#小説

『タラント氏の事件簿(完全版)』(☆3.4) 著者:C・デイリー・キング

博物館から消えた古書、ペントハウスの密室殺人、古の詩どおりに現われては消える竪琴……いずれ劣らぬ怪事件に理知の光を当て真相をあばくのは、日本人執事を従えた謎の紳士タラント氏である。巨匠クイーンが「黄金時代におけるもっとも想像力に富んだ短編集…

『殺人鬼探偵の捏造美学』(☆3.2) 著者;御影瑛路

氷鉋清廉。警察も頼りにする精神科医にして、美学に満ちた殺人鬼・マスカレード。 新米刑事の百合はマスカレードに殺されたかのような怪死体に遭遇するが、先輩刑事に紹介された捜査協力者は、あろうことか氷鉋だった! 父親、婚約者、恋人の証言が食い違う、…

『ミステリークロック』(☆3.5)  著者:貴志祐介

犯人を白日のもとにさらすために――防犯探偵・榎本と犯人たちとの頭脳戦。 様々な種類の時計が時を刻む晩餐会。主催者の女流作家の怪死は、「完璧な事故」で終わるはずだった。そう、居あわせた榎本径が、異議をとなえなければ……。表題作ほか、斜め上を行くト…

『13・67』(☆4.0) 著者:陳浩基

華文(中国語)ミステリーの到達点を示す記念碑的傑作が、ついに日本上陸! 現在(2013年)から1967年へ、1人の名刑事の警察人生を遡りながら、香港社会の変化(アイデンティティ、生活・風景、警察=権力)をたどる逆年代記(リバース・クロノロジー)形式の本格ミス…

『マツリカ・マトリョシカ』(☆4.4) 著者:相沢沙呼

柴山祐希、高校2年生。彼は学校の近くにある廃墟ビルに住んでいる、 謎の美女・マツリカさんに命じられて、学校の怪談を調査している。 ある日、偶然出会った一年生の女子から『開かずの扉の胡蝶さん』の怪談を耳にする。 密室状態の第一美術室で2年前に起き…

『蝶のいた庭』(☆4.0) 著者;ドット・ハチソン

FBI特別捜査官のヴィクターは、若い女性の事情聴取に取りかかった。彼女はある男に拉致軟禁された10名以上の女性とともに警察に保護された。彼女の口から、蝶が飛びかう楽園のような温室〈ガーデン〉と、犯人の〈庭師〉に支配されていく女性たちの様子が語ら…

『盤上の向日葵』(☆4.4) 著者:柚月裕子

実業界の寵児で天才棋士――。 男は果たして殺人犯なのか! ? さいたま市天木山山中で発見された白骨死体。唯一残された手がかりは初代菊水月作の名駒のみ。それから4ヶ月、叩き上げ刑事・石破と、かつて将棋を志した若手刑事・佐野は真冬の天童市に降り立つ。…

『皇帝と拳銃と』(☆3.6) 著者:倉知淳

私の誇りを傷つけるなど、万死に値する愚挙である。絶対に許してはいけない。学内で“皇帝”と称される稲見主任教授は、来年に副学長選挙を控え、恐喝者の排除を決意し実行に移す。犯行計画は完璧なはずだった。そう確信していた。あの男が現れるまでは。著者…

『君の膵臓を食べたい』(☆3.6) 著者:住野よる

ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。それはクラスメイトである山内桜良が綴った、秘密の日記帳だった。そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて―。読後、きっとこのタイトルに涙する…

『犯罪者』(☆4.2) 著者:太田愛

白昼の駅前広場で4人が刺殺される通り魔事件が発生。犯人は逮捕されたが、ただひとり助かった青年・修司は搬送先の病院で奇妙な男から「逃げろ。あと10日生き延びれば助かる」と警告される。その直後、謎の暗殺者に襲撃される修司。なぜ自分は10日以内に殺さ…

