『金田一少年の事件簿』といえば、ミステリ漫画至上『名探偵コナン』とならんで、もっとも読まれた作品でしょう。で、それはネタパクリの歴史でもあります!!おかげさまでかなりの確率で犯人を当てることができました。ということ、このミステリ漫画を語る上で絶対はずせない『金田一少年の事件簿』を少しづつ振り返ってみようと思います。ちなみに僕はこの漫画嫌いじゃないですよ。
「飛彈からくり屋敷殺人事件」
剣持警部の、ちょっと横溝正史『悪魔の手毬歌』な昔の恋の物語が楽しめる(笑)1篇です。犯人が複数いうのを見破られる行動は、最近だと『地獄の奇術師(二階堂黎人)』、昔だと乱歩の作品に見受けられるパターンのものですね。また、密室トリックや死体の移動なども割りとオーソドックスなものを使用しています。そういう意味ではシリーズの中でも犯人を推理しやすい部類に入る作品ではと。 ただ、嫌疑を逸らす為に用意された偽の動機のセンスが凄過ぎです。今時こんな動機の為に殺人をおこすとは思えないのですが(笑)。
「金田一少年の殺人」
このエピソードを読むたびに思うのですが、よく途中で真犯人捕まらなかったなと(笑)。頑張って金田一に罪を被せようとしてるんですが、結構きわどいタイミングで殺人を犯していくので、これは結構運がよかったのか?
で、金田一に容疑が掛かった原因となった密室トリックが結構、というかいつもの通り強引です。まるで出来の悪いJ・D・カーのトリックのような、ってもしかして同じトリックあるんですかね?ちなみに、水槽の割れてた理由に関しては、『折れた剣(チェスタトン)』などに見られる有名なトリックですね。ところで、構成といい犯人のキャラといい去年(?)放送された江口洋介主演『逃亡者』によく似てます。アメリカ版ドラマや映画を見てないので、本当はどこまで似ていたのか僕には分かりません。