2018-01-01から1年間の記事一覧

2018年マイ・ベスト

さて、今年もいよいよ大晦日です。 今年一年も色々なことがありました。昨年は父を亡くしましたが、そのころからガンの経過観察中だった母がついに抗癌剤治療をしなくてはいけなくなり、年の後半は色々と大変でした。おかげさまで治療は順調に進み、年越しも…

『誰も死なないミステリを君に』(☆3.2) 著者:井上悠宇

自殺、他殺、事故死など、寿命以外の“死”が見える志緒。彼女が悲しまぬよう、そんな死を回避させるのが僕の役目だった。ある日、志緒は秀桜高校文芸部の卒業生4人に同時に“死”の予兆を見た。“そして誰もいなくならない”ため、僕は4人を無人島に招待、安全な…

『少女を殺す100の方法』(☆4.1) 著者:白井智之

白井さんは短編集に収録されていた作品しか読んでいないけど、とにかくグロというかなんというか独特の世界が印象に残ってましたが、今回の収録作もジャンルはバラエティに飛んでいるにも関わらず、どこを切り取っても白井さん、という作品ばかり。 当然エロ…

『ガラスの殺意』(☆4.0) 著者:秋吉理香子

「憎きあいつを殺したのは……私!?」 二十年前に起きた通り魔事件の犯人が刺殺された。警察に「殺した」と通報したのは、同じ事件で愛する両親を失った女性。だが、彼女はその現場から逃げる途中で交通事故に遭い、脳に障害を負っていた。 警察の調べに対し、…

『スマホを落としだけなのに 囚われの殺人鬼』(☆3.6) 著者:志駕 晃

神奈川県警生活安全サイバー犯罪対策課の桐野良一はあるPCから、死体で見つかった女の情報を探っていた。そのPCは、「丹沢山中連続殺人事件」の犯人のものだった。秘密を探るうち、犯人は桐野にある取引を持ちかけ―。その頃、巨額の仮想通貨流出事件が発生。…

『死神刑事』(☆4.0) 著者:大倉崇裕

一年前に起きた『星乃洋太郎殺害事件』で、逮捕された容疑者に無罪判決が下された。時を同じくして、当事捜査に加わっていた大塚東警察署刑事課・大邊誠のもとに一人の男が現れる。男の名は、儀藤堅忍。警視庁内にある謎の部署でひとり、無罪確定と同時に事…

『時限感染 殺戮のマトリョーシカ』(☆4.0) 著者:岩木一麻

ヘルペスウイルスの研究者が首なし死体となって発見された。現場には寒天状の謎の物質と、バイオテロを予告する犯行声明が残されていた。猟奇事件にいきり立つ捜査陣であったが、彼らを嘲笑うように、犯人からの声明文はテレビ局にも届けられる。 社会が生物…

『○○○○○○○○殺人事件』(☆4.0) 著者:早坂吝

アウトドアが趣味の公務員・沖らは、仮面の男・黒沼が所有する孤島での、夏休み恒例のオフ会へ。赤毛の女子高生が初参加するなか、孤島に着いた翌日、メンバーの二人が失踪、続いて殺人事件が。さらには意図不明の密室が連続し……。果たして犯人は? そしてこ…

『などらきの首』(☆4.0) 著者:澤村伊智

「などらきさんに首取られんぞ」祖父母の住む地域に伝わる“などらき”という化け物。刎ね落とされたその首は洞窟の底に封印され、胴体は首を求めて未だに彷徨っているという。しかし不可能な状況で、首は忽然と消えた。僕は高校の同級生の野崎とともに首消失…

『二千回の殺人』(☆3.4) 著者:石持浅海

不可抗力の事故で最愛の恋人を失った篠崎百代。彼女は復讐の為に、汐留のショッピングモールで無差別殺人を決意する。触れただけで死に至る最悪の生物兵器《カビ毒》を使い、殺戮をくりかえす百代。苦しみながら斃れていく者、逃げ惑う者、パニックがパニッ…

