2016-01-01から1年間の記事一覧

今年一年の振り返り、そして好きだったもの

いよいよ、今年も今日一日になりました。 我が家では人数が少ないので、年末といっても特にいつもと変わりは無し。とりあえず、お歳暮やら北海道の妹から送られてきた食料があるので、まぁ、なんとか正月らしい食卓にはなりそうな気がしましすが。 さて、去…

『半席』(☆4.0)  著者:青山文平

御家人から旗本に身上がるべく、目の前の仕事に励む若き徒目付の片岡直人。だが上役から振られたのは、腑に落ちぬ事件にひそむ「真の動機」を探り当てる御用だった。職務に精勤していた老侍が、なぜ刃傷沙汰を起こしたのか。歴とした家筋の侍が堪えきれなか…

『約定』(☆4・0)  著者:青山文平

真剣仕合、藩命、果し合い、介錯。刀が決する人生の岐路を鮮烈に描く武家小説。 小さな道場を開く浪人が、ふとしたことで介抱することになった行き倒れの痩せ侍。その侍が申し出た奇妙な頼み事と劇的な?莖末を描く「三筋界隈」。果し合いの姿のまま、なぜか…

『長い腕』(☆3.8)  著者:川崎草志

新人作家の登竜門たる、第21回横溝正史ミステリ大賞を受賞した話題作である。ゲーム製作会社に勤務する主人公は音楽と読書、そして孤独を愛する女性。現在の仕事に大きな不満はないが、同じ場所に居続けることを好まないため、会社を辞めしばらく故郷・愛媛…

『松谷警部と目黒の雨』(☆3.4)  著者:平石貴樹

目黒本町のマンションで殺害された小西のぞみの身辺を調べていくと、武蔵学院大学アメフト部「ボアーズ」との関連が浮上、更にはボアーズの仲間内でこの5年に複数の変死者が出ていると判明した。これらは?壓がっているのか。 松谷警部は白石巡査らと捜査に…

たったひとつの浦川氏の事件簿』(☆1.6) 著者:斎藤肇

岸岡という小さな町で殺人事件が起こった。 町中がその話題で持ちきりとなってい たさなか、浦川はある少年にこう問いかけた。 「君さ、人を殺しただろ?」 浦川は少年が記したネット掲示板のある書き込みをみてそう感じたのだという。 はたして少年はある人…

『曲った蝶番』(☆4.0) 著者:ジョン・ディクスン・カー

1年前、25年ぶりにアメリカから帰国し、爵位と地所を継いだジョン・ファーンリー卿は偽者であり、自分こそが正当な相続人であると主張する男が現れた。渡米の際にタイタニック号の船上で入れ替わったのだと言う。あの沈没の夜に―。 やがて、決定的な証拠によ…

映画『この世界の片隅に』  監督:片渕須直

『この世界の片隅に』(11/12(土)公開)本予告 あらすじ 18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。 良いも悪いも決められないまま話は進み、1944(昭和19)年2月、すずさんは呉へとお嫁にやって来る。呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、軍港の街として栄…

『赤い博物館』(☆4.7)  著者:大山誠一郎

『密室蒐集家』で第13回本格ミステリ大賞を射止めた著者がミステリ人生のすべてを賭けて贈る渾身作。 キャリアながら《警視庁付属犯罪資料館》の館長に甘んじる謎多き美女と、一刻も早く汚名を返上し捜査一課に戻りたい巡査部長。図らずも「迷宮入り、絶対阻…

『裁く眼』(☆3.0)  著者:我孫子武丸

漫画家になり損ね、浅草の路上で似顔絵を描いて生計を立てている袴田鉄雄。あるとき、彼の腕前を見込んだテレビ局の人間から、「法廷画」を描いてほしいという依頼が舞い込む。描くことになったのは、殺人の疑いをかけられた美女だった。通り描いた絵が、テ…

