邦画『CASSHERN』 監督:紀里谷和明

https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51x6uNIK-yL._AC_US400_FMwebp_QL65_.jpg

 
そこはアメリカが存在しない世界。大東亜連邦共和国遺伝子工学の権威・東博士(寺尾總)は人体のスペアパーツを可能とする新造人間の開発に勤しんでいたが、その結果生まれたブライ(唐沢寿明)は人類に宣戦布告。博士は、自分に逆らい戦場に赴いて戦死した息子・鉄也(伊勢谷友介)を新造人間としてよみがえらせた…。 吉田竜夫原作の名作SF-TVアニメを『SAKURAドロップス』など数々のPV演出で知られる紀里谷和明監督が、その独自のイマジネーションを駆使して映画化した話題作。 amazon紹介より

 

 「CASSHERNキャシャーン)」です。公開時に見に行こうとしてたのですが、友人等のあまりに芳しくない批評に二の足を踏み、結局見に行かなかったこの映画。今回はDVDにて鑑賞しました。

 

 ストーリーは、近未来を舞台に人間対新造人間、キャシャーン対新造人間です。後は見て判断して下さい。
 というか細かいストーリーは僕は把握出来ませんでした。激しい場面転換の嵐(というかここはドコ?的な場所も多々あり)、突然挿入される回想(?)シーンとモノローグの数々。そして豪華絢爛のCGをこれでもかと使用したビジュアルとアクションシーン。アクションシーンは動きが複雑すぎて思考追いつきませんでした。

 確かに問題点は多くある映画ですね。モノローグの多用により、時間軸・人間関係の把握がとにかく乱雑になってます。そのせいか、脚本的に考えると明らかに本編の時間が長い、というか全般的に冗長になってます。結果として、ストーリーの重要な要素である人間と新造人間の関係が多くの情報の中に埋没してしまい、ただ画面を追っかけてしまうだけという現象が起こりうる状態になってしまっていると思います。

 それでも、この映画は観客を最後まで惹きつける要素は含んでいると思います。それはやはり作り手のこの映画に掛ける情熱が感じられるからではないでしょうか。たしかに、このシーンをCG使ってカッコ良く見せたいぜ的な感覚が先走っているとは思うのですが、情熱の分だけひとつひとつの絵やカットは非常にカッコよかったりします。(この辺がデビルマンとの違いですね)

 登場する役者陣も結構頑張ってたりします。他の映画やドラマとは違う一面を見せてくれる人(個人的には要潤のかっこよさにびっくりしました)もいたりして、みなさんノリノリだったり。ちなみにマイベストは大滝秀治佐田真由美でした。メイキングなども含めてみると、ちゃんとした脚本と制作をつければ、紀里谷監督結構いい作品撮るんじゃないかと思いましたね。

 映画としてみた場合、残念ながら合格点ではないです。正直きつい人にはきつい映画だと思います。でも、案外DVD(ビデオ)というメディアになった時に新たな一面を発揮できる作品かも・・・。