#小説

『謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー』(☆3.3)

「館」の謎は終わらない――。館に魅せられた作家たちが書き下ろす、色とりどりのミステリの未来! 奇怪な館、発生する殺人、生まれいづる謎、変幻自在のロジック――! 読めば鳥肌間違いなし。謎は、ここにある。新本格30周年記念アンソロジー第三弾。 Amazonより…

『謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー』(☆4.0)

テーマは「館」、ただひとつ。 今をときめくミステリ作家たちが提示する「新本格の精神」がここにある。 奇怪な館、発生する殺人、生まれいづる謎、変幻自在のロジック――! 読めば鳥肌間違いなし。謎は、ここにある。新本格30周年記念アンソロジー第二弾。 Am…

『月明かりの男』(☆3.2)  著者:ヘレン・マクロイ

私用で大学を訪れたフォイル次長警視正は“殺人計画”の書かれた紙を拾う。決行は今夜八時。直後に拳銃の紛失騒ぎが起きたことに不安を覚え、夜に再び大学を訪れると、亡命化学者の教授が死体で発見された。現場から逃げた人物に関する目撃者三名の証言は、容…

『名探偵傑作短篇集 法月綸太郎篇』(☆4.7)  著者;法月綸太郎

新本格ミステリの牽引者・法月綸太郎が生んだ同名の探偵・法月綸太郎が型破りな謎に父・法月警視とともに挑む。 その選りすぐりの短編集。会心の鉄道ミステリ「背信の交点(シザーズ・クロッシング)」、オカルト現象の裏側の犯罪劇「世界の神秘を解く男」、日…

『巨大幽霊マンモス事件』(☆3.0)  著者:二階堂黎人

ロシア革命から数年経ったシベリア奥地。 逃亡貴族たちが身を隠す<死の谷>と呼ばれた辺境へ秘密裏に物資を運ぶ<商隊>と呼ばれる一団がいた。 その命知らずな彼らさえも、恐怖に陥る事件が発生! 未知なる殺人鬼の執拗な追跡、連続する密室殺人、<死の谷>に甦…

『ユリ迷宮』(☆2.6)   著者:二階堂黎人

バイカル湖近くの豪壮な館が吹雪の中で忽然と消えてしまうトリックの見事な「ロシア館の謎」。コントラクトブリッジのパーティーという衆人環視の中で殺人が行われる「劇薬」。誰も入れない密閉状態の新築高級マンションで殺人事件が起きる「密室のユリ」の…

『アクロイド殺し』(☆4.5)  著者:アガサ・クリスティ

深夜の電話に駆けつけたシェパード医師が見たのは、村の名士アクロイド氏の変わり果てた姿。容疑者である氏の甥が行方をくらませ、事件は早くも迷宮入りの様相を呈し始めた。 だが、村に越してきた変人が名探偵ポアロと判明し、局面は新たな展開を… 驚愕の真…

『ゴルフ場殺人事件』(☆3.7)  著者:アガサ・クリスティ

南米の富豪ルノーが滞在中のフランスで無惨に刺殺された。事件発生前にルノーからの手紙を受け取っていながら悲劇を防げなかったポアロは、プライドをかけて真相解明に挑む。 一方パリ警視庁からは名刑事ジローが乗り込んできた。たがいを意識し推理の火花を…

『スタイルズ荘の怪事件』(☆3.8)  著者;アガサ・クリスティ

旧友の招きでスタイルズ荘を訪れたヘイスティングズは、到着早早事件に巻き込まれた。屋敷の女主人が毒殺されたのだ。難事件調査に乗り出したのは、ヘイスティングズの親友で、ベルギーから亡命して間もない、エルキュール・ポアロだった。 不朽の名探偵の出…

『くうきにんげん』(☆3.7)  著者;綾辻行人

綾辻行人と牧野千穂が、見えない魔物を描きだす― 「くうきにんげん」を知っているかい? 誰も気づいていないけど、世界中にたくさんいるんだよ。 普通の人間におそいかかって、空気に変えてしまうのさ。 ―ほら、君のそばにも。 Amazonより 岩崎書店の「怪談え…

