2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『闇のなかの赤い馬』(☆2.2) 著者:竹本健治

聖ミレイユ学園で神の怒りとしか思えない悲劇があいついだ。ウォーレン神父は校庭の真ん中で落雷に遭って焼け死に、さらにベルイマン神父が密室と化したサンルームで、人体自然発火としか考えられない無残な焼死体となって発見されたのだ。「汎虚学研究会」…

謎の言葉

それは、数年前の5月ぐらいの事、埼玉県のとあるJRの駅で、僕はマンションのティッシュを配ってました。午後からは、小雨がぱらぱらと降ったりやんだりの天気の中、淡々と配っていると、改札からジャージ姿の女の子の集団が。 引率の先生らしき若い女性(…

『神様ゲーム』(☆4.0) 著者:麻耶雄嵩

小学四年生の芳雄の住む神降市で、連続して残酷で意味ありげな猫殺害事件が発生。芳雄は同級生と結成した探偵団で犯人捜しをはじめることにした。そんな時、転校してきたばかりのクラスメイト鈴木君に、「ぼくは神様なんだ。猫殺しの犯人も知っているよ。」…

『子どもの王様』(☆1.0) 著者:殊能将之

ショウタの親友トモヤは学校にはほとんど行かず本ばかり読んでいる。そのせいか途方もないつくり話をよくする。この団地の外側には何もない、現に団地の案内図には外側なんて描いてないじゃないかという。今日も学校はあったよとショウタがいうと、昨晩大急…

『最後の願い』(☆4.2) 著者:光原百合

新しく劇団を作ろうとしている男がいた。度会恭平。劇団の名は、劇団φ。納得するメンバーを集めるため、日々人材を探し回る。その過程で出遭う謎―。日常に潜む謎の奥にある人間ドラマを、優しい眼で描く青春ミステリー。 Amazon紹介より ブログでも何度か触…

『天に還る舟』(☆2.0) 共著:島田荘司・小島正樹

昭和58年12月。『火刑都市』事件の捜査を終えた中村は休暇を取り、妻の実家・埼玉県秩父市に帰省していた。そこで中村は一つの事件に遭遇する。地元警察は自殺と判断した死体。これに不審を抱いた中村は捜査を開始する。その直後に発生する第二の殺人!!そし…

邦画『転校生』 監督:大林宣彦

山中恒のジュブナイル『おれがあいつであいつがおれで』の映像化作品。一字違いの幼なじみ・斉藤一夫と一美は、石段から転げ落ちたことで、人格が入れ替わってしまう。二人はそのことを秘密にしつつ、なんとか元に戻ろうと努力するが……。大林宣彦の故郷でも…

『魔女の死んだ家』(☆2.6) 著者:篠田真由美

昔、あたしは高い石の塀で囲まれた大きなおうちに、おかあさまとばあやとねえやと四人が暮らしていた。うちにはお客さまのない日の方がめずらしいくらい。お客さまたちのことを、おかあさまの「すうはい者」と呼ぶのだとばあやは教えてくれた。ある春のこと…

『いつか、ふたりは二匹』(☆3.2) 著者:西澤保彦

菅野智己は母が再婚した四年生の頃、突続、眠りに就くことで猫の身体に乗り移れるという不思議な能力を持った。身体を借りている猫にジェニイという名前をつけ、巨大なセントバーナード犬のピーターと友達になった智己が六年生のとき、クラスメイトを含め三…

『くらのかみ』(☆3.0) 著者:小野不由美

「四人ゲーム」。まっくらな部屋の四隅に四人の人間が立ち、肩を順番に叩きながら部屋をぐるぐる回るゲームだ。とうぜん四人では成立しないはずのゲームを始めたところ、忽然と五人目が出現した!でもみんな最初からいたとしか思えない顔ぶればかり。―行者に…

『ぼくと未来屋の夏』(☆3.0) 著者:はやみねかおる

「未来を知りたくないかい?」六年生の夏休み前日、作家を夢みる風太は未来を百円で売る"未来屋"猫柳さんに呼びとめられた。風太の住む髪櫛町では、昔からかくれんぼをすると最後まで見つからない子がいるといわれる神隠しの森や首なし幽霊の話、人喰い小学…

『透明人間の納屋』(☆2.6) 著者:島田荘司

透明人間はこの世に存在する。人間を透明にする薬もある。見えないから誰も気がつかないだけなんだ、この町にだっているよ。…学校、友人、母親、すべてに違和感をもって生きる孤独な少年、ヨウイチがただひとり心を開き信じ尊敬する真鍋さんの言葉だ。でもど…

『エデンの命題』(☆2.4) 著者:島田荘司

アスペルガー症候群の子供たちを集めた「地上の楽園」、アスピー・エデン学園から、一人の少女が消えた。残されたぼく、ザッカリ・カハネの元に届いた恐るべき文書「エデンの命題」。そこに記されていたのは、選民思想に取り憑かれた一族の忌まわしき野望と…

『ほうかご探偵隊』(☆4.2) 著者:倉知淳

僕のクラスで連続消失事件が発生。僕は四番目の被害者に!といっても、なくなったのはもう授業でも使わないたて笛の一部。なぜこんなものが!?棟方くんの絵、ニワトリ、巨大な招き猫型募金箱、そしてたて笛が一日おきに姿を消すという奇妙な事件が五年三組にだ…

『黄金蝶ひとり』(☆4.5) 著者:太田忠司

五年生の夏休み、洸は物心がついてから一度も会っていない祖父・白木義明の住む茶木村で過ごすことになった。アサギマダラという蝶が群れとび、鍾乳洞があり、豊かな自然が残る村には、山を守る"テツ"がいるという。「茶木牧場&白木万能学研究所」なる看板を…