『沈黙のパレード』(☆4.2) 著者:東野圭吾

突然行方不明になった町の人気娘が、数年後に遺体となって発見された。容疑者は、かつて草薙が担当した少女殺害事件で無罪となった男。だが今回も証拠不十分で釈放されてしまう。さらにその男が堂々と遺族たちの前に現れたことで、町全体を憎悪と義憤の空気…

『アリバイ崩し承ります』(☆2.6) 著者:大山誠一郎

時を戻すことができました。アリバイは、崩れました――。 美谷時計店には、「時計修理承ります」だけでなく「アリバイ崩し承ります」という貼り紙がある。 「時計にまつわるご依頼は何でも承る」のだという。 難事件に頭を悩ませる捜査一課の新米刑事は、アリ…

『古事記異聞 オロチの郷、奥出雲』(☆2.4) 著者:高田崇史

大学の研究室で民俗学を学ぶ橘樹雅は、出雲での調査を終えようとしていた。ところが「出雲の本質は奥出雲にある」という担当教官のひと言で、日程を延長して奥出雲へ向かうことに。素戔嗚尊とは何者なのか?「櫛御気野命」「櫛名田比売」など神の名前に頻出す…

『グラスバードは還らない』(☆4.7) 著者:市川憂人

マリアと漣は、大規模な希少動植物密売ルートの捜査中、得意取引先に不動産王ヒュー・サンドフォードがいることを掴む。彼にはサンドフォードタワー最上階の邸宅で、秘蔵の硝子鳥や希少動物を飼っているという噂があった。捜査打ち切りの命令を無視してタワ…

『下町ロケット ヤタガラス』(☆4.0) 著者:池井戸樹

社長・佃航平の閃きにより、トランスミッションの開発に乗り出した佃製作所。果たしてその挑戦はうまくいくのか――。 ベンチャー企業「ギアゴースト」や、ライバル企業「ダイダロス」との“戦い"の行方は――。 帝国重工の財前道生が立ち上げた新たなプロジェク…

『錆びた滑車』(☆4.0)  著者:若竹七海

錆びた滑車 女探偵・葉村晶は尾行していた老女・石和梅子と青沼ミツエの喧嘩に巻き込まれる。ミツエの持つ古い木造アパートに移り住むことになった晶に、交通事故で重傷を負い、記憶を失ったミツエの孫ヒロトは、なぜ自分がその場所にいたのか調べてほしいと…

『下町ロケット ゴースト』(☆3.4) 著者:池井戸潤

倒産の危機や幾多の困難を、社長の佃航平や社員たちの、熱き思いと諦めない姿勢で切り抜けてきた大田区の町工場「佃製作所」。 しかし、またしても佃製作所は予期せぬトラブルにより窮地に陥っていく。 いまや佃製作所のシンボルとなったロケットエンジン用…

NHKBSプレミアム『悪魔が来りて笛を吹く』

NHKBSプレミアム『悪魔が来りて笛を吹く』、みなさん、見ましたか? すごいです、大傑作です。同作の映像化ではダントツ、そして金田一の映像化作品の中でもかなり上位です、個人的に。 今回の金田一耕助は吉岡秀隆。BS金田一は短編ドラマを池松壮亮、そして…

『ちょっと一杯のはずだったのに』(☆3.2) 著者:志駕晃

秋葉原FMの人気パーソナリティの西園寺沙也加が殺された。彼女に最後に会ったのは、ラジオディレクターで沙也加の恋人でもある矢嶋直弥だった。死体の首には、矢嶋が沙也加から貰ったものと同じネクタイが巻かれており、警察は矢嶋を疑う。矢嶋は否定するも…

『スマホを落としただけなのに』(☆3.7) 著者:志駕晃

第15回『このミステリーがすごい! 』大賞・隠し玉作品は、二転三転する恐怖のサイバーサスペンスです! 麻美の彼氏の富田がスマホを落としたことが、すべての始まりだった。 拾い主の男はスマホを返却するが、男の正体は狡猾なハッカー。 麻美を気に入った男…

