Amazon紹介より
相変わらず大人気劇作家三谷幸喜の監督第3弾。
前作から一転して、お得意(?)の限定された空間でのドタバタ人情コメディ。まあとにかく緻密な時間構成で組み立てられた俳優陣の動きとカメラワークはやっぱりすごいっす。
30人を超える個性派役者陣が繰り広げるドラマが、映画の終わる頃には1本の物語に収束させる豪腕っぷりはもうこれぞ三谷節!!っていうしかないっす。
だけど正直、その部分に力を入れすぎて正直肝心のひとつひとつのドラマが薄くなってる気がするんだよな~。なかには捨て役というか、いなくてもいいだろうと人もいる気がするし、あえてドラマを作っちゃってるような空気を感じさせられるんですよね。
だから、ラスト前の一番の見所(多分)である佐藤浩市相手に啖呵を切る松たか子にイマイチ感情移入できない・・・。
登場する役者陣はさすがにいい味だす人が多いですね。
香取君は勢いがあるところを見せてますし、津川さん・佐藤さん・役所さんあたりはさすがの芸達者、松さんをはじめとした女優陣もかなりいいです。
でもやっぱり一番の見所はYOUの歌♪上手いというより巧いというか、さすが元バンドボーカル、かなり聞かせてくれます。正直物語部分よりも映画を語ってたような。香取君が歌った甲本ヒロト作詞・作曲の歌もかなり印象に残ったし。あとはもう伊東四郎。顔を塗っただけであんなに面白い。さすがコメディアンの底力といいますか。
脚本の甘さを役者の個性で補った感のある作品、でもそうはいってもこれだけの脚本を書ける人もなかなかいないというのも現実なんだとは思いますけどね。
(2006.3.29 ブログ再録)