たいりょうのちょっと一息

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『僕の生きる道』 フジテレビ系(2003年1月~3月)

余命一年と宣告された高校の生物教師が、死の恐怖と直面し向き合う中で、生きることの真の意味を見出していく静かなる感動編。ここに描かれる理想的な死出の旅は、あまりにも過酷でせつない。しかし、そんな過酷と反比例するかのように、ドラマは歩みを進めるほどに静かな幸福感で満たされていく。何気ない台詞ひとつひとつから誠実がにじむ脚本と、抑制の効いた演出のトーンとが、絶妙のバランスでこのドラマの真実味を形作っている。
                              
Amazon紹介より
 

 このドラマは、もう放送第1回から毎週楽しみにして見てました。個人的にここ数年のドラマの中では1番のお気に入りです。DVDも買っちゃたし♪

 まず、主演の2人。
 草彅君、もう最高!!病気を告知されて自暴自棄になる序盤、病気を受け入れ自分の経験したことを生徒に伝えようとする中盤、迫り来る死期に向けて準備をする後半。総てにおいて彼の演技が的確!!シーン1つ1つで中村先生の感情が見る側に伝わってきます。決して演技巧者ではない草彅君だからこそ、役に対して誠実に向かい合うその心が、中村先生そのものに反映されてます。

 矢田ちゃんも、とにかくキレイでよかった。みどり先生という役は、1歩間違えると病気の男性を支えるという部分に、自分の行動に対する偽善的な自己満足が見えてしまいかねないと思うのですが、役者としての彼女の持っているパーソナリティがこの役に対してプラスに働いてると思います。とにかく、最後の時間まで中村先生と共に生きたい、という真剣な気持ちが伝わってきてついつい感情移入してしまいました。

 他の登場人物も皆さん素晴らしい演技を披露してくれているのですが、その中でも小日向文世さんと森下愛子さんは素晴らしい。
 決して医者として押し付けがましい態度を取るのではなく、普通に患者と向かい合う。そんな医者の役は小日向さんにピッタリでした。森下さんも、おそらく撮影当時はご主人である吉田拓朗さんのガンも明らかになってたと思うのですが、現実とダブりそうな同僚教師の役を1役者として鮮烈に演じられてました。なにより谷原章介さんと恋人チックになっても違和感のない若さが素晴らしい(笑)。

 でも、このドラマが傑作たりえた1番の理由は、スタッフワークの素晴らしさだと思います。
 橋部敦子の脚本は、後半放送時間の関係でやや急ぎ足にはなってましたが、一つ一つのエピソードを丁寧に構築していって、多くの印象に残る台詞を残しました。
橋部敦子さんの音楽も、もうタイトルクレジットに入る時のあのメインテーマが流れるだけで、後半の放送はぐっときました。
 そして星護を中心とした演出!!
 こういう難病物では、主人公に感情移入させようとうざったいぐらい熱い演出が多かったりするのですが、最後まで1歩引いた丁寧な演出で、視聴者をドラマにすっと入り込ませる余裕を与えてくれて、それがドラマを見せられてるんじゃなくて、自然を見ている・・・うーん、上手く言えないですが、とにかくよかった。
 何よりドラマの展開にあわせて、タイトルクレジットを挿入するタイミングをあそこまで計算したドラマは見た事がありません。第1話なんて始まって半分ぐらいして、やっとタイトルになる。この一種の英断には拍手です。

 とにかく、素晴らしい。DVDを繰り返し見てすっかり元はとりました。見たことが無い人は絶対見て欲しい。そういう作品です。

 

(2005.10.8 ブログ再録)