日本のミステリ

『地球儀のスライス』(☆3.6) 著者:森博嗣

「黒窓の会」―それは、那古野市きっての資産家の令嬢、西之園萌絵を囲んで開催される秘密の勉強会である。ゲストとして招待されたN大学工学部助教授、犀川創平は一枚の写真にまつわるミステリィを披露する。それは、インドの石塔の遺跡に関する奇妙な謎であ…

『恋恋蓮歩の演習』(☆3.9) 著者:森博嗣

世界一周中の豪華客船ヒミコ号に持ち込まれた天才画家・関根朔太の自画像を巡る陰謀。仕事のためその客船に乗り込んだ保呂草と紫子、無賃乗船した紅子と練無は、完全密室たる航海中の船内で男性客の奇妙な消失事件に遭遇する。交錯する謎、ロマンティックな…

『赤い指』(☆4.0) 著者:東野圭吾

直木賞受賞後第一作。構想6年の後に書きあげられた書き下ろし長編小説、ついに登場! 身内の起こした殺人事件に直面した家族の、醜く、愚かな嘘に練馬署の名刑事、加賀恭一郎が立ち向かう。ひとつの事件を中心に描き出されるさまざまな親子像。東野圭吾にしか…

『魔剣天翔』(☆3.7) 著者:森博嗣

アクロバット飛行中の二人乗り航空機。高空に浮ぶその完全密室で起こった殺人。エンジェル・マヌーヴァと呼ばれる宝剣をめぐって、会場を訪れた保呂草と無料招待券につられた阿漕荘の面々は不可思議な事件に巻き込まれてしまう。悲劇の宝剣と最高難度の密室…

『夢・出逢い・魔性 You may die in my show』(☆3.4) 著者:森博嗣

20年前に死んだ恋人の夢に怯えていたN放送プロデューサが殺害された。犯行時響いた炸裂音は一つ、だが遺体には二つの弾痕。番組出演のためテレビ局にいた小鳥遊練無は、事件の核心に位置するアイドルの少女と行方不明に…。繊細な心の揺らぎと、瀬在丸紅子の…

『光の帝国~常野物語~』(☆3.8) 著者:恩田陸

膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから―「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。穏やかで知的で、権力への思向を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々。彼らは…

『月は幽咽のデバイス』(☆2.8) 著者:森博嗣

薔薇屋敷あるいは月夜邸と呼ばれるその屋敷には、オオカミ男が出るという奇妙な噂があった。瀬在丸紅子たちが出席したパーティの最中、衣服も引き裂かれた凄惨な死体が、オーディオ・ルームで発見された。現場は内側から施錠された密室で、床一面に血が飛散…

『人形式モナリザ』(☆2.8) 著者:森博嗣

避暑地に建つ私設博物館「人形の館」。そこに常設されているステージで、衆人環視の中「乙女文楽」の演者が謎の死を遂げた!被害者の一族では、二年前にも、新婚の青年が殺されていた。悪魔崇拝者だった彼は、「神の白い手」に殺されたのだと、若き未亡人は語…

『黒猫の三角』(☆4.0) 著者:森博嗣

一年に一度決まったルールの元で起こる殺人。今年のターゲットなのか、六月六日、四十四歳になる小田原静子に脅迫めいた手紙が届いた。探偵・保呂草は依頼を受け「阿漕荘」に住む面々と桜鳴六画邸を監視するが、衆人環視の密室で静子は殺されてしまう。森博…

『六番目の小夜子』(☆4.4) 著者:恩田陸

津村沙世子―とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。高校には十数年間にわたり、奇妙なゲームが受け継がれていた。 三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるのだ。 そして今年は、「六番目のサヨコ」が誕生する年だっ…

『イン・ザ・プール』(☆4.0) 著者:奥田英朗

「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。プール依存症、陰茎強直症、妄想癖・・・。 訪れる人々も変だが、治療す…

『暗黒童話』(☆3.8) 著者:乙一

突然の事故で記憶と左眼を失ってしまった女子高生の「私」。臓器移植手術で死者の眼球の提供を受けたのだが、やがてその左眼は様々な映像を脳裏に再生し始める。それは、眼が見てきた風景の「記憶」だった…。私は、その眼球の記憶に導かれて、提供者が生前に…

『有限と微小のパン ~The perfect outsider~ 』(☆3.8) 著者:森博嗣

日本最大のソフトメーカ「ナノクラフト」の経営するテーマパークを訪れたN大生西之園萌絵と友人たち。そこでは「シードラゴンの事件」と呼ばれる死体消失があったという。彼女らを待ち構えていたかのように事件は続発。すべてがあの天才の演出によるものなの…

『空中ブランコ』(☆4.2) 著者:奥田英朗

奥田さんを読むのは『邪魔』に続いて2冊目、精神科医伊良部シリーズ(?)を読むのはこれが初めてとなります。 映画版で松尾スズキさんが演じていたので、そのイメージを想像していたら全然違いました(笑)。 あらすじですが、いつものyahoo記事よりもいつ…

『三人目の幽霊』(☆3.9) 著者:大倉崇裕

憧れの大手出版社に入った間宮緑(まみやみどり)が研修を終えて受け取った辞令は、"「季刊落語」編集部勤務を命ず。" 座布団に坐って面白い噺をしては客を笑わせる、あの落語…?その場で辞表を書こうかと世を儚みかけたが、せっかく入ったのにもったいない、ど…

『銀の檻を溶かして ~薬屋探偵妖綺談~』(☆2.0) 著者:高里椎奈

賑やかな街の一角に、その店は存在する。燻べたような色の木の板、木の壁、木の天井。まるでそこだけ時に取り残されたかのような―その店。蒼然たる看板に大書された屋号は、『深山木薬店』。優しげな青年と、澄んだ美貌の少年と、元気な男の子の三人が営む薬…

