『盤面の敵』(☆2.4) 著者:エラリー・クイーン

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四角いエリアの四隅に四つの家が配置されているヨーク・スクエア。そこには従兄弟姉妹の男女4人がそれぞれ住んでいた。ある日その内の一人に家の敷地と同じ形をしたカードが送りつけられ、その直後に石のブロックを顔面上に落とされ殺される。そして同様に他の従兄弟姉妹も次から次へと殺されて行った。謎のカードが意味するところは? 


Amazon紹介より

 

これはね~、解決編以外は大好きです。
事件の実行犯自体はすぐ分かります。というか、まあそういう記述なんでね。問題は実行犯に殺人を命令する手紙を出している影の人物は一体誰なのか?
とにかく雰囲気はいいです。「九尾の猫」と同じような雰囲気がありますし、「操り」っていうテーマは大好きなんで。
でも、その結末があまりにも。
前に読んだクイーンのムック本では、今回の真犯人はまさに神そのものである、みたいな紹介をされてましたが・・・いや、まあ確かにそうだよねとは思います。思いますけど、このネタはなあ・・・。
当時なら斬新だったのかもしれないけど、今はこういうネタはたくさんあるし。こういう評価の仕方は間違ってるのかもしれないですけど、真犯人のいる部屋にエラリイが乗り込んだ時に、その正体にやられたーっていうより、今までの時間を返せ!!って思っちゃったのは事実なんでね。

読んだ時代が悪かったのかなあ~。ミステリを読み始めたころにこの小説を読んでたら、多分もっと評価は高かったと思います。
シオドア・スタージョンが文を担当したのがまずかったのかなあ~。


(2005.12.28 ブログ再録)