2018-01-01から1年間の記事一覧

『悪女』(☆3.5) 著者:マルク・パストル

20世紀初頭のバルセロナ。町では幼い子供が何人も失踪していた。噂ではその血をすすり臓物を喰らう化け物に攫われたのだという。そして今日また一人、新たな子供が姿を消し、頸動脈を噛みちぎられた男の死体まで発見された。その化け物の名はエンリケタ。「…

『ヘンな論文』(☆3.5) 著者:サンキュータツオ

最高にムダな知的興奮! 研究者たちの知られざる奮闘をあぶり出す。 珍論文ハンターのサンキュータツオが、人生の貴重な時間の多くを一見無駄な研究に費やしている研究者たちの大まじめな珍論文を、芸人の嗅覚で突っ込みながら解説する、知的エンターテインメ…

『動く標的』(☆3.5) 著者:ロス・マクドナルド

石油王が失踪した。失踪か? 誘拐か? 夫人の依頼により調査を開始した私立探偵リュー・アーチャー。夫人とは犬猿の仲である義理の娘、彼女が愛する一家専属のバイロット、娘との結婚を望む弁護士といった面々が複雑に絡み合うなか、次々に殺人事件が……。クー…

邦画『ラプラスの魔女』(2018年 日本)

連続して起きた2つの不審死。それぞれの事件現場が遠く離れているにもかかわらず、死因はどちらも同じ自然現象下での<硫化水素中毒死>…そして、驚くべきことに、死亡した二人は知人同士であった。警察はこの不可解な事件の調査を、地球化学の研究者である…

洋画『ダンガル、きっと、つよくなる』(2016年 インド)

実話をもとに2人の娘をレスリングの世界で成功させるべく奮闘する父親を描き、本国インドのほか世界各国で大ヒットを記録した人間ドラマ。 レスリングを愛する男。生活のため選手の道を諦めた彼は、いつか自分の息子を金メダリストにすることを夢見ながら道…

『広島電鉄殺人事件』(☆1.0) 著者:西村京太郎

運転士は何を見たのか? 広島、長野、東京――事件を繫ぐ長い細い糸に、十津川警部が挑む! 広島電鉄の若い運転士が暴漢に襲われた。ライトレイルの制限速度を大きく超過する不祥事で、停職中の身だった。彼はなぜ突然速度を上げたのか? 暴行事件との関係は? や…

『レッドリスト』(☆3.6) 著者:安生正

記録的な寒波に襲われた東京で、原因不明の感染症が発生。死亡者が出る事態となり、厚生労働省の降旗一郎は、国立感染症研究所の都築裕博士とともに原因究明にあたる。さらに六本木で女性が無数の吸血ヒルに襲われ、死亡するという事件も勃発。未曾有の事態…

『卑弥呼の葬祭』(☆2.8) 著者:高田崇史

邪馬台国、天岩戸、宇佐神宮――古代史の謎が一つに繫がった時、連続殺人の真相が明らかになる。宮崎・高千穂の夜神楽の最中、男性の首なし死体が発見された。大分の宇佐神宮では、御霊水の三つの井戸に、女性の首と両手が――。その折も折、萬願寺響子の従弟・…

洋画『ソウル・ステーション パンデミック』(2016年 韓国)

ソウル・ステーション パンデミック 高速鉄道列車内で発生した感染パニックを描いた、韓国産ゾンビアクション映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」の前日譚となるアニメ作品。 一緒に暮らす恋人のキウンとケンカし、夜のソウルの街をひとりさまようヘス…

『生存者ゼロ』(☆3.4)  著者:安生正

北海道根室半島沖に浮かぶ石油掘削基地で職員全員が無残な死体となって発見された。陸上自衛官三等陸佐の廻田と感染症学者の富樫らは、政府から被害拡大を阻止するよう命じられる。しかし、ある法則を見出したときには、すでに北海道本島で同じ惨劇が起きて…

