『成吉思汗の秘密』(☆1.8) 著者: 高木彬光

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兄・頼朝に追われ奥州に非業の死を遂げたはずの源義経が、モンゴルに渡って成吉思汗となった?―病に倒れた神津恭介の入院生活の退屈しのぎにと、友人・松下研三が提示した謎は、天才探偵の頭脳を刺激した!邪説としてしりぞけられてきた問題に、一つ一つ検証を重ね、論理的説明を加えていく神津の大胆な推理が導き出す歴史の真相とは?純然たるロジックで展開される歴史ミステリーの傑作。 


Amazon紹介より


正直文章が読みにくかった・・・。そんなに難しい文章じゃないんですが、どうしても資料の提示をしなければならないから、リズムが多少は悪くなるのはしょうがないんですけど、それにしても・・・。

全体としては、どうにも神津の推理というのが、イマイチ空想の域を超えてないというか、発想としてはオッと思うのでうが、その後の検証の部分が結論ありきという前提のもとに繰り広げれるという印象を受けちゃうんですな。
だから途中で繰り広げられる論争はワトソン役の松下研三がいうほどすごく感じないというか、子供の喧嘩なんですよねえ。
しかもこの小説、連載時はすごいところで本編が終わっちゃいます。これがもう唖然というか、ある意味高木先生らしいというか・・・。
ほとんどメタ推理の域に到達してます。

うーん、もっとどうにかなんなかったのかなあ、これは。
読んでて思ったんですが、高木さんの文章と篠田秀幸氏の文章の構造がよく似てますなあ。
まったく説得力をもたない探偵へのほめ言葉や、時代掛かった文章や会話とか・・・。
うーん、だから篠田さんの作品は古臭く感じるのかなあ・・・。

(2006.2.15 ブログ再録)