『蜂に魅かれた容疑者 警視庁総務部動植物管理係』(☆3.6)  著者:大倉崇裕

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まずはあらすじ。

新興宗教団体『ギヤマンの鐘』にかかわる事件で警視庁が緊張に包まれる中、都内とその近郊の各地でスズメバチが人を襲う事故が、連続して発生する。その中には高速道路を走行する車中で蜂が暴れるという重大な事例もあった。本庁の総務部総務課動植物管理係の須藤友三警部補と部下の薄圭子巡査は、蜂の事故の捜査を始めるが――!?

 大倉さんの動植物管理課シリーズ(?)第2弾。第一弾はブログを再開する前に読んでます・・・といいたいんですが、チラリとシリーズ第1弾の「小鳥を愛した容疑者」の粗筋を読んでいると・・・読んだか、俺???まったく覚えてないぞ、いや、「猿でも分かる・・・」の件は覚えているけど、内容がさっぱり覚え出せない・・・記憶に会ったストーリーは福家警部補シリーズの犬のブリーダーのヤツだったし・・・。ううむ、、、、大丈夫か、俺?

 と感じたのは読了した後。つまり読んでる間は気にならなかった訳で、先にこっちを読んでも問題ないかと思いますが、それでもやっぱりシリーズなので、最初から読んだほうがいいですね、はい。

 今回は蜂。スズメバチ、怖いですね~~。刺されたらイヤですね、やっぱり。自分も何かの蜂に一回刺されてるので、怖いです。それはともかく、密室状態でどこから入ってきたか分からない蜂のエピソードが挿入されながら、並行して「ギヤマンの鐘」が起こしたと思われる重大狙撃事件の追跡が並行して描かれながら、それが徐々に絡み合っていって、、、という展開。

 なんでしょう、いろいろと伏線はあったりひっかけみたいな記述もあったりしますが、事件そのものは割りとわかりやすい展開なのかな、と思います。むしろ、やっぱりこのシリーズの肝は須藤警部補と薄巡査のボケとツッコミのリズムでしょう。動植物に関する知識は半端ないのに日本語がかなり怪しい薄巡査の天然ボケ(時にツッコミ)っぷりと、そこについつい反応してしまう須藤警部補。かなりキャラの違う水と油っぷりですけど、きちんとお互いの優秀な部分はリスペクトしていて、徐々に夫婦漫才っぷり(?)も板についてきてニヤッとします。

 全体としてはさくさく読めるし、面白いです。ただ、基本的な事件の部分がそんなに濃くない分、少し間延びしてる感じもして、読み終わった時に物足りなさも正直残りました。この設定とキャラクター作りは短編の方が活きるのかな~。



採点  ☆3.6