『本格力』(☆5.0)  著者:喜国雅彦・国樹由香

どのページを開いても、本格愛、本棚探偵への愛に溢れた一冊。 本書を読める幸せを享受しないなんてもったいないです。――辻村深月 本格ミステリ誕生175年目の衝撃! 日本推理作家賞受賞作家が放つ 今まで見たことのないブックガイド!! ○本当にお薦めしたい古…

映画『ミュージアム』  監督:大友啓史

あらすじ 過激な描写と緊迫のストーリー展開で人気を博す巴亮介の人気サイコスリラー漫画を、これが初タッグとなる小栗旬主演×大友啓史監督により実写映画化。 雨の日だけに起こる猟奇殺人事件を追う刑事の沢村久志。犯行現場に残された謎のメモや、見つけら…

『QED ~flumen~月夜見』(☆3.0)  著者:高田崇史

まずはあらすじ。 京都・月読神社で女性の絞殺死体が発見される。翌朝、近隣の松尾大社では女性の兄の死体が鳥居に吊される。事件を取材する小松崎良平は、桑原崇と棚旗奈々が一泊旅行で京都にいると知り、強引に合流する。 記紀最大の謎とされる月読命の真…

『世界が赫に染まる日に』(☆3.7)  著者:櫛木理宇

まずはあらすじ。 中学3年生の緒方櫂は、従兄妹の未来を奪った加害者に復讐を誓った。自分の左目は見た者を石にする“邪眼”だと称する高橋文稀は、15歳の誕生日に自殺する計画を立てた。夜の公園で出逢った二人は、文稀が死ぬまでの間、櫂の復讐に協力する契…

『小説版「君の名は」」(☆3.5) 著者:新海誠

まずはあらすじ。 山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は、自分が男の子になる夢を見る。見慣れない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の街並み。 一方、東京で暮らす男子高校生・瀧も、山奥の町で自分が女子高校生になる夢を見る。やがて二人は…

『侵蝕』(☆3.7)  著者:櫛木理宇

まずはあらすじ。 ねえ。 このうちって、とてもいいおうちよね。 ――わたしの、理想のおうちだわ。 皆川美海は平凡な高校生だった。あの女が、現れるまでは……。 幼い弟の事故死以来、沈んだ空気に満ちていた皆川家の玄関に、 弟と同じ名前の少年が訪れた。 行…

『ぼぎわんが、来る』(☆3.9)  著者:澤村伊智

まずはあらすじ。 幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。正体不明の噛み傷を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。その後も秀樹の周囲に不審…

『挑戦者たち』(☆3.5)  著者:法月綸太郎

まずはあらすじ。 賢明すぎる読者諸君に告ぐ――これは伝説のミステリ奇書である。 こんな本、ありか!? パロディありクイズあり迷路あり。レーモン・クノーに触発されて、古今東西の名作のエッセンスに彩られたミステリ万華鏡。ブッキッシュで過剰な仕掛けと洒…

『祈りの幕が下りる時』(☆4.0)  著者:東野圭吾

まずはあらすじ。 悲劇なんかじゃない。これが私の人生。 加賀恭一郎は、なぜ「新参者」になったのか---。 明治座に幼馴染みの演出家を訪ねた女性が遺体で発見された。捜査を担当する松宮は近くで発見された焼死体との関連を疑い、その遺品に日本橋を囲む12…

『ずうのめ人形』(☆4.5)  著者:澤村伊智

まずはあらすじ。 オカルト雑誌でアルバイトとして働く藤間は、校了間際に音信不通になってしまったライター・湯水を探すために同僚の岩田とともに湯水の自宅を訪れる。そこで2人が発見したのは、顔中に”糸”のような引っ掻き傷をつけ、自ら目を抉り出した状…

