『宇宙神の不思議』(☆3.0) 著者:二階堂黎人

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水乃サトル、二十一歳の大学三年生。一八五センチの長身にモデルのように整った顔立ち。しかし、事件とあれば何にでも首を突っ込んでは推理したがる自称「名探偵」だ。ある日、サトルは「幼い頃に宇宙人に誘拐され、宇宙船に連れ込まれた」という驚くべき記憶を持つ少女・宣子と出会う。宣子の過去に興味を持ち、さっそく調査を始めたサトル。だが、彼の行く先々に「宇宙人の存在を信じる」という奇妙な教義を持つ宗教団体が現れて―。宇宙規模の謎をサトルは解き明かせるのか?『奇跡島の不思議』に続く長編本格推理。


Amazon紹介より

水乃サトルが探偵役を務めるシリーズ、今回の相棒は「奇跡島の不思議」で知り合った武田シオンです。

宇宙人とUFO、謎の宗教団体、密室殺人となかなか盛りだくさんですが、蘭子シリーズと比べてソフトな味わいなのでサクサク読みすすめられます。ただ、蘭子シリーズの好きな人にとっては、逆に食い足りないかも。

それにしても、この宇宙人に誘拐されるという設定、イマイチ効果的じゃないんだよなあ、作中に当時の様子が語られる部分があるんですが、ちょっと想像力働かせれば正体分かっちゃうと思うんですよね。まあ、その理由について、というか何故それをしなければなかったのかという理由については、絶対分かんね~よと毒づきましたが。記憶喪失の理由についてもなんだか苦情が殺到しそうだし。

サトルが解き明かした密室トリックも、読んでるだけだと、どうにもその光景がイメージしにくいというかなんというか。
しかも、実はこの密室○○○だし、まあシリーズの味といえば言えなくもないですが・・・。

作品全体としてはどうにも、アンフェアな匂いが漂ってる気もしますが、それでもまあそれなりに面白いからいいといえばいいんですけど。とりあえずこのコンビの作品をもっと読んでみたい気もしますわな。

(2006.2.21 ブログ再録)