『探偵が早すぎる (下)』(☆3.7)  著者;井上真偽

「俺はまだ、トリックを仕掛けてすらいないんだぞ!?」 完全犯罪を企み、実行する前に、探偵に見抜かれてしまった犯人の悲鳴が響く。父から莫大な遺産を相続した女子高生の一華。四十九日の法要で、彼女を暗殺するチャンスは、寺での読経時、墓での納骨時、ホ…

『探偵が早すぎる (上)』(☆3.2)  著者;井上真偽

『その可能性はすでに考えた』の著者が仕掛ける究極の逆転劇! 父の死により莫大な遺産を相続した女子高生の一華。その遺産を狙い、一族は彼女を事故に見せかけ殺害しようと試みる。一華が唯一信頼する使用人の橋田は、命を救うためにある人物を雇った。 それ…

『ししりばの家』(☆4.0)  著者:澤村伊智

夫の転勤に伴う東京生活に馴染めずにいた笹倉果歩は、ある日幼馴染の平岩敏明と再会する。彼の家に招かれ平岩の妻や祖母と交流をしていく中で果歩の心は癒されていくが、平岩家にはおかしなことがあった。さあああという不快な音、部屋に散る不気味な砂。怪…

『美しい星』 著者:三島由紀夫

地球とは別の天体から飛来した宇宙人であるという意識に目覚めた一家を中心に、核兵器を持った人類の滅亡をめぐる現代的な不安を、SF的技法を駆使してアレゴリカルに描き、大きな反響を読んだ作品。著者は、一家を自在に動かし、政治・文明・思想、そして人…

『ミステリ国の人々』(☆4.2)  著者:有栖川有栖

ミステリ小説という「国」には作家が造形した様々な「人々」が住んでいる。誰もが知る名探偵、事件の鍵を握る意外な人物、憎めない脇役、不可解だけれど目が離せない人……そんな人たちを通して、ミステリを読むおもしろさが何倍にも膨らむ「ツボ」を刺激して…

『ユリゴコロ』(☆3.6)  著者:沼田まほかる

亮介が実家で偶然見つけた「ユリゴコロ」と名付けられたノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。創作なのか、あるいは事実に基づく手記なのか。そして書いたのは誰なのか。謎のノートは亮介の人生を一変させる驚愕の事実を孕んでいた…

『神の値段』(☆3.4)  著者:一色さゆり

メディアはおろか関係者の前にも一切姿を見せない前衛芸術家・川田無名。 彼は、唯一つながりのあるギャラリー経営者の永井唯子経由で、作品を発表し続けている。 ある日唯子は、無名が1959年に描いたという作品を手の内から出してくる。 来歴などは完全に伏…

『恐怖小説 キリカ』(☆3.8) 著者:澤村伊智

ホラー小説の新人賞を獲得し、僕は出版に向けて準備をはじめた。隣には支えてくれる最愛の妻・キリカ。 順風満帆な日々が続くと思われたが、友人の一人が「作家とは人格破綻者である」「作家は不幸であるべき」と一方的な妄想を僕に押し付け、嫌がらせをはじ…

『アトミック・ボックス』(☆3.8)  著者;池澤夏樹

人生でひとつ間違いをしたという言葉を遺し、父は死んだ。 直後、美汐の前に現れた郵便局員は、警視庁を名乗った。30年にわたる監視。父はかつて、国産原子爆弾製造に携わったのだ。国益を損なう機密資料を託された美汐は、父親殺人の容疑で指名手配されてし…

『失われた地図』(☆3.6)  著者:恩田陸

直木賞受賞第一作! “恩田ワールド”全開のエンターテインメント長編 錦糸町、川崎、上野、大阪、呉、六本木・・・・・・。 日本各地の旧軍都に発生すると言われる「裂け目」。 かつてそこに生きた人々の記憶が形を成し、現代に蘇る。 鮎観の一族は代々、この…

