Amazon紹介より
例え、『ミステリーランド』であろうとも高田崇史は高田崇史でした。
これは間違いなくジュブナイル版『Q.E.D.』シリーズですね。
途中、まさに見たいなフレーズが連発してます。でも『Q.E.D.』シリーズに較べると圧倒的に分かりやすく、あちらが知識の海に読者を引きずりこむなら、こちらは歴史の裏側でファンタジー(謎)。
でも正直、あのシリーズの作者がここまでジュブナイルな作品を書きこなすとは思いませんでした。
まあ、このへんの感想はもしかしたらシリーズ以外の作品を読んだら変わるのかもしれないですけどね(僕はあのシリーズしか読んでないので)。
現代の中学生がいきなり魑魅魍魎が跋扈する平安時代にワープして、源頼光やその四天王(昔話では酒呑童子退治で有名な実在の人物)と出会い、鬼と戦う事になる。しかしその裏には。
ここまで聞いてワクワクしませんか?僕はワクワクしました。
そして物語のクライマックス、鬼VS人間の大戦争まで平安版SF、安倍晴明も真っ青の大スペクタクル。そして最後に感動の別れ・・・すいません、また泣きました(笑)。
とにかく、ワクワクドキドキするような展開がいっぱいでした。
ミステリーらしい謎はありませんがそこは高田崇史、お約束(?)ともいえる日本史の真実をさりげなく織り交ぜてくれます。
これがまた、本編に見事に絡んでくれて、『Q.E.D.』シリーズのようなとっつきにくさは微塵もありません。
ある意味、いままで読んだミステリーランドの中ではいい意味で一番裏切られた作品かも。
そして後書き「わたしが子どもだったころ」がまた、なかなか面白い。うーん、やるね~♪
今さら気付いたんですが、巻末の著者紹介。いい意味で作者をおちょくってるというか、なかなか担当の悪戯心たっぷり溢れた文になってるんですね。
(2006.5.28 ブログ再録)