解題『金田一少年の事件簿』(第7回)

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金田一少年の事件簿』といえば、ミステリ漫画至上『名探偵コナン』とならんで、もっとも読まれた作品でしょう。で、それはネタパクリの歴史でもあります!!おかげさまでかなりの確率で犯人を当てることができました。ということ、このミステリ漫画を語る上で絶対はずせない『金田一少年の事件簿』を少しづつ振り返ってみようと思います。ちなみに僕はこの漫画嫌いじゃないですよ。



怪盗紳士の殺人

名探偵VS.怪盗紳士!
悲劇の裏に隠された、せつなき動機。
読めば必ず涙する!
世間を騒がす絵画泥棒・怪盗紳士から予告状が届いた! 標的となった蒲生画伯の屋敷へ向かった一(はじめ)は、そこでかつての同級生、和泉さくらと再会する。厳重な警備も虚しく絵は盗まれ、「絵のモチーフをも盗む」という怪盗紳士のポリシー通り、絵のモデルとなったさくらまでもが襲われてしまう!! さらに事態は、絵に見立てた連続殺人へとエスカレートしていく。はたして一は、絵を取り返し怪盗紳士の正体を見破ることができるのか!?


出版社 / 著者からの内容紹介より


えー、読めば必ず涙するですか。泣かなかった私はダメなんでしょうか?
そんな事より、この作品は怪盗紳士の正体は誰なのか、そして連座区殺人犯は誰なのかという2つの事件があります。
警察がずっと逃げられ続けている怪盗紳士なんですが、結構あっさり金田一君に暴かれてしまい、本当に凄い奴なのかどうか、イマイチ伝わらないままでした。池に仕込まれた逃走用の気球を気づかなかったりしてるあたり、捕まえられない原因は警察にあるのでは???
もう一つの連続殺人事件の方は、今や懐かしい死体の移動トリックが使われてます。いやあ、金成さん、こういうの好きなんですか?これなんかも、警察がきちんと現場検証してれば分かりそうなもんなんですがね。
で、うたい文句の涙する。確かに最後は悲劇的な結末を迎えますが、別に今までの事件とあまり変わらなくないですか。
というか、事件の後によくある過去の因縁を持つ人の独白が今回もあるんですが、いい加減助けてやれよあんたたち、と突っ込みを入れたくなります。



墓場島殺人事件

さまよえる「亡霊兵士」!
南海の無人島が凄惨な戦場に。
決死のサバイバルミステリー!
不動高校の仲間たちと南海の無人島へキャンプに訪れた一(はじめ)。その島こそ、かつて玉砕した日本兵たちの“亡霊”がさまよう「墓場島」だった……。偶然、島で合宿をしていたサバイバルチームと行動をともにすることになった一たちだが、そのメンバーが次々と亡霊兵士の犠牲となっていく。薄暗い密林の奥に潜む亡霊兵士とはいったい何者なのか? そして一たちは、凄惨な戦場と化した孤島から生きて帰ることができるのか!?


出版社 / 著者からの内容紹介より




今回は警察の介入不可能な、いわゆる孤島ものですね。
で、今回のメイントリックともいえるどうやって亡霊兵士は、監視下にあるはずの人物を殺したかなんですが、このトリックは『不連続殺人事件(坂口安吾)』という古典の傑作推理小説で使われています。ちなみにこの小説も、当時は犯人当て小説として書かれたものなんですが(笑)。
で、もう一つ。この当時犯人当てクイズの問題の中に暗号を解明せよっていうのはあったんですかね?あったとしたらちょっと問題かも。別に暗号自体は反則ではないんですが、少年誌としての読者を対象にしてる場合、こんな専門的な知識の必要な暗号はどうかと思います。