たいりょうのちょっと一息

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『学ばない探偵たちの学園』(☆3.6) 著者:東川篤哉

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呑気な雰囲気の私立鯉ヶ窪学園。転校生の赤坂通は非公認サークル・探偵部に入部させられた。彼らの目前で起きた密室殺人。被害者は、芸能クラスのアイドル目当てで侵入した盗撮カメラマン。事件後には、妙な名前の刑事コンビが現れ、美術教師が勝手な推理を披露し、音楽教師が謎の言葉を残すやら…。我らが探偵部と顧問教師は犯人にたどり着くのか。

yahoo紹介より

 

続編『殺意は必ず三度ある』の方を先に読んでしまった東川さん。
本当はデビュー作から追っかけていこうかと思ったのですが、近くの図書館になかったのでとりあえずこれと『館島』を借りてきました。

 

それしても続編と共通している登場人物が、探偵部の面子と生徒会長しかいないのにはびっくりました。(もしかしたら他にもいる?)。
特に読み終わってみると、探偵部の顧問がなぜ続編にいないのかがちょっと残念。いい味だしてるのにな~。
探偵部の三人は相変わらずバカですな(最初の作品なのでこの言い方は変?)。
クライマックスの場面で先生をかわるがわるナンパ(?)してみたり、天上天下唯我独尊っぷり(しかも他人には通用せず)もステキ(笑)。
個人的には密室談義が笑ってしまいましたな~。
この条件をすべて満たして犯人もそれでなお面白い作品が書けたらそれは傑作(Bミスとして)、と思うのは僕だけですか?(笑)

 

さてさてこの作品、久しぶりに犯人からトリックまで全部分かりました。
といっても何の自慢にもならないのが悲しい。。。
その理由、この作品には2つの密室トリックが存在しますが、後者に関してはそれまでの伏線がきちんと描かれている事もありますが、実はこのネタ、昔頭の中で考えたことがあったんですね~。だからヒント的な描写が出てきたときにすぐ気づいたのです(ハハハ。。。)
最初の密室に関しても○○が登場した段階で、想像がつきました。
正直この二つのトリックの出来に関して言えば『殺意は~』のほうが納得いくんですよね~。
特に最初の方は限りなく無茶な気が(特に指紋が無い件は強引すぎると思う。。。)。

 

なによりこの小説、最初の登場人物表を見たときにピンときたんですよね、犯人が。
で結局それが当たり、つまり犯人の想像がついてる状態で読み進めてるので伏線が拾いやすい。
それが無かったら第1の殺人に関しては分からなかったと思います。
これはもう、作者のせいではありません。
『殺意は~』を先に読んでるからこその発想でありまして、そういう意味では作者に大変申し訳ない読み方をしちゃったなと^^;;
まだシリーズの未読の方、必ず最初から読んでください(当たり前)。

 

となると往々にして『殺意は~』のほうが面白く読めたということになりそうなもんですが、読み物としてのまとまりはこちらの方がいいんですよ。
伏線の見せ方隠し方に関してはこちらの作品のほうが自然だし、会話的なものもキャラ付けの必要性も含めてこちらの方がいいんではないでしょうか。
ということでいろいろな面を含めて甲乙付け方ということで。
このシリーズ、これからもまったりとこのバカ&本格路線を残して書き続けてほしいものです。
採点   3.6

(2007.1.25 ブログ再録)