Amazon紹介より
これまたやられましたね~。
正直、ミステリというほど深い謎があるわけでもなく、どちらかというと「ひと夏の冒険」という方が正しいかな。後半はちょっとSF的要素が出てくるし。
でも、これはこれでいいじゃん!!
洸をはじめ、その両親や祖父の義明、山守の『テツ』、3色の帽子を被った謎の3人組・・・
この登場人物たちがものすごく魅力的。
山奥の、これまた山奥に隠された大きな謎を突き止める為、またこの村を守るために一生懸命な行動になんだか心が暖かくなります。
また本の装丁、というか作りがまたいいんですよね~。
冒頭で、これが別の人間により書かれた本(そういう設定なんです)であり、この小説の真の作者は誰だ?っていう謎掛けがされます・・。
これに関しては正直もう少し分かりやすいヒントが欲しいよ~と思わなくもないですが(一応ミステリでも見かける隠し方のヒントがあるんですけど、こりゃ気付かないでしょ~)、それすらも物語の雰囲気作りに貢献しているというか。
特に後半のオレンジ色のページにおける後日談で、実はこの物語が○○ストーリー(どんなストーリーかは読んで確かめて下さい)だったのがわかり、ちょっと幸せな気分になれます。
さらには、ちょっとした謎を残したままで終わり(この謎が、またミステリファンはにやりとさせられます。だからこそこのタイトルなんでしょうね)、知りたければもっとミステリを読んでみなさいって、お言葉がいただけます。
ラストの一行まで楽しめる、かなり出来のいい(著者の中でも一番かも)小説だと思います。
こんな本を読んだら、もっともっと本を読みたくなるんじゃないかな~。
(2006.5.10 ブログ再録)