『魔力の胎動』(☆2.8) 著者:東野圭吾

魔女の胎動 自然現象を見事に言い当てる、彼女の不思議な“力”はいったい何なのか――。彼女によって、悩める人たちが救われて行く……。東野圭吾が価値観を覆した衝撃のミステリ『ラプラスの魔女』の前日譚。 Amazonより 『ラプラスの魔女』の前日譚。全5話収録…

『ラプラスの魔女』(☆3.2) 著者:東野圭吾

ラプラスの悪魔 ある地方の温泉地で硫化水素中毒による死亡事故が発生した。地球化学の研究者・青江が警察の依頼で事故現場に赴くと若い女の姿があった。彼女はひとりの青年の行方を追っているようだった。2か月後、遠く離れた別の温泉地でも同じような中毒…

『ギデオン・マック牧師の奇妙な生涯』(☆4.0) 著者:ジェームズ・ロバートソン

スコットランドの出版社に、半年前に失踪したギデオン・マック牧師の手記が持ち込まれた。彼は実直な人間として知られていたが、失踪する直前に神を信じないまま牧師になったことや悪魔と親し気に語らったことを告白し、信徒や国教会から非難されていた。手…

『レスト・イン・ピース〜6番目の殺人鬼〜』(☆3.2) 著者:雪富千晶紀

大学生の越智友哉は、中学の同窓会に参加することに。しかし集まったメンバー達は、一様に何かに怯えていた。そんな中、1人が突如変死する。実は既に元級友が6人も、謎の死を遂げているという。更に続く旧友の死に、友哉は元彼女のリカらと共に調査を開始。…

『去年の冬、君と別れ』(☆3.0) 著者:中村文則

去年の冬、君と別れ ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は二人の女性を殺した罪で死刑判決を受けていた。だが、動機は不可解。事件の関係者も全員どこか歪んでいる。この異様さは何なのか? それは本当に殺人だったのか? 「僕」が真…

『タラント氏の事件簿(完全版)』(☆3.4) 著者:C・デイリー・キング

博物館から消えた古書、ペントハウスの密室殺人、古の詩どおりに現われては消える竪琴……いずれ劣らぬ怪事件に理知の光を当て真相をあばくのは、日本人執事を従えた謎の紳士タラント氏である。巨匠クイーンが「黄金時代におけるもっとも想像力に富んだ短編集…

『殺人鬼探偵の捏造美学』(☆3.2) 著者;御影瑛路

氷鉋清廉。警察も頼りにする精神科医にして、美学に満ちた殺人鬼・マスカレード。 新米刑事の百合はマスカレードに殺されたかのような怪死体に遭遇するが、先輩刑事に紹介された捜査協力者は、あろうことか氷鉋だった! 父親、婚約者、恋人の証言が食い違う、…

『ミステリークロック』(☆3.5)  著者:貴志祐介

犯人を白日のもとにさらすために――防犯探偵・榎本と犯人たちとの頭脳戦。 様々な種類の時計が時を刻む晩餐会。主催者の女流作家の怪死は、「完璧な事故」で終わるはずだった。そう、居あわせた榎本径が、異議をとなえなければ……。表題作ほか、斜め上を行くト…

邦画『サニー/32』(2018年 日本映画)

サニー/32 冬の新潟の或る町。仕事も私生活も振るわない中学校教師・藤井赤理(北原里英)は24歳の誕生日を迎えたその日、何者かに拉致された。やったのは二人組で、柏原(ピエール瀧)と小田(リリー・フランキー)という男。 雪深い山麓の廃屋へと連れ…

『13・67』(☆4.0) 著者:陳浩基

華文(中国語)ミステリーの到達点を示す記念碑的傑作が、ついに日本上陸! 現在(2013年)から1967年へ、1人の名刑事の警察人生を遡りながら、香港社会の変化(アイデンティティ、生活・風景、警察=権力)をたどる逆年代記(リバース・クロノロジー)形式の本格ミス…