『碆霊の如き祀るもの』(☆4.2) 著者:三津田信三

断崖に閉ざされた海辺の村に古くから伝わる、海と山の怪の話。その伝説をたどるように起こる連続殺人事件。シリーズ書き下ろし最新作断崖に閉ざされた海辺の村に古くから伝わる、海の怪と山の怪の話。その伝説をたどるように起こる連続殺人事件。どこかつじ…

『幻の女』(☆4.6) 著者:ウイリアム・アイリッシュ

妻と喧嘩し、あてもなく街をさまよっていた男は、風変りな帽子をかぶった見ず知らずの女に出会う。彼は気晴らしにその女を誘って食事をし、劇場でショーを観て、酒を飲んで別れた。その後、帰宅した男を待っていたのは、絞殺された妻の死体と刑事たちだった!…

『コンビニなしでは生きられない』(☆3.0) 著者:秋保水菓

大学生活に馴染めず中退した19歳の白秋。彼にとって唯一の居場所はバイト先のコンビニだった。そこに研修でやってきた女子高校生の黒葉深咲。 強盗、繰り返しレジに並ぶ客、売り場から消えた少女。店内でひとたび事件が起これば、深咲は目を輝かせて、どんど…

『羊と鋼の森』(☆4.0) 著者:宮下奈都

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。 ひたすら音と向き合い、人と向き合う外村。個性豊かな先輩たちや双子の姉妹に囲まれながら、調律の森へと深く分け入っていく―。 一人の青年が成…

『福家警部補の考察』(☆3.8) 著者:大倉崇裕

地位と愛情を天秤にかける医師の誤算(「是枝哲の敗北」)、夫の企みを察知し機先を制する料理好きな妻(「上品な魔女」)、身を挺して師匠の名誉を守ろうとするバーテンダー(「安息の場所」)、数年越しの計画で恋人の仇を討つ証券マン(「東京駅発6時00分…

『古事記異聞 鬼棲む国、出雲』(☆2.6) 著者:高田崇史

日枝山王大学の民俗学研究室に所属する橘樹雅は、研究テーマ「出雲」についての見識のなさを担当教官・御子神伶二に指摘され、現地に旅立つ。 出雲四大神とは何なのか、伊弉冉尊を偲ぶ「神在祭」とは? 雅が向かう黄泉比良坂では、髪を切られ、左眼に簪を突き…

『検察側の罪人』(☆3.5) 著者;雫井脩介

東京地検のベテラン検事・最上毅と同じ刑事部に、教官時代の教え子、沖野啓一郎が配属されてきた。ある日、大田区で老夫婦刺殺事件が起きる。 捜査に立ち会った最上は、一人の容疑者の名前に気づいた。すでに時効となった殺人事件の重要参考人と当時目されて…

『友罪』(☆4.2) 著者:薬丸岳

あなたは“その過去”を知っても友達でいられますか?埼玉の小さな町工場に就職した益田は、同日に入社した鈴木と出会う。無口で陰のある鈴木だったが、同い年の二人は次第に打ち解けてゆく。しかし、あるとき益田は、鈴木が十四年前、連続児童殺傷で日本中を震…

『豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件』(☆3.7) 著者:倉知淳

空前絶後の密室殺人。 真夜中の実験室で起きた 世にも奇妙な事件の真相は――!? ユーモア&本格満載。 猫丸先輩シリーズ最新作収録のミステリ・バラエティ! 戦争末期、帝國陸軍の研究所で、若い兵士が倒れていた。 屍体の周りの床には、なぜか豆腐の欠片が散ら…

『ブラッドライン』(☆3・0) 著者:黒澤伊織

アラルスタン共和国とラザン独立国の国境ー通称ブラッドラインで射殺体が発見された。殺されたのは、世界的歌手のM。アメリカ人である彼は、何のために紛争地帯にいたのか?彼を殺したのは誰か?何のためにスーパースターを殺したのか? 一人の男の死が、世…