『BACK 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』(☆2.7) 著者:内藤了

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 12月25日未明、都心の病院で大量殺人が発生との報が入った。死傷者多数で院内は停電。現場に急行した比奈子らは生々しい殺戮現場に息を呑む。そこは特殊な受刑者を入院させるための特別病棟があり、狙われたのはまさにその階のようだった。相応のセキュリティがあるはずの場所でなぜ事件が? そして関連が疑われるネット情報に、「スイッチを押す者」の記述が見つかり……。
大人気シリーズは新たな局面へ、戦慄の第7弾! 。


Amazonより

 藤堂日奈子シリーズ第7弾。ドラマ化された内容は6作目までだったので、このまま続いてったら、これも映像化されるのか?
 それはともかく、このシリーズはネタバレ前提、それまでの事件のことについて結構振り返ったりするので、ちゃんと1作目から読まないとあれですが、この作品でも巻頭の登場人物紹介で、堂々と過去作の犯人の名前が載ってます。レクター博士的な役割の犯人もいたりして、そういう犯人が登場人物紹介にいるのはまぁいいんですが、2作目の犯人なんてチラッとしか語られないし、別に載せなくても・・とはちょこっと思いました。

 今回はプロローグでいきなり海外の養豚場の話が出てきたりしてワールド・ワイドなストーリーになる予感。本編に入ると、いつものメンバーが登場して海外の事はなかったような展開が続く。メインの事件となるのは、治療の必要な犯罪受刑者を極秘に入院させている病院で起きた患者大量殺人事件。表紙裏の粗筋では「生々しい殺戮現場に息を呑む」とありますが、意外とサラッとした描写で語られるので、インパクトはあっても生々しさは感じなかったですね。むしろその後に続く事件の被害者のほうが、両手首を生きたまま切断されたり、眼を抉られたりと、生々しすぎでした^^;;

 病院大量殺人と猟奇殺人事件は早い段階でリンク、警察もきちんと捜査を勧めてる。お約束として過去の犯人がプロファイリングするのですが、にしてもこの展開だと聞かんでもとりあえずの解決ができるんじゃないかとおもってしまうのが。。。
 さらには前回からレギュラーに加わった(?)殺人犯と比奈子の絡みも違和感が。なにしろ、人骨を素材にしたペンダントをプレゼントされて、よく頑張ったねと涙されてもねぇ。結局受け取らなかったけど、そこの感情に持っていく部分が薄いし、サクサク進むので、どうにも共感がしにくい感じが残る。まぁ、このシリーズ全体がそれぞれのエピソードの絡ませ方が上手くないという弱点を持ってるかなとは思います。ドラマ版は主人公の設定を変えることによって、その部分を上手く補ってたですけどね。

 という感じで分量もそんなに多くなく、事件も進んでいって・・あれ、プロローグの養豚場で豚が死体食ってたのはどうなった???

って、次回に続くんかい!!!
 



採点  ☆2.7