『四季 春』(☆2.8) 著者:森博嗣

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すべてがFになる』の天才科学者、真賀田四季の少女時代。叔父、新藤清二の病院で密室殺人が起こる。唯一の目撃者は透明人間だった!?すべてを一瞬にして理解し、把握し、思考する才能に群がる多くの人々。それを遥かに超えて、四季は駆け抜けていく。其志雄は孤独な天才を守ることができるのか!?四部作第一幕。

yahoo紹介より

 

「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」に続く、四季4部作。当然主人公は真賀田四季
このシリーズは4部作で1作が完成になるのかなあ~、多分そうだよね。この1冊だけだと抽象的すぎます。

 

この小説は其志雄の視点で描かれてますが、そこに仕掛けがあります(これに関しては中盤ぐらいで明かされますが、「赤緑黒白」を読んでいれば途中で気付くのではないかと)。この仕掛けの為に世界を理解するのにちょっと時間がかかりましたが、物語自体はサクサク読めます。あ、そもそも其志雄の名が過去に登場してるのをすっかり忘れてました^^;;

 

ただ結局コメントしづらいのは間違いないんですよね~。
真賀田四季、とても小学校前の年齢だとは思えない(まあ真賀田四季ですからしょうがないんだけどね)。強烈すぎます。ここまでカリスマ性に溢れていると、非現実の違和感もありませんね(笑)。

 

この中で起こる密室殺人自体はアンチミステリ的なトリック(これに関しては森さんの興味がそちらに行ってるのかなあ~、「そして二人だけになった」とかも強烈だったしなあ~)なのでどうという事はないのですが、もう一つの殺人を蛇足とみるかどうか。
ラストで見せる四季の姿はまさに貴重なんだろうな~。『有限と微少のパン』でのラストがあったからこの感情がしっくりくるのか、それとも逆なのか。

 

とにもかくにも、本当に感想を書きづらいのでここまでにいたしとうございます。
採点はとりあえず辛め。全部通して読んだら点数あがるのかな?
ちなみに紅子さんの登場の仕方が結構好きでしたね~。

 

ついでに言いますと、『四季』4部作を限定版豪華BOXセットに天才・真賀田四季を描く『四季』シリーズ4冊の特別装丁・愛蔵版BOXセットが発売されるようですね。
見たら結構格好よさそう。ファンはやはり買うのでしょうか?

 

採点   2.8

(2006.10.12 ブログ再録)