像力に感服ですな。 暗号自体も結構というか、かなり複雑…

『パノラマ島綺譚』(☆4.0)

http://img.7andy.jp/bks/images/i0/31403230.JPG 富豪の菰田源三郎と瓜二つの小説家・人見広介は、源三郎になりすまして、菰田家の莫大な財産をもって、おのが空想した夢のパノラマ島をつくりあげた。 M県沖の島に展開される妖美な幻覚ともいえる怪しの「パ…

『空気男』(☆ 無理)

http://img.7andy.jp/bks/images/i0/31403230.JPG いや、これは評価のしようがないでしょ。 だって中絶だもん。しかもかなりの早い段階で(笑)。 面白いんですよ、導入部は。 二人の男を巡るウエットに富んだ入れ替わり喜劇。 その中からじわじわと滲み出て…

『湖畔亭事件』(☆3.3)

http://img.7andy.jp/bks/images/i0/31403230.JPG 神経衰弱症の療養の為訪れたA湖畔にたたずむ旅館湖畔亭。 幼少時からの性癖、鏡の興味から作り出した覗き眼がねを旅館の浴槽に取り付けた私は、浴槽でのさまざまな人々の姿を覗き見る陰湿な楽しみに耽って…

『闇に蠢く』

http://img.7andy.jp/bks/images/i0/31403230.JPG 猟奇的嗜好の持ち主野崎三郎は彼の目に敵ったお蝶と両思いで幸せな猟奇生活を送っていたが、ある日からお蝶が何の影に怯えたものか、東京脱出を提案した。 野崎は前に行ったことあるS温泉の風変わりなとこ…

『一人二役』・『疑惑』・『人間椅子』・『接吻』

『一人二役』 これまたなんとも感想の難しい作品ですね。 現代でいうとマンネリ夫婦が、コスプレやらイメクラプレイで新鮮な気持ちを取り戻すってこと? でも、実際にこんなことしたらよけい夫婦の仲が壊れてしまうような・・・。 乱歩自身のコメント通り、…

『夢遊病者の死』・『百面相役者』・『屋根裏の散歩者』

『夢遊病者の死』 初期の乱歩作品には、夢遊病をモチーフにした作品が多いですが、これもその一つ。というかタイトルがずばりそのままですが。 主人公が、夢遊病状態の時に発生した事件に対して恐怖を抱くという設定は、「二廃人」と似てますが、後味の悪さ…

『盗難』・『白昼夢』・『指輪』

『盗難』 初期の短編を読み返してみると、思ったよりもユーモア風味の印象が強い作品が多いのにビックリ。 この短編もどちらかというとその傾向があると思います。 お金を盗むために犯人が仕掛けた罠が無駄に壮大なのがいいですね。もちろんそれだけではなく…

『日記帳』・『算盤が恋を語る話』・『幽霊』

『日記帳』 これはもうなんというか。本格小説というよりは暗号つき恋愛小説? とにかくまあ、ここに登場する男女の恋心の伝え方がまた奥ゆかしいというか、まわりくどいというか・・・。 当時の流行といった背景はあるものの、いくらなんでも伝わらないよと…

『心理試験』・『黒手組』・『赤い部屋』

『心理試験』 乱歩の短編の中でも代表作のひとつに数えられてますが、初期の作風や本格志向的なことを考えても、これを一番に推すのが妥当かなとは僕も思います。 実際にタイトルにある心理試験の考察の面白さもあるんですが、むしろ犯人である蕗屋清一郎の…

『二廢人』・『双生児』・『D坂の殺人事件』

『二廢人』 初期の乱歩によく登場する、夢遊病者の犯罪事件を扱った殺人事件です。 雰囲気はそれなりにあるんですよね~、短いなりに。主人公の心理状態なんかもよくわかりますし。 ただ、作者の仕掛けたトリックというのがもろに読めちゃうのが・・・。 初…

『二銭銅貨』・『一枚の切符』・『恐ろしき錯誤』

『二銭銅貨』 乱歩の記念すべき処女作であり、ポーの「黄金虫」の向こうを張った暗号が楽しめる作品です。 まずなにより、銅貨に暗号を隠すっていう発想がすごいし、それを解こうとする友人の努力と想像力に感服ですな。 暗号自体も結構というか、かなり複雑…