洋画『グレイテスト・ショーマン』(2017年 アメリカ)

グレイテスト・ショーマン 主人公のP.T.バーナムは<ショービジネス>の概念を生み出した男。誰もが“オンリーワンになれる場所”をエンターテインメントの世界に作り出し、人々の人生を勇気と希望で照らした実在の人物だ。そんなバーナムを支えたのは、どんな…

『バイバイマン』(2016年 アメリカ)

バイバイマン アメリカのウィスコンシン州。古い屋敷に引っ越して来た3人の大学生が、ふとしたきっかけで、その名前を知った者、口にした者に死をもたらすという“バイバイマン”を呼び起こしてしまう。それ以来、“バイバイマン”に取り憑かれた彼らはお互いに…

邦画『勝手にふるえてろ』(2017年 日本)

私には彼氏が2人いる──突然告白してきた暑苦しい同期のニと中学時代からの片思いの相手イチ。 「人生初告られた!」とテンションがあがるも、イマイチ、ニとの関係に乗り切れないヨシカ。一方で、「一目でいいから、今のイチに会って前のめりに死んでいこう…

洋画『マンハント』(2018年 中国)

マンハント 実直な国際弁護士ドゥ・チウ(チャン・ハンユー)が目を覚ますと、女の死体が横たわっていた。 現場の状況証拠は彼が犯人だと示しており、突如として殺人事件に巻き込まれてしまう。 罠にはめられたことに気づき逃走するドゥ・チウ。孤高の敏腕刑…

邦画『不能犯』(2018 日本)

都会で次々と起きる変死事件。いずれの被害者も、検死をしても、何一つとして証拠が出てこない不可解な状況で、唯一の共通点は事件現場で必ず目撃される黒スーツの男。その名は宇相吹正(松坂桃李)。 彼こそがSNSで噂の〈電話ボックスの男〉だった。とある…

邦画『ひるなかの流星』(2016 日本)

田舎育ちでまだ恋を知らない女子高生・与謝野すずめは、上京初日に迷子になっていたのを助けてくれた担任教師・獅子尾に、今までに経験したことのない想いを募らせていく…「わたし、先生のことが好きです」。すずめの真っ直ぐな気持ちを受け止めながらも、教…

洋画『招かれざる隣人』(2015年 イギリス)

招かれざる隣人 ある一軒家の2階を借りて住む、妻ケイトと多忙な夫ジャスティンだが、結婚から10年以上たってケイトがそう望んだことを受け、彼女は妊娠する。そして彼らが住む一軒家の1階にジョンとテレサという夫婦が引っ越してくるが、妊娠したテレサが事…

『マツリカ・マトリョシカ』(☆4.4) 著者:相沢沙呼

柴山祐希、高校2年生。彼は学校の近くにある廃墟ビルに住んでいる、 謎の美女・マツリカさんに命じられて、学校の怪談を調査している。 ある日、偶然出会った一年生の女子から『開かずの扉の胡蝶さん』の怪談を耳にする。 密室状態の第一美術室で2年前に起き…

『蝶のいた庭』(☆4.0) 著者;ドット・ハチソン

FBI特別捜査官のヴィクターは、若い女性の事情聴取に取りかかった。彼女はある男に拉致軟禁された10名以上の女性とともに警察に保護された。彼女の口から、蝶が飛びかう楽園のような温室〈ガーデン〉と、犯人の〈庭師〉に支配されていく女性たちの様子が語ら…

『盤上の向日葵』(☆4.4) 著者:柚月裕子

実業界の寵児で天才棋士――。 男は果たして殺人犯なのか! ? さいたま市天木山山中で発見された白骨死体。唯一残された手がかりは初代菊水月作の名駒のみ。それから4ヶ月、叩き上げ刑事・石破と、かつて将棋を志した若手刑事・佐野は真冬の天童市に降り立つ。…