寝台特急「出雲」+-(プラスマイナス)の交叉 (☆3.2) 著者:深谷忠記

出雲の日御碕で女が殺された。しかし、そのとき、容疑者には、寝台特急「出雲」に乗っていたという絶対のアリバイが!巧妙に殺されていく4人の男女、犯行の動機まで解明されたが、逮捕には遠かった…。 東京・出雲を結ぶ壮大なアリバイトリックに、恋人探偵の…

『夜行』(☆4.4)  著者:森見登美彦

僕らは誰も彼女のことを忘れられなかった。 私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。 十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。 十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ…

『矢の家』(☆3.2) 著者:A・E・W・メースン

矢の家 資産家のハーロウ夫人がなくなり、遺産は養女のベティが継ぐことになった。そこへ夫人の義弟を名乗る怪人物が登場。恐喝に失敗するや、夫人はベティが毒殺したのだと警察へ告発する。ベティはハーロウ家の顧問弁護士に救いを求め、いっぽうパリからは…

『マツリカ・マハリタ』(☆4.4) 著者:相沢沙呼

柴山祐希、高校二年生。彼には、人に言えない秘密がある。実は、学校の近くにある廃墟ビルに住み、望遠鏡で学校を観察している美少女・マツリカさんに命じられて、学校の怪談を調べていた。 新学期を迎え、なかなかクラスになじめない柴山の下に、『一年生の…

『星の子』(☆4.5)  著者:今村夏子

主人公・林ちひろは中学3年生。 出生直後から病弱だったちひろを救いたい一心で、 両親は「あやしい宗教」にのめり込んでいき、 その信仰は少しずつ家族を崩壊させていく。 前作『あひる』が芥川賞候補となった著者の新たなる代表作。 Amazonより 「あひる」…

『いくさの底』(☆3.0)

戡定後のビルマの村に急拵えの警備隊として配属された賀川少尉一隊。しかし駐屯当日の夜、何者かの手で少尉に迷いのない一刀が振るわれる。敵性住民の存在が疑われるなか、徹底してその死は伏され、幾重にも糊塗されてゆく―。善悪の彼岸を跳び越えた殺人者の…

『Y駅発深夜バス』(☆3.7) 著者;青木知己

運行しているはずのない深夜バスに乗った男は、摩訶不思議な光景に遭遇した―奇妙な謎とその鮮やかな解決を描く表題作、女子中学生の淡い恋と不安の日々が意外な展開を辿る「猫矢来」、“読者への挑戦”を付したストレートな犯人当て「ミッシング・リング」、怪…

『紅城奇譚』(☆3.0) 著者:鳥飼否宇

奇想、天を焦がし、城を堕とす。 ときは戦国。九州に、謎と血にまみれた城があった――。 織田信長が天下統一をもくろみ、各地の戦国大名を次々と征伐していた16世紀中頃。九州は大友、龍造寺、島津の三氏鼎立状態となっていた。そんななか、三氏も手を出せな…

『屍人荘の殺人』(☆4.9) 著者:今村昌宏

神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と会長の明智恭介は、曰くつきの映画研究部の夏合宿に加わるため、同じ大学の探偵少女、剣崎比留子と共にペンション紫湛荘を訪ねた。 合宿一日目の夜、映研のメンバーたちは肝試しに出かけるが、想像しえなかった事態に遭遇し…

『オリエント急行殺人事件』(☆5.0) 著者:アガサ・クリスティ

数日がかりでヨーロッパを走り抜ける豪華寝台列車、オリエント急行。さまざまな国の客が乗り合わせたその日の列車は、雪の中で立ち往生してしまう。しかも車内で殺人事件まで起こった。殺されたのは、金持ちのアメリカ人男性。 たまたまこの列車に乗っていた…

