和製ミステリー

『友罪』(☆4.2) 著者:薬丸岳

あなたは“その過去”を知っても友達でいられますか?埼玉の小さな町工場に就職した益田は、同日に入社した鈴木と出会う。無口で陰のある鈴木だったが、同い年の二人は次第に打ち解けてゆく。しかし、あるとき益田は、鈴木が十四年前、連続児童殺傷で日本中を震…

『広島電鉄殺人事件』(☆1.0) 著者:西村京太郎

運転士は何を見たのか? 広島、長野、東京――事件を繫ぐ長い細い糸に、十津川警部が挑む! 広島電鉄の若い運転士が暴漢に襲われた。ライトレイルの制限速度を大きく超過する不祥事で、停職中の身だった。彼はなぜ突然速度を上げたのか? 暴行事件との関係は? や…

『レッドリスト』(☆3.6) 著者:安生正

記録的な寒波に襲われた東京で、原因不明の感染症が発生。死亡者が出る事態となり、厚生労働省の降旗一郎は、国立感染症研究所の都築裕博士とともに原因究明にあたる。さらに六本木で女性が無数の吸血ヒルに襲われ、死亡するという事件も勃発。未曾有の事態…

『生存者ゼロ』(☆3.4)  著者:安生正

北海道根室半島沖に浮かぶ石油掘削基地で職員全員が無残な死体となって発見された。陸上自衛官三等陸佐の廻田と感染症学者の富樫らは、政府から被害拡大を阻止するよう命じられる。しかし、ある法則を見出したときには、すでに北海道本島で同じ惨劇が起きて…

『魔力の胎動』(☆2.8) 著者:東野圭吾

魔女の胎動 自然現象を見事に言い当てる、彼女の不思議な“力”はいったい何なのか――。彼女によって、悩める人たちが救われて行く……。東野圭吾が価値観を覆した衝撃のミステリ『ラプラスの魔女』の前日譚。 Amazonより 『ラプラスの魔女』の前日譚。全5話収録…

『ラプラスの魔女』(☆3.2) 著者:東野圭吾

ラプラスの悪魔 ある地方の温泉地で硫化水素中毒による死亡事故が発生した。地球化学の研究者・青江が警察の依頼で事故現場に赴くと若い女の姿があった。彼女はひとりの青年の行方を追っているようだった。2か月後、遠く離れた別の温泉地でも同じような中毒…

『レスト・イン・ピース〜6番目の殺人鬼〜』(☆3.2) 著者:雪富千晶紀

大学生の越智友哉は、中学の同窓会に参加することに。しかし集まったメンバー達は、一様に何かに怯えていた。そんな中、1人が突如変死する。実は既に元級友が6人も、謎の死を遂げているという。更に続く旧友の死に、友哉は元彼女のリカらと共に調査を開始。…

『去年の冬、君と別れ』(☆3.0) 著者:中村文則

去年の冬、君と別れ ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は二人の女性を殺した罪で死刑判決を受けていた。だが、動機は不可解。事件の関係者も全員どこか歪んでいる。この異様さは何なのか? それは本当に殺人だったのか? 「僕」が真…

『殺人鬼探偵の捏造美学』(☆3.2) 著者;御影瑛路

氷鉋清廉。警察も頼りにする精神科医にして、美学に満ちた殺人鬼・マスカレード。 新米刑事の百合はマスカレードに殺されたかのような怪死体に遭遇するが、先輩刑事に紹介された捜査協力者は、あろうことか氷鉋だった! 父親、婚約者、恋人の証言が食い違う、…

『ミステリークロック』(☆3.5)  著者:貴志祐介

犯人を白日のもとにさらすために――防犯探偵・榎本と犯人たちとの頭脳戦。 様々な種類の時計が時を刻む晩餐会。主催者の女流作家の怪死は、「完璧な事故」で終わるはずだった。そう、居あわせた榎本径が、異議をとなえなければ……。表題作ほか、斜め上を行くト…

