たいりょうのちょっと一息

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『くらのかみ』(☆3.0) 著者:小野不由美

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「四人ゲーム」。まっくらな部屋の四隅に四人の人間が立ち、肩を順番に叩きながら部屋をぐるぐる回るゲームだ。とうぜん四人では成立しないはずのゲームを始めたところ、忽然と五人目が出現した!でもみんな最初からいたとしか思えない顔ぶればかり。―行者に祟られ座敷童子に守られているという古い豪壮な屋敷に、後継者選びのため親族一同が呼び集められたのだが、後継ぎの資格をもつ者の食事にのみ毒が入れられる事件や、さまざまな怪異が続出。謎を解くべく急遽、少年探偵団が結成された。もちろんメンバーの中には座敷童子も紛れこんでいるのだ。 


Amazon紹介より

うーん、これは完全に普通のミステリーですよね~。
推理する役目なのは、子供達で、しかもその子供達はいつのまにか一人増えてる。
いわゆる、「座敷童子」伝承を下敷きにしてる、って意味では一応意識してるのかなあ。
でも、それじゃあ単純に子供達が出てくればジュブナイルっていう話になっちゃうし。

『透明人間の納屋』の記事のコメントで、iizukaさんが触れてるように、ミステリーランド“子供の為の”という体裁をとった大人の小説になっている、というのがこの作品にはぴったりかもしれないです。

じゃあ、大人の推理小説として読んだらどうなのか。
それなりに面白いです。子供の視線、大人の視線という部分をきちんと書き分けてると思うし、本文の中に家系図や見取り図はもちろんのこと、アリバイ表まで何回も登場するのにはびっくりしました。
これらがないと、読んでてこんがらがっちゃうので正直ありがたかった。
この辺に、小野さんの気合(ジュブナイルとは別の問題ですが)が感じられるし、そこから導き出される答えもかなり理詰めになってると思います。
でも、そんなのが必要な小説を子供が読みきるのか?っていう疑問が再燃・・・。

終わり方なんかは、なんとなく『十二国記』シリーズや『屍鬼』を書いた小野さんらしいし、『黒祠の島』の流れを汲む作品かな、とも思いました。
ただ、やっぱり第1回配本としては、この配本シリーズの方向性を見せて欲しいという意味では、曖昧な作品になっちゃってると思います。

あとどうでもいいですが、やっぱり夫婦共作を一度だけでいいから読んでみたいです・・・。

(2006.5.13 ブログ再録)