2017-01-01から1年間の記事一覧

『終着駅殺人事件』(☆3.2)  著者:西村京太郎

青森県F高校の男女七人の同窓生は、上野発の寝台特急「ゆうづる7号」で、卒業後七年ぶりに郷里に向かおうとしていた。しかし、上野駅構内で第一の殺人。その後、次々に仲間が殺されていく―。 上野駅で偶然、事件に遭遇した亀井刑事は、十津川警部とともに捜…

『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』(☆4.2) 著者:井上真偽

聖女伝説が伝わる地方で結婚式中に発生した、毒殺事件。 それは、同じ盃を回し飲みした八人のうち三人(+犬)だけが殺害されるという不可解なものだった。参列した中国人美女のフーリンと、才気煥発な少年探偵・八ツ星は事件の捜査に乗り出す。 青髪の探偵・上…

『がん消滅の罠 完全寛解の謎』(☆4.5)  著者:岩木一麻

日本がんセンター呼吸器内科の医師・夏目は、生命保険会社に勤務する森川から、不正受給の可能性があると指摘を受けた。夏目から余命半年の宣告を受けた肺腺がん患者が、リビングニーズ特約で生前給付金3千万円を受け取った後も生存しており、それどころか、…

『毒殺魔』(☆4.9)  著者:若一 光司

『砂の器』『飢餓海峡』に匹敵、そして『虚無への供物』へ通じる平成の社会派ミステリの一大傑作、登場! 仕事中に大骨折した日読テレビのディレクター広川英樹は、リハビリの苦しさと恋人を失った寂しさから一人暮らしの自宅に風俗嬢リョウを呼んだ。単なる…

『沈黙法廷』(☆3.5)  著者:佐々木譲

東京・赤羽。絞殺死体で発見されたひとり暮らしの初老男性。親譲りの不動産を所有する被害者の周辺には、多くの捜査対象が存在する。地道な鑑取り捜査の過程で、家事代行業の女性が浮上した。しかし彼女の自宅に赴いた赤羽署の捜査員の前に、埼玉県警の警察…

『人間じゃない 綾辻行人未収録作品集』(☆3.7)  著者:綾辻行人

衝撃のデビュー作『十角館の殺人』から30年――。メモリアルイヤーにお贈りする綾辻行人の最新刊! 持ち主が悲惨な死を遂げ、今では廃屋同然の別荘<星月荘>。ここを訪れた四人の若者を襲った凄まじい殺人事件の真相は?――表題作「人間じゃない――B〇四号室の患者―…

映画『ラ・ラ・ランド』  監督:デイミアン・チャゼル

『セッション』などのデイミアン・チャゼルが監督と脚本を務めたラブストーリー。女優の卵とジャズピアニストの恋のてん末を、華麗な音楽とダンスで表現する。『ブルーバレンタイン』などのライアン・ゴズリングと『バードマン あるいは(無知がもたらす予期…

(再読)『人形館の殺人』(☆4.3)  著者:綾辻行人

父が飛龍想一に遺した京都の屋敷――顔のないマネキン人形が邸内各所に佇む「人形館」。街では残忍な通り魔殺人が続発し、想一自身にも姿なき脅迫者の影が迫る。彼は旧友・島田潔に助けを求めるが、破局への秒読み(カウントダウン)はすでに始まっていた!? シリ…

『その可能性はすでに考えた』(☆3.7)  著者:井上真偽

かつて、カルト宗教団体が首を斬り落とす集団自殺を行った。その十数年後、唯一の生き残りの少女は事件の謎を解くために、青髪の探偵・上笠丞と相棒のフーリンのもとを訪れる。 彼女の中に眠る、不可思議な記憶。それは、ともに暮らした少年が首を斬り落とさ…

『倒叙の四季 破られたトリック』(☆3.0) 著者:深水黎一郎

懲戒免職処分になった元警視庁の敏腕刑事が作成した“完全犯罪完全指南”という裏ファイルを入手し、完全犯罪を目論む4人の殺人者。 「春は縊殺」「夏は溺殺」「秋は刺殺」「冬は氷密室で中毒殺」。 心証は真っ黒でも物証さえ掴ませなければ逃げ切れる、と考え…

『あなたは誰』(☆3.3)  著者:ヘレン・マクロイ

「ウィロウ・スプリングには行くな」 匿名の電話の警告を無視して、フリーダは婚約者の実家へ向かったが、到着早々、何者かが彼女の部屋を荒らす事件が起きる。不穏な空気の中、隣人の上院議員邸で開かれたパーティーでついに殺人事件が…。 検事局顧問の精神…

『パイルドライバー』(☆2.8)  著者:長崎尚志

神奈川県の閑静な住宅街で起きた一家惨殺事件。奇しくも、15年前に同様の未解決事件があり、その時と同じく遺体にはピエロの化粧が施されていた。これは模倣犯によるものなのか?退職を考えている刑事・中戸川俊介が現場に向かうと、そこに長身痩躯の初老の男…

『悪いうさぎ』(☆4.4) 著者:若竹七海

女探偵・葉村晶(あきら)は、家出中の女子高校生ミチルを連れ戻す仕事を請け負う。妨害にあい、おまけに刺されてひと月の安静をやむなく過ごした矢先、今度はミチルの友人・美和を探すことに。 やがて見えてくる高校生たちの危うい生態──親への猛烈な不信、…

