『アヤツジ・ユキト 1996-2000』(☆3.6)


 1996~2000年の「小説以外」を完全網羅。詳細な自注と年々の回顧録を書き下ろして贈る綾辻行人クロニクル、ファン待望の第二集。

1996年(『殺人鬼』文庫版あとがき
横溝正史賞・選考委員からのメッセージ ほか)
1997年(ゲストプロデューサーに訊く
取材 ほか)
1998年(整理番号一〇一
あなたは自分の作品を電子出版したいと思いますか? ほか)
1999年(読者への年賀状
晩秋の名古屋・謎の釣り人事件 ほか)
2000年(「赤いマント」作者の言葉
名人としてはやはり ほか) 

yahoo紹介より

綾辻行人デビュー20周年を記念して、絶版になっていた「小説以外の全ての文章」『アヤツジ・ユキト 1987-1995』の再版と同時に新しく発売されたクロニクル第2集。
ちょうどこの頃は綾辻が小説以外のメディア(ゲームや麻雀なぞなぞ)で活動し、新作をほとんど読めなくなってた頃。
あの頃の自分を振り返る回顧録付で、はじめてファンの前に明かされる真相・・・

てな大したもんじゃありませんが、ファンとしてはやっぱりそれなりに楽しめる本であります。
結構麻雀の話が多いのはなんですが、周りでだれもやったことが無いゲーム『YAKATA』(製作のアルバイトにはあの清涼院流水も。。。)の裏話(誰かプレイした人がいたら感想を聞かせてください)は微笑ましいし、『霧越邸殺人事件』のドラマ化『湖畔の宿殺人事件』の大失敗で二度と自作のドラマ化は・・・といっていたにも関わらず『殺人方程式Ⅱ』がドラマ化(しかも製作は同じ大映テレビ・・・もうこの会社っていう時点で危険なんですが・・・・『スチュワーデス物語』とか『スワンの涙』とかねえ。。。)したときの感想とか。。。

ちなみに私、こちらのドラマも見ています。
ちなみにタイトルは『月蝕の館殺人事件~鳴風荘に閉じ込められた10人の恐怖!呪いの夜に長い髪の女が誘う・・・』
う~ん、こんな話だったっけ???
ちなみにキャストは明日香井響に佐野史郎、原作では双子の片割れで刑事なのに、ドラマでは一人になっていてしかも警察を懲戒免職になっていて焼き鳥やをやっているというシュールな設定・・・。
それでも『湖畔の宿殺人事件』よりはましだったそうな・・・

まあそんなサブカル的なネタだけではなく、『本格ミステリー館にて』で公に明らかとなった恩師・島田荘司とのすれ違いについても赤裸々に思いを綴っております。
この件に関しては、やっぱり綾辻側に分があるなと思ったり。。。

正直綾辻ファン、もしくは新本格ミステリ好きでないとちょっと楽しめないかもしれませんが、ファンなら読んでも損はないと思いますよ。
ま、20周年記念ということで三冊まとめて買ってもよしでしょう。私は買いませんが。。。


採点  3.6