『虹果て村の秘密』(☆3.8) 著者:有栖川有栖

推理作家にどうしてもなりたい12歳の少年・秀介は、憧れの作家二宮ミサトを母にもつ同級生の優希(刑事になりたくてしょうがない)と、虹果て村にあるミサトの別荘で夏休みを過ごすことになった。虹にまつわる七つの言い伝えがあるのどかな村では、最近、高速…

『ピーチガール』 著者:上田美和

黒い肌に赤い髪。超コギャル風のももの片想いがさえにバレた!!もものお気に入りは、なんでもほしい宿敵さえから、大事な恋は守りぬけるか!?……だがそれは、最大の悲劇のほんの幕あけだった。これは1人の少女が苦難の果てに真実の愛をつかむまでを描いた、…

『びっくり館の殺人』(☆3.6) 著者:綾辻行人

とある古書店で、たまたま手に取った一冊の推理小説。読みすすめるうち、謎の建築家・中村青司の名前が目に飛び込む。その瞬間、三知也の心に呼び起こされる遠い日の思い出…。三知也が小学校六年生のとき、近所に「びっくり館」と呼ばれる屋敷があった。いろ…

『虚無への供物』(☆5.0) 著者:中井英夫(塔晶夫)

1841年、エドガー・アラン・ポオの「モルグ街の殺人」により幕を上げた近代ミステリーの歴史は、1964年、わが国の一冊の書物によって本質的にその終焉を告げた。スタイルを探偵小説に借りて時代に捧げられた一冊の供物。絶対主義から全体主義、二つの世界大…

『僕の好きな吉敷竹史』 BEST 5

今回の「My Best」は御手洗潔ベスト5に続き、吉敷竹史BEST5です。僕個人としては、御手洗シリーズよりこちらのシリーズの作品の方が好きなものが多いな~という事に最近気付きました。中には、「ら抜き言葉殺人事件」のような、小説でやる必要あ…

『傘を折る女』(☆3.0) 著者:島田荘司

「小説現代」メフィストに最新号に掲載された読み切りです。長さは2段組約90ページなので、中篇程度になりますかね~。図書館で本を探してる時に偶然見つけたので、その場で呼んでみました。時代設定は、御手洗が海外に旅立つ前、ということで久しぶりに…

『僕の好きな御手洗潔』BEST 5

最近いろんな方がブログで島田作品の感想を書かれているのを見て、ふと自分がどれくらい読んでるのかな~と思って、索引を検索してみました。そうしたら全部ちゃんと読んでました。初めて読んだのが『暗闇坂の人喰いの木』、そこから『占星術殺人事件』を皮…

『カーの復讐』(☆2.4) 著者:二階堂黎人

古代エジプトの秘宝「ホルスの眼」という名のメダリオン。この素晴らしさに心魅かれる男がいた。その名は怪盗アルセーヌ・ルパン。彼はそのお宝を頂戴するために、発掘者ボーバン博士に近づくが、博士の居城「エイグル城」で、ルパンを待ち受けていたのは奇…

『ドミノ』(☆2.8) 著者:恩田陸

一億円の契約書を待つ、締切直前のオフィス。オーディション中、下剤を盛られた子役の少女。推理力を競い合う大学生。別れを画策する青年実業家。待ち合わせ場所に行き着けない老人。老人の句会仲間の警察OBたち。真夏の東京駅、二七人と一匹の登場人物はそ…

『魔王城殺人事件』(☆3.2) 著者:歌野晶午

星野台小学校5年1組の翔太たちは、探偵クラブ「51分署捜査1課」を結成した。いくつかの事件を解決し、ついに、町のはずれにある悪魔の巣窟のような屋敷、デオドロス城(僕たちが勝手に名付けた)にまつわる数々の怪しいウワサの真相を確かめるべく探険すること…

『怪盗グリフィン、絶体絶命』(☆4.0) 著者:法月綸太郎

ニューヨークの怪盗グリフィンに、メトロポリタン美術館(通称メット)が所蔵するゴッホの自画像を盗んでほしいという依頼が舞いこんだ。いわれのない盗みはしないというグリフィンに、依頼者はメットにあるのは贋作だと告げる。「あるべきものを、あるべき場…

『和時計の館の殺人』(☆2.5) 著者:芦辺拓

巨大な塔時計の一風変わった文字盤が見守る中、怪事件が連続する!和時計の刻む独特の時間は、事件と関わりなく流れているようでもあり、犯罪に荷担しているようでもあり…。邸内を和時計に埋め尽くされた田舎町の旧家・天知家で、遺言書の公開と相前後して起…

『絶対正義』(☆3.9) 著者:秋吉理香子

由美子たち四人には、強烈な同級生がいた。正義だけで動く女・範子だ。彼女の正義感は異常で、法から逸れることを絶対に許さない。由美子たちも、やっと掴んだ夢や恋人との関係、家族までも壊されそうになり…。このままでは人生を滅茶苦茶にされてしまう!追…

『世界の終わり、あるいは始まり』(☆4.5) 著者:歌野晶午

東京近郊で発生した小学生誘拐事件。父親の勤務先に身代金要求を告げるメールが届けられた。不可解なことに、要求金額はわずか200万円でしかなかった。そんな中、事件が起こった町内に住む富樫修は、ある疑惑に取り憑かれる。小学校6年生の息子・雄介が事件…

『ジェシカが駆け抜けた七年間について』(☆3.0) 著者:歌野晶午

カントクに選手生命を台無しにされたと、失意のうちに自殺したアユミ。ジェシカは自分のことのように胸を痛め、カントクを憎んだ。―それから七年、ジェシカは導かれるように、そこへやって来た。目の前には背中を向けてカントクが立っている。ジェシカは側に…