『ドミノ』(☆2.8) 著者:恩田陸

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一億円の契約書を待つ、締切直前のオフィス。オーディション中、下剤を盛られた子役の少女。推理力を競い合う大学生。別れを画策する青年実業家。待ち合わせ場所に行き着けない老人。老人の句会仲間の警察OBたち。真夏の東京駅、二七人と一匹の登場人物はそれぞれに、何かが起こる瞬間を待っていた。迫りくるタイムリミット。もつれ合う人々、見知らぬ者同士がすれ違うその一瞬、運命のドミノが次々と倒れてゆく!抱腹絶倒、スピード感溢れるパニックコメディの大傑作。 


Amazon紹介より

 

東京駅を舞台に、1つの紙袋をめぐる27人と1匹が繰り広げるドタバタ劇。
ちょっと三谷幸喜をほうふつさせるような設定の話なんですが、きちんとそれぞれのキャラを描き分けてるし、よくもまあこれだけの人物をひとつの接点だけで結びつけたな~と思います。
正直、いてもいなくてもいいかな~って人もいるし俳句の会の4人の警察OBの人たちなんかは人数少なくてもいいのかなって気もちょっとする。

 どんどんどんどん話が広がっていくのは小説というより映画みたいな感じかな、なんて思いますけど逆にそこが弱点なのかな~って思いますね。
 正直ストーリーの鍵となる爆弾入り紙袋の行方が、読んでて途中で誰が本物を持ってるのかがごちゃごちゃになって分かりにくい部分があったかな~って思います。

 これが映画とかだったら巧く紙袋の中身を見せたりして認識させる事ができるかなって思うんですけど、逆にあまりにテクニックが複雑すぎてちょっと逆効果になったかな。

でも、小説というジャンルでここまでスプラッタ・コメディ調の作品というのは珍しいと思うし、これからどんどんこういう小説は読んでみたいと思うので、その第1歩になって欲しいと思います。


(2006.4.25
 ブログ再録)