『コールドゲーム』(☆3.7) 著者:荻原浩

高3の夏、復讐は突然はじまった。中2時代のクラスメートが、一人また一人と襲われていく…。犯行予告からトロ吉が浮び上がる。4年前クラス中のイジメの標的だったトロ吉こと廣吉。だが、転校したトロ吉の行方は誰も知らなかった。光也たち有志は、「北中防…

『紙魚家崩壊~九つの謎~』(☆2.6) 著者:北村薫

狂気にとらわれていくOLを描いた「溶けていく」、日常の謎を描く「おにぎり、ぎりぎり」、『メフィスト』連載の「新釈おとぎばなし」など、優美なたくらみにみちた「9つの謎」を収録したミステリ短編集。 ビーケーワンより 久しぶりに未読の北村作品を読…

『島崎警部のアリバイ事件簿 ~天城一傑作集〈2〉~』(☆3.0) 著者:天城一

不可能興味満載で本格推理ファンに挑む!2005年度『このミス』3位に輝いた"幻の探偵作家"待望の第2弾。 Yahoo紹介 幻の探偵作家、天城一の作品集第2弾。 第1弾の『天城一の密室犯罪学教程』がかなり難解な代物だったので、この第2弾を読むかどうか非常に悩…

『BG、あるいは死せるカイニス』(☆3.6) 著者:石持浅海

天文部の合宿の夜、学校で殺害されたわたしの姉。男性化候補の筆頭で、誰からも慕われていた優等生の姉が、どうして?しかも姉は誰かからレイプされかけたような状態で発見されたが、男が女をレイプするなんて、この世界では滅多にないことなのだ。捜査の過程…

『スクランブル』(☆4.0)  著者:若竹七海

80年代。16歳の冬。女子高のシャワールームで死体が発見された。事件は未解決のまま15年が経ち、文芸部員だった6人の仲間が結婚式で再会。今日、真実は明かされるのか。80年代を背景に、名門女子校で起きた殺人事件をめぐって、鮮やかに描き出された青春群像…

『黄昏の百合の骨』(☆4.0) 著者:恩田陸

「自分が死んでも、水野理瀬が半年以上ここに住まない限り家は処分してはならない」亡き祖母の奇妙な遺言に従い、「魔女の館」と噂される洋館に、理瀬は、やってきた…。華麗なる恩田ミステリー。 Yahoo紹介 『三月は深き紅の淵を』『麦の海に沈む果実』『黒…

『黒と茶の幻想』(☆3.8)著者:恩田陸

太古の森をいだく島へ―学生時代の同窓生だった男女四人は、俗世と隔絶された目的地を目指す。過去を取り戻す旅は、ある夜を境に消息を絶った共通の知人、梶原憂理を浮かび上がらせる。あまりにも美しかった女の影は、十数年を経た今でも各人の胸に深く刻み込…

『図書室の海』(☆2.6) 著者:恩田陸

あたしは主人公にはなれない―。関根夏はそう思っていた。だが半年前の卒業式、夏はテニス部の先輩・志田から、秘密の使命を授かった。高校で代々語り継がれる"サヨコ"伝説に関わる使命を…。少女の一瞬のときめきを描く『六番目の小夜子』の番外篇(表題作)、…

『麦の海に沈む果実』(☆4.0) 著者:恩田陸

「ここに三月以外に入ってくる者があれば、そいつがこの学校を破滅に導くだろう」― 湿原の真中に建つ全寮制の学園に、二月の終わりの日に転 入してきた水野理瀬。彼女を迎えたのは、様々なしきたりや、奇妙な風習が存在する不思議な学校だった。 彼女と学校…

『Op.ローズダスト』(☆3.4) 著者:福井晴敏

2006年秋、ネット財閥「アクトグループ」の役員を狙った連続テロが発生。公安警察は北朝鮮工作員の犯行と断定し、「ローズダスト」と名乗る5人のテロリストを追い始める。 だが、そこには複雑な真相があった。ローズダストは、元は防衛庁情報局・通称「…

『銃とチョコレート』(☆4.3) 著者:乙一

少年リンツの住む国で富豪の家から金貨や宝石が盗まれる事件が多発。現場に残されているカードに書かれていた"GODIVA"の文字は泥棒の名前として国民に定着した。その怪盗ゴディバに挑戦する探偵ロイズは子どもたちのヒーローだ。ある日リンツは、父の形見の…

『失踪HOLIDAY』(☆2.8) 著者:乙一

14歳の冬休み、わたしはいなくなった―。大金持ちのひとり娘ナオはママハハとの大喧嘩のすえ、衝動的に家出!その失踪先は…となりの建物!!こっそりと家族の大騒ぎを監視していたナオだったが、事態は思わぬ方向に転がって…!?心からやすらげる場所を求める果敢…

『ロンドン園遊会(ガーデンパーティー)殺人事件(上下巻)』 (☆3.3)著者:井上ほのか

―この神殿で怪物の宝に手をつけた盗人は、ラコシに追われて必ず生命を落とす―ウィンタース家に長年伝わるラコシの呪いが、パーティーの日、よみがえった。次々に起こる爆発、殺人。われらがミス・マンディまでが危うい目に―。さあ、僕の出番だ。悪人ども、こ…

『バイバイスクール 学校の七不思議事件』(☆2.8) 著者:はやみねかおる

一学期の終業式―今日かぎりで廃校になる大奥村小学校最後の日、校長先生はワコたち全校児童六人に、<学校の七不思議>の話をした。 そして夏休み―七不思議が、子どもたちの目の前で、つぎつぎに起こりはじめた!! なぞにみちた怪事件をとおして、廃校にな…