『アイデン & ティティ』 監督:田口トモロヲ

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ロックバンド、SPEED WAYは、人気バンドだったが、ギターの中島は自分の世界を貫くことと、売れることの違いに悩み苦しんでいた。そんなとき目の前にボブ・ディランにソックリの男が現れる。中島は彼に見つめられ、流されている自分を恥じるようになるが、それをきっかけに自分を取り戻していく。
Amazon紹介より
 

お気に入り俳優の一人田口トモロヲの初監督作品、しかも原作みうらじゅん、ときた日には見にるしかありません。

冒頭いきなり見慣れた光景が・・・おお、わが地元高円寺じゃありませんか!!
なじみの店が登場したりしてなぜかちょっとした優越感にひたりつつ映画の世界へ・・・しかし微妙にかったるい。

冒頭インディーズで1発ヒットを飛ばしメジャーデビューを果たしたものの、そのあと下降線を辿る主人公のバンドたち。その中で峯田扮するギタリストの主人公と中村獅童扮するボーカルが音楽性の違いですれ違っていく。

そこの部分が何か同じような事を繰り返し過ぎていて飽きてくる。変わらない日常と踏み出せない主人公の葛藤をえがこうとしているのは理解できるのですが、いかんせんあまりにもフィクションとしてのドラマ性が薄い。ロックの神様『ディラン』も登場した時は笑わせてもらったがなにか中途半端な立場・・・。

そんなまったりとした展開も中村獅童が刺されるあたりから一気にアップテンポに。峯田のテンション大爆発、後半になるにつれ存在感を発揮する『ディラン』。バンドのラスト演奏のシーンでは、長渕チックな峯田メッセージソングが妙に共感もてたりして。

今回初主演の峯田が非常にいい味を出して、ダメ男っぷりを発揮しています。麻生久美子(なんか老けて見えるぞ)扮する恋人との会話はそんな彼の存在が全開、ラストの終わり方もこの2人の独特の存在感でOK!みたいな感じでストンと落ちてくれました。

トモロヲの演出も非常に丁寧で好感はもてました。次はもっとアナーキーなものを見てみたいなあ。

最後に個人的な見所

ミック・ジャガー大好きです。

 

(2005.10.16 ブログ再録)