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『占星術殺人事件』(☆4.6) 著者:島田荘司

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怪事件は、ひとりの画家の遺書から始まった。その内容は、6人の処女から肉体各部をとり、星座に合わせて新しい人体を合成する、というもの。画家は密室で殺された。そして1カ月後には、6人の若い女性が行方不明のあげくバラバラ死体となって…。奇想天外の構想、トリックで名探偵御手洗潔をデビューさせた、衝撃的傑作。
Amazon紹介より
 

ミステリファンには読まれているのが当たり前の巨匠島田荘司
そのせいか、あまり書評を見かけないですね。まあ、いまさら紹介する必要も無い気がしますわね。
そんな巨匠のデビュー作にして、もはや伝説の作品と化してるのが、この作品。
どのくらい伝説化って、某漫画でパクられるぐらい伝説です。

全体でいうと、3部構成って言っていいんですかね。手記、日記、捜査編というカンジで。
最初の手記の部分からもう雰囲気満点ですね。文章がまだ硬いのか、ちょっと読みにくいですがそれを十分補う異様な迫力がありますね。
この部分のりアリテイに迫力があるからこそ、読者は引き込まれる訳ですからそういう意味では素晴らしい導入部です。

続いてはある警察官の日記、というか告白文。
追い詰められる一人の人間の心情がひしひしと伝わってきます。ここでも、事件に関する手掛かりが提示されている訳ですが、はっきりいってそんなん解らんですよ。

で、第3部で事件の調査依頼が御手洗潔&石岡の元に舞い込みます。
ここに初登場する御手洗ですが、最近の人間味を感じる彼とは違って、かなりエキセントリックですね。現在の御手洗が神津恭介に近いなら、このころはまさに日本のホームズというかなんというか、普通には迷惑な存在。古いタイプの名探偵の典型といったトコロ。

で、肝心のトリックですが、これはもういまさら語るまでもないというか、これがあるからこそ伝説の作品になってる訳で。
発想といい、見せ方(アゾートの扱い方が抜群にうまい)といい、まさに目から鱗。某漫画を先に読んでしまった方には、もうその不幸に同情するのみ。
シンプルな発想なのに、まず分からない。近年(といっても、20年近く前の作品ですが)のすべてのトリックの中でも、最も優れたトリックですね。
まあ、今の時代にこのトリックを使うと、まず間違いなくばれてしまいますが、あの時代なら間違いなく実用性抜群です。

あえて、この作品に難点を挙げるなる、犯人の動機と何故そこまでしなければならなかったのか、という部分に若干弱さを感じるトコロです。
でも、全体から見れば些細なもんで、作品の面白さにはなんの問題もありません。
はい、とりあえず読んでない人は必ず読んでくださいと。それでけです。