『随筆古文書紀行 まぼろしの厳嶋大仏』(☆3.0)  著者:山田道信

『厳嶋道芝記』など古文書に記されていたにもかかわらず、宮島「大仏原」から消えた丈六仏〈厳嶋大仏〉の行方を求め、秘められた謎の歴史を繙く。その仏は海を渡った――。 「台座や光背はなく、像の所々に金箔が残っている。膝から下の部分の損傷が特に激しく…

『あひる』(☆4.0)  著者:今村夏子

読み始めると心がざわつく。 何気ない日常の、ふわりとした安堵感にふとさしこむ影。 淡々と描かれる暮らしのなか、綻びや継ぎ目が露わになる。 あひるを飼うことになった家族と学校帰りに集まってくる子供たち。一瞬幸せな日常の危うさが描かれた「あひる」…

『刺青の殺人者』(☆3.6)  著者:アンドレアス・グルーバー

全身の骨が折られ、血が抜かれた若い女性の遺体が、ライプツィヒの貯水池で見つかった。娘の遺体の確認にベルリンからやってきた母ミカエラは、自分一人でも娘が殺された理由をつきとめ、姉と一緒に家出したまま行方不明のもうひとりの娘を捜し出そうと堅く…

『魂でもいいから、そばにいて ─3・11後の霊体験を聞く』 著者:奥野修司

あの未曾有の大震災から、今年で6年――。 その被災地で、死者を身近に感じる奇譚が語られているという。 最愛の家族や愛しい人を大津波でうしない、悲哀の中で生きる人びとの日常に、 突然起きた不思議な体験の数々……。 《愛する亡夫との〝再会″で、遺された…

『暗黒女子』(☆3.6)  著者:秋吉理香子

聖母女子高等学院で、一番美しく一番カリスマ性のある女生徒が死んだ。今晩学校に集められたのは、彼女を殺したと噂される、同じ文学サークルの「容疑者」たち。彼女たちは一人ずつ、自分が推理した彼女の死の真相を発表することに。会は「告発」の場となり…

『夏を殺す少女』(☆3.9)  著者:アンドレアス・グルーバー

酔った元小児科医がマンホールで溺死。市会議員が運転をあやまり事故死。一見無関係な出来事に潜むただならぬ気配に、弁護士エヴェリーンは深入りしていく。一方ライプツィヒ警察の刑事ヴァルターは、病院での少女の不審死を調べていた。 オーストリアの弁護…

『狩人の悪夢』(☆3.6)  著者:有栖川有栖

人気ホラー作家・白布施に誘われ、ミステリ作家の有栖川有栖は、京都・亀岡にある彼の家、「夢守荘」を訪問することに。そこには、「眠ると必ず悪夢を見る部屋」があるという。 しかしアリスがその部屋に泊まった翌日、白布施のアシスタントが住んでいた「獏…

『リバース』(☆3.8)   著者:湊かなえ

深瀬和久は平凡なサラリーマン。唯一の趣味は、美味しいコーヒーを淹れる事だ。そんな深瀬が自宅以外でリラックスできる場所といえば、自宅近所にあるクローバーコーヒーだった。 ある日、深瀬はそこで、越智美穂子という女性と出会う。その後何度か店で会う…

『ケムール・ミステリー』(☆2.6)  著者:谺健二

ケムール人を生み出した孤高の天才作家、成田亨。彼に魅せられた男が建てた屋敷は、まさに怪物の異形で覆われていた。そこで起こる連続密室死。自殺にしか見えないのだったが… しかしその「ほころび」から浮かび上がってきた全体像は誰もが予想しえなかった…

『22年目の告白-私が殺人犯です』(☆3.0) 著者:浜口倫太郎

編集者・川北未南子の前に突如現れた美青年・曾根崎雅人。 彼から預かった原稿は、時効となった連続殺人事件の犯行を告白したものだった。その残忍な犯行記録『私が殺人犯です』はたちまちベストセラーとなり、曾根崎は熱狂を煽るかのように世間を挑発し続け…