『ペンギンを愛した容疑者』(☆3.9) 著者:大倉崇裕

まずはあらすじ。 「人間の視点では、この謎は解けません」 ペンギン屋敷の溺死体! 秘められた”殺意の証拠”をアニマル推理で解き明かせ! 警視庁「いきものがかり」の名(迷)コンビが大活躍!! 強面の窓際警部補・須藤友三(すどう・ともぞう)と動物オタクの女性…

テレビドラマ『徳山大五郎を誰が殺したか』

テレビ東京系列の深夜ドラマ枠「土曜ドラマ24」で放映された作品。といっても、広島ではテレビ東京系列の放送は無いので、Amazon・プライムビデオで見ました。 出演は乃木坂46に続く「坂道シリーズ第2弾」の欅坂46。プロデューサーの秋元康が企画・原…

『蜂に魅かれた容疑者 警視庁総務部動植物管理係』(☆3.6)  著者:大倉崇裕

まずはあらすじ。 新興宗教団体『ギヤマンの鐘』にかかわる事件で警視庁が緊張に包まれる中、都内とその近郊の各地でスズメバチが人を襲う事故が、連続して発生する。その中には高速道路を走行する車中で蜂が暴れるという重大な事例もあった。本庁の総務部総…

『怪談のテープ起こし』(☆4.0)  著者:三津田信三

まずはあらすじ。 恐怖は全て、日常にひそむ。 「自殺する間際に、家族や友人や世間に向けて、カセットテープにメッセージを吹き込む人が、たまにいる。それを集めて原稿に起こせればと、俺は考えている」。 作家になる前の編集者時代、三津田信三は、ライタ…

『黒面の狐』(☆3.7)

まずはあらすじ。 あの真っ暗闇の奥から、 何かが私を凝っと覗いている。 戦後まもない北九州の炭鉱で起きた、不可解な連続怪死事件。 真相を知るのは、ただ黒面の狐のみ……? 戦後まもない混乱期。主人公の物理波矢多(もとろい・はやた)は満洲の建国大学から…

『放課後スプリングトレイン』(☆3.9)  著者:吉野泉

まずはあらすじ。 福岡・天神を舞台に贈る、透明感溢れる青春ミステリ。 四月のある日、福岡市内の高校に通う私は、親友・朝名の年上の彼氏を紹介される。そのとき同席していた大学院生の飛木さんは、私の周りで起こる事件をさらりと解き明かしてみせる不思…

映画『怒り』  監督:李相日

あらすじ ある夏の暑い日に八王子で夫婦殺人事件が起こった。窓は締め切られ、蒸し風呂状態の現場には「怒」の文字が残されていた。犯人は顔を整形し、全国に逃亡を続ける。その行方はいまだ知れず。事件から一年後、千葉と東京と沖縄に、素性の知れない3人…

『亜愛一郎の狼狽』(☆4.0)  著者:泡坂妻夫

まずはあらすじ。 人けのない宮前空港で、折からの驟雨にずぶ濡れになって、約二時間も佇んでいる中年男がいた。宮前署の羽田刑事だ。彼はまもなく到着予定の旅客機を待っていた。この機の離陸直前、何者かが爆破を予告したのだ。ふと目を転じた羽田は、写真…

『小説「怒り」と映画「怒り」 - 吉田修一の世界』(☆なし)

attached(1,align) まずはあらすじ。 父・邦彦、母・景子、担任の幼稚園教諭、高校時代の恋人ら、ある時期の山神一也を知る人々が語る、小説「怒り エピソード0 8つの証言」。 山神とは一体、どんな人物だったのか? 残された謎に迫る。 他に、映画『悪人』『…

『ZERO~猟奇犯罪捜査官・藤堂比奈子』(☆2.7)  著者:内藤了

まずはあらすじ。 新人刑事・藤堂比奈子が里帰り中の長野で幼児の部分遺体が発見される。都内でも同様の事件が起き、関連を調べる比奈子ら「猟奇犯罪捜査班」。複数の幼児の遺体がバラバラにされ、動物の死骸とともに遺棄されていることが分かる。一方、以前…