『ラインの虜囚』(☆4.2) 著者:田中芳樹

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一八三〇年、冬、パリからライン河へ謎と冒険の旅がはじまる。旅の仲間は四人、カナダから来た少女コリンヌ、酔いどれ剣士モントラシェ、カリブの海賊王ラフィット、若き自称天才作家アレク。奇怪な塔に幽閉された仮面の男は死んだはずのナポレオンなのか?謎と冒険の旅がいまはじまった。


Amazon紹介より

 

田中芳樹さんの小説を読むのはこれが初めて。
もちろんお名前は知っていたのですが、どうも著作のタイトルに琴線が触れなかったっというか。

ごめんなさい田中さん、今まで読まなくって。おもしろかったです♪
少女コリンヌをはじめ、お供の3人衆の魅力的かつカッコイイこと!!そして悪役軍団のカッコ悪い事(笑)。
子供の頃、西洋の騎士道小説(?)系の本をまったく読まなかった僕でも、これは最初から最後までワクワクしながら読みましたよ~。
死んだはずのナポレオンの幻影、襲い掛かる謎の悪役集団、そしてまったく予想外のラスト(分かる人にはわかるんでしょうね^^;)、すべてがノリノリです。
4人の別れとその後には、読んでいて爽やかな涙が(またか)。

さらに現実のフランス史の登場人物を登場させて、読み終わった時に『三銃士』や『鉄仮面』(実はこれも小説中に・・・♪)といった有名な小説に挑戦してみようかなという気にさせますよ、ほんと。

ミステリというよりは完全に冒険小説ですが、子供から大人までワクワクできるような、本の楽しみというのを十分に堪能させてくれる、素敵な小説だと思います。

気になったのは、イラストのコリンヌの顔のパースが微妙にずれてる事。でもこれはあまり可愛く描くと親しみが、という配慮?
つまりは、本編に不満は特に無いということですよ。

それにしても著者略歴に載ってる好きな言葉が「締切、延びました。」って(笑)。

(2006.5.29 ブログ再録)