『メルキオールの惨劇』(☆2.5) 著者:平山夢明

f:id:tairyodon:20190421061631j:plain

人の不幸をコレクションする男の依頼を受けた「俺」は、自分の子供の首を切断した女の調査に赴く。懲役を終えて、残された二人の息子と暮らすその女に近づいた「俺」は、その家族の異様さに目をみはる。いまだに発見されていない子供の頭蓋骨、二人の息子の隠された秘密、メルキオールの謎…。そこには、もはや後戻りのきかない闇が黒々と口をあけて待っていた。ホラー小説の歴史を変える傑作。

yahoo紹介より

 

??????
なんだかすごい小説ですな~、さっぱり意味がわかりません。
分かりませんが妙な迫力がありますな~、さすがゆきあや嬢をして猫外出中と言わしめただけはあるというか。

 

前半はとにかくグロさが後に残る残る。とにかく主人公の収拾する不幸がまた生々しく、その収拾を依頼するおっさんも生々しい。
それ以上に生々しいのが著者の言葉のセンス。とにかく意味不明の単語(例えばタイトルにも出てくるメルキオール、意味は分からずともどこか妖しい。)。
だって主人公が街を訪れたら、いきなり頭の上で犬を廻す(情景がまったく思い浮かばないのになにかやだ)人朔太郎登場。
この人、いろんな意味で本当に切れてます。
ちなみに一番来たのが、「タレでるぜぃ」。タレとは・・・・ああ、もう^^;;;

 

後半物語は一気に加速します。このスピード感はどこか心地よくもあります。
心地よくはあるんですが、意味がわからないのはまったく同じ。
とりあえず無理矢理脳内麻薬を搾り出されてる、そんな感じ。
最後の方はSFと土着系ホラーとスプラッタを混ぜてかき回さずにそのまま皿に盛ってみました、そんな感じです。

 

確かにホラー小説の歴史を変えるかもしれませんが、でもこれってホラーなのか?
一歩間違えたら変格の哲学小説かもしれません。

 

とにかく正体不明。
オススメは出来ませんが、でも絶対読まないほうがいいとも言えない。
うーん、読んだ人の判断に委ねるしかないですね。

 

それにしてもよくわからんエンディング。結局死体に遺された数字はなんだったんだ?

 

採点   2.5

(2006.10.14 ブログ再録)