『マツリカ・マトリョシカ』(☆4.4) 著者:相沢沙呼

柴山祐希、高校2年生。彼は学校の近くにある廃墟ビルに住んでいる、 謎の美女・マツリカさんに命じられて、学校の怪談を調査している。 ある日、偶然出会った一年生の女子から『開かずの扉の胡蝶さん』の怪談を耳にする。 密室状態の第一美術室で2年前に起き…

『盤上の向日葵』(☆4.4) 著者:柚月裕子

実業界の寵児で天才棋士――。 男は果たして殺人犯なのか! ? さいたま市天木山山中で発見された白骨死体。唯一残された手がかりは初代菊水月作の名駒のみ。それから4ヶ月、叩き上げ刑事・石破と、かつて将棋を志した若手刑事・佐野は真冬の天童市に降り立つ。…

『犯罪者』(☆4.2) 著者:太田愛

白昼の駅前広場で4人が刺殺される通り魔事件が発生。犯人は逮捕されたが、ただひとり助かった青年・修司は搬送先の病院で奇妙な男から「逃げろ。あと10日生き延びれば助かる」と警告される。その直後、謎の暗殺者に襲撃される修司。なぜ自分は10日以内に殺さ…

寝台特急「出雲」+-(プラスマイナス)の交叉 (☆3.2) 著者:深谷忠記

出雲の日御碕で女が殺された。しかし、そのとき、容疑者には、寝台特急「出雲」に乗っていたという絶対のアリバイが!巧妙に殺されていく4人の男女、犯行の動機まで解明されたが、逮捕には遠かった…。 東京・出雲を結ぶ壮大なアリバイトリックに、恋人探偵の…

『マツリカ・マハリタ』(☆4.4) 著者:相沢沙呼

柴山祐希、高校二年生。彼には、人に言えない秘密がある。実は、学校の近くにある廃墟ビルに住み、望遠鏡で学校を観察している美少女・マツリカさんに命じられて、学校の怪談を調べていた。 新学期を迎え、なかなかクラスになじめない柴山の下に、『一年生の…

『いくさの底』(☆3.0)

戡定後のビルマの村に急拵えの警備隊として配属された賀川少尉一隊。しかし駐屯当日の夜、何者かの手で少尉に迷いのない一刀が振るわれる。敵性住民の存在が疑われるなか、徹底してその死は伏され、幾重にも糊塗されてゆく―。善悪の彼岸を跳び越えた殺人者の…

『Y駅発深夜バス』(☆3.7) 著者;青木知己

運行しているはずのない深夜バスに乗った男は、摩訶不思議な光景に遭遇した―奇妙な謎とその鮮やかな解決を描く表題作、女子中学生の淡い恋と不安の日々が意外な展開を辿る「猫矢来」、“読者への挑戦”を付したストレートな犯人当て「ミッシング・リング」、怪…

『紅城奇譚』(☆3.0) 著者:鳥飼否宇

奇想、天を焦がし、城を堕とす。 ときは戦国。九州に、謎と血にまみれた城があった――。 織田信長が天下統一をもくろみ、各地の戦国大名を次々と征伐していた16世紀中頃。九州は大友、龍造寺、島津の三氏鼎立状態となっていた。そんななか、三氏も手を出せな…

『屍人荘の殺人』(☆4.9) 著者:今村昌宏

神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と会長の明智恭介は、曰くつきの映画研究部の夏合宿に加わるため、同じ大学の探偵少女、剣崎比留子と共にペンション紫湛荘を訪ねた。 合宿一日目の夜、映研のメンバーたちは肝試しに出かけるが、想像しえなかった事態に遭遇し…

『ネメシスの契約』(☆2.6)  著者:吉田 恭教

義憤の女神は、パンドラの箱に手を掛けた―― 実父の犯した殺人事件を追う記者。医療ミス疑惑の調査から連続殺人に気付いた厚労省職員。立ちはだかる闇の向こうに二人が見たものは―― 緻密に絡みあうトリックに驚嘆必至! ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優…