『月の夜は暗く』(☆3.0) 著者:アンドレアス・グローバー

「母さんが誘拐された」 ミュンヘン市警の捜査官ザビーネは、父から知 らせを受ける。母親は見つかった。大聖堂で、パイプオルガンの脚にくくりつけられて。遺体の脇にはインクの缶。口にはホース、その先には漏斗が。処刑か、なにかの見立てか。 ザビーネは…

『ネメシスの契約』(☆2.6)  著者:吉田 恭教

義憤の女神は、パンドラの箱に手を掛けた―― 実父の犯した殺人事件を追う記者。医療ミス疑惑の調査から連続殺人に気付いた厚労省職員。立ちはだかる闇の向こうに二人が見たものは―― 緻密に絡みあうトリックに驚嘆必至! ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優…

『QED ~ortus~白山の頻闇』(☆2.8) 著者;高田崇史

棚橋奈々は妹・沙織の新居を訪れるべく、桑原崇と金沢へ向かっていた。白山神社の総本宮白山ひめ神社を参拝した二人は、殺人事件に巻き込まれる。手取川で見つかった首なし死体、上流で昏倒していた男、現場から走り去った女。すべてがひとつに繋がるとき、…

『ブルーローズは眠らない』(☆3.0)  著者:市川憂人

両親の虐待に耐えかね逃亡した少年エリックは、遺伝子研究を行うテニエル博士の一家に保護される。彼は助手として暮らし始めるが、屋敷内に潜む「実験体七十二号」の不気味な影に怯えていた。 一方、〈ジェリーフィッシュ〉事件後、閑職に回されたマリアと漣…

『変若水』(☆4.0) 著者:吉田恭教

厚生労働省に勤務する向井俊介は、幼馴染の女医が突然死した真相を追及するうち、ある病院を告発する文書の存在を掴み、島根と広島の県境にある雪深い村にたどり着く。そこは変若水村。ある一族の絶大なる支配のもとに、誰も見てはならないとされる雛祭りが…

『愚者の毒』(☆3.6) 著者:宇佐美まこと

一九八五年、上野の職安で出会った葉子と希美。互いに後ろ暗い過去を秘めながら、友情を深めてゆく。しかし、希美の紹介で葉子が家政婦として働き出した旧家の主の不審死をきっかけに、過去の因縁が二人に襲いかかる。全ての始まりは一九六五年、筑豊の廃坑…

『死体鑑定医の告白』(☆3.2)  著者:上野正彦

「事故ではありません。その人は殺されたのです」次から次へと依頼される「再鑑定」。本当の死因は何か。天才監察医が解き明かした難事件の真相とは…。数々のテレビ番組に出演。圧倒的な共感を呼んだ著者が書き下ろした衝撃の最新刊。ついに発売! Amazonより…

『彼女がその名を知らない鳥たち』(☆4.4) 著者:沼田まほかる

八年前に別れた黒崎を忘れられない十和子は、淋しさから十五歳上の男・陣治と暮らし始める。下品で、貧相で、地位もお金もない陣治。彼を激しく嫌悪しながらも離れられない十和子。そんな二人の暮らしを刑事の訪問が脅かす。「黒崎が行方不明だ」と知らされ…

『マツリカ・マジョルカ』(☆3.5) 著者:相沢沙呼

柴山祐希、高校1年。クラスに居場所を見付けられず、冴えない学校生活を送っていた。そんな彼の毎日が、学校近くの廃墟に住む女子高生マツリカとの出会いで一変する。 「柴犬」と呼ばれパシリ扱いされつつも、学園の謎を解明するため、他人と関わることにな…

『7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー』(☆3.2)

テーマは「名探偵」。 新本格ミステリブームを牽引したレジェンド作家による書き下ろしミステリ競演。ファン垂涎のアンソロジーが誕生! 綾辻行人「仮題・ぬえの密室」 歌野晶午「天才少年の見た夢は」 法月綸太郎「あべこべの遺書」 有栖川有栖「船長が死ん…