『松谷警部と三鷹の石』(☆3.6)  著者:平石貴樹

ある事件をきっかけにして本庁に引き抜いた白石巡査の直感を、松谷警部は信頼している。当初は白石の推理力を動員するまでもないと思われた三鷹の事件だが、諸事情が判明するにつれて複雑な様相を見せはじめた。ケーキは消え、足跡は一つだけ。厭な予感が松…

映画『ハドソン川の奇跡』  監督:クリント・イーストウッド

あらすじ 俳優としても監督としても著名なクリント・イーストウッド監督と、名優トム・ハンクスがタッグを組んだ人間ドラマ。2009年1月15日、突然の全エンジン停止という危機に見舞われながらも、ハドソン川に不時着して乗客全員が生還した航空機事故のてん…

『このミステリーがひどい』(☆大爆発)  著者:小谷野敦

40年以上に及ぶ推理小説渉猟の結論! その作品は本当にすごいか? 世評の高い「話題作」「人気作」は90%がクズ、ひと握りの名作を求めつづけた濫読人生。 世の『ミステリー帝国主義』に抗して、推理小説嫌いの著者が唱える“ひどミス”論。 Amazonより 喜…

『許されようとは思いません』(☆4.0)  著者:芦沢央

あなたは絶対にこの「結末」を予測できない! 新時代到来を告げる、驚愕の暗黒ミステリ。 かつて祖母が暮らしていた村を訪ねた「私」。祖母は、同居していた曾祖父を惨殺して村から追放されたのだ。彼女は何故、余命わずかだったはずの曾祖父を、あえて手にか…

『ささやく真実』(☆4.2)  著者:ヘレン・マクロイ

奇抜な言動と悪趣味ないたずらで、周囲に騒動をもたらす美女クローディア。彼女が知人の研究室から持ち出した新薬には、強力な自白作用があった。クローディアはその薬を自宅のパーティーで飲みものに混ぜ、宴を悲惨な暴露大会に変容させてしまう。その報い…

『弔い花 長い腕Ⅲ』(☆2.8)  著者:川崎草志

早瀬の旧家、東屋敷の一人娘が殺害された。敬次郎の呪いの罠を疑う当主は汐路に調査を依頼する。そんな中、町の歴史の暗部と呪いの因果を暴露した本が出版され、ネットを中心に早瀬をバッシングする風潮が広がっていく。正義の名の下に暴走する人々の悪意。…

映画『帰ってきたヒトラー』

劇場で気になってはいたけれどいつの間にか終わってたので、レンタルで鑑賞。 あらすじ ヒトラーが現代によみがえり、モノマネ芸人として大スターになるというドイツのベストセラー小説を映画化。服装も顔もヒトラーにそっくりの男がリストラされたテレビマ…

『さよなら妖精』(☆4.4) 著者:米澤穂信

一九九一年四月。雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。彼女と過ごす、謎に満ちた日常。 そして彼女が帰国した後、おれたちの最大の謎解きが始まる。覗き込…

『ジェリーフィッシュは凍らない』(☆4.0) 著者:市川憂人

特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船〈ジェリーフィッシュ〉。その発明者であるファイファー教授を中心とした技術開発メンバー6人は、新型ジェリーフィッシュの長距離航行性能の最終確認試験に臨んでいた。 ところが航行試験中に、閉鎖状況…

映画『湯を沸かすほどの熱い愛』 監督:中野量太

今年のキネマ旬報ベストテン第7位。東京とかでは10月公開だったみたいですが、広島でもやっと公開。今の時代、新人監督がオリジナル脚本で映画を作るなんて難しいと思うのにすごいなぁ。 あらすじ 銭湯・幸の湯を営む幸野家だったが、1年前、父・一浩(オ…

『依頼人は死んだ』(☆4.0)  著者:若竹七海

念願の詩集を出版し順風満帆だった婚約者の突然の自殺に苦しむ相場みのり。健診を受けていないのに送られてきたガンの通知に当惑する佐藤まどか。決して手加減をしない女探偵・葉村晶に持つこまれる様々な事件の真相は、 少し切なく、少しこわい。構成の妙、…

『プレゼント』(☆3.8)  著者:若竹七海

ルーム・クリーナー、電話相談、興信所。トラブルメイカーのフリーター・葉村晶と娘に借りたピンクの子供用自転車で現場に駆けつける小林警部補。二人が巻き込まれたハードボイルドで悲しい八つの事件とは。 間抜けだが悪気のない隣人たちがひき起こす騒動は…

『比ぶ者なき』(☆4.2)  著者:馳星周

時は七世紀末。先の大王から疎まれ、不遇の時を過ごした藤原不比等。彼の胸には、畏しき野望が秘められていた。 それは、「日本書紀」という名の神話を創り上げ、天皇を神にすること。そして自らも神となることで、藤原家に永遠の繁栄をもたらすことであった…

『BACK 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』(☆2.7) 著者:内藤了

12月25日未明、都心の病院で大量殺人が発生との報が入った。死傷者多数で院内は停電。現場に急行した比奈子らは生々しい殺戮現場に息を呑む。そこは特殊な受刑者を入院させるための特別病棟があり、狙われたのはまさにその階のようだった。相応のセキュリテ…

『呪い唄 ~長い腕Ⅱ~』(☆3.4)  著者:川崎草志

汐路のいとこ兄妹が命を落としてから数ヶ月、町を呪った近江敬次郎の復讐はまだ終わっていない―。そう考え、町にとどまった汐路は、一人の老人に引き合わされる。戦時中、近くに駐屯していたという元軍人で、終戦直後に姿を消した部下の行方を捜している、と…