『ブルーローズは眠らない』(☆3.0)  著者:市川憂人

両親の虐待に耐えかね逃亡した少年エリックは、遺伝子研究を行うテニエル博士の一家に保護される。彼は助手として暮らし始めるが、屋敷内に潜む「実験体七十二号」の不気味な影に怯えていた。 一方、〈ジェリーフィッシュ〉事件後、閑職に回されたマリアと漣…

『変若水』(☆4.0) 著者:吉田恭教

厚生労働省に勤務する向井俊介は、幼馴染の女医が突然死した真相を追及するうち、ある病院を告発する文書の存在を掴み、島根と広島の県境にある雪深い村にたどり着く。そこは変若水村。ある一族の絶大なる支配のもとに、誰も見てはならないとされる雛祭りが…

『愚者の毒』(☆3.6) 著者:宇佐美まこと

一九八五年、上野の職安で出会った葉子と希美。互いに後ろ暗い過去を秘めながら、友情を深めてゆく。しかし、希美の紹介で葉子が家政婦として働き出した旧家の主の不審死をきっかけに、過去の因縁が二人に襲いかかる。全ての始まりは一九六五年、筑豊の廃坑…

『彼女がその名を知らない鳥たち』(☆4.4) 著者:沼田まほかる

八年前に別れた黒崎を忘れられない十和子は、淋しさから十五歳上の男・陣治と暮らし始める。下品で、貧相で、地位もお金もない陣治。彼を激しく嫌悪しながらも離れられない十和子。そんな二人の暮らしを刑事の訪問が脅かす。「黒崎が行方不明だ」と知らされ…

『マツリカ・マジョルカ』(☆3.5) 著者:相沢沙呼

柴山祐希、高校1年。クラスに居場所を見付けられず、冴えない学校生活を送っていた。そんな彼の毎日が、学校近くの廃墟に住む女子高生マツリカとの出会いで一変する。 「柴犬」と呼ばれパシリ扱いされつつも、学園の謎を解明するため、他人と関わることにな…

『7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー』(☆3.2)

テーマは「名探偵」。 新本格ミステリブームを牽引したレジェンド作家による書き下ろしミステリ競演。ファン垂涎のアンソロジーが誕生! 綾辻行人「仮題・ぬえの密室」 歌野晶午「天才少年の見た夢は」 法月綸太郎「あべこべの遺書」 有栖川有栖「船長が死ん…

『謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー』(☆3.3)

「館」の謎は終わらない――。館に魅せられた作家たちが書き下ろす、色とりどりのミステリの未来! 奇怪な館、発生する殺人、生まれいづる謎、変幻自在のロジック――! 読めば鳥肌間違いなし。謎は、ここにある。新本格30周年記念アンソロジー第三弾。 Amazonより…

『謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー』(☆4.0)

テーマは「館」、ただひとつ。 今をときめくミステリ作家たちが提示する「新本格の精神」がここにある。 奇怪な館、発生する殺人、生まれいづる謎、変幻自在のロジック――! 読めば鳥肌間違いなし。謎は、ここにある。新本格30周年記念アンソロジー第二弾。 Am…

『探偵が早すぎる (下)』(☆3.7)  著者;井上真偽

「俺はまだ、トリックを仕掛けてすらいないんだぞ!?」 完全犯罪を企み、実行する前に、探偵に見抜かれてしまった犯人の悲鳴が響く。父から莫大な遺産を相続した女子高生の一華。四十九日の法要で、彼女を暗殺するチャンスは、寺での読経時、墓での納骨時、ホ…

『探偵が早すぎる (上)』(☆3.2)  著者;井上真偽

『その可能性はすでに考えた』の著者が仕掛ける究極の逆転劇! 父の死により莫大な遺産を相続した女子高生の一華。その遺産を狙い、一族は彼女を事故に見せかけ殺害しようと試みる。一華が唯一信頼する使用人の橋田は、命を救うためにある人物を雇った。 それ…