『金田一少年の事件簿』といえば、ミステリ漫画至上『名探偵コナン』とならんで、もっとも読まれた作品でしょう。で、それはネタパクリの歴史でもあります!!おかげさまでかなりの確率で犯人を当てることができました。ということ、このミステリ漫画を語る上で絶対はずせない『金田一少年の事件簿』を少しづつ振り返ってみようと思います。ちなみに僕はこの漫画嫌いじゃないですよ。
「異人館ホテル殺人事件」
金田一少年の中でも屈指の突っ込み所満載の事件です。
<その1>
まず、強烈なのが深夜12時になると部屋のカードキーが無効になるという意味不明なセキュリティを誇るこのホテルの設定がすごいです。
この仕組み、すごそうにみえてまったく使えません。まずこの12時という時間がよく分かりません。そんな時間に変えられたらフロントまで取りに行くの面倒くさいでしょう。といいますか、鳥に行かなかったら、部屋の鍵が他人に使用可能になってしまうという、実にセキュリティ的にお粗末な結果になってしまいます。この設備組むのにすげえ投資が必要だと思うし(笑)。
<その2>
この事件の中、第1の殺人で犯人がいかに万代に毒入りグラスを取らせたか、というトリックを金田一の後輩佐木君が気付いた為に殺されてしまいます。 で、実はこのトリックがばれようがばれまいが、犯人にまったく影響ありません。むしろ実は万代の台本にだけ取るグラスを指定する書き込みがあるというトリックは、事件の捜査対象を誤った方に誘導出来るチャンスだと思うのですがどうでしょう?
つまり、佐木君は死に損だと思うのは僕だけでしょうか? あと、舞台経験者としてこれだけは言わせて下さい。金田一少年の指摘する台本にはト書きがたくさんあるから、一つ増えても気にしないと理屈は、通用しないと思うのです。だって演出の指導があるからこそ、書き込みが行われるのであって、指摘されたものは覚えているのが普通。つまり自分以外の誰かが書き込みをしたら、その違和感に気付くと思います。 その他、いろいろ突っ込みところはありますが、多すぎて長くなるのでやめましょう。 でも、最後にひとつ!!金田一少年では、時々DNA鑑定を行いますが、これってすぐに判定結果がでるもんなんですか???
実はこの作品、シリーズの中では1番好きじゃないんですよね。なんでだろう?特に理由は見つからないのですが。 で、この中ではトリックの王道ともいえる、殺害順の誤誘導や、わざと一度容疑者になりそこから嫌疑を逃れる事で容疑者の枠から逃れるというパターンが綺麗に使われている点では、シリーズの中でも上位なのかもしれません。この辺までパクリと突っ込んだら、もう何もできなくなると思います(笑)。 ただ、絵に隠された秘密を金田一君が指摘しますが、間違ってます。油絵具の上から水彩具は塗れません。その逆は可能でもね。