『隠蔽人類』(☆3.9) 著者:鳥飼否宇

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 日谷隆一たち日本調査団はアマゾン奥地で世紀の大発見をした。別種の人類が見つかったのだ。しかし、メンバーの一人が首を切断された。犯人は調査団の中に!? さらに、日本で恐るべき殺人の連鎖が。誰にも結末を読ませない! 驚愕のミステリー。


Amazonより

 おおお、なんじゃこりゃ(;・∀・)

 アマゾンで発見されたキズナ族の調査の為に集落を訪れた日本の調査隊は、キズキ族のDNAから従来のホモ・サピエンスと違うDNAを発見します。果たしてキズナ族は新しい種族、隠蔽人類なのか。調査を進めるようとする隊員達だが、メンバーの一人が首切り死体で発見されます。
 このキズキ族、従来の言語ではコミュニケーションが取れません。さらには死者の弔いとして首を切断し、祭場に葬るという習慣を持っています。果たして、犯人はキズキ族の誰かなのか、それとも調査隊の中に存在するのか。

 DNAという専門的な話がベースにありますが、難しいところは一切ありません。頭に入れておくのはDNAが違う人類が存在するということだけ。この新人類、隠蔽人類を巡って物語が進んでいきますが、それぞれの章で事件が起こりその結末が次の章につながっていく連作的なスタイル。
 それぞれの章での事件、やたらと人が死にますがそれでも事件そのものは論理的に解かれていきます。むしろこの小説の肝というか、奇抜なところはそれぞれの章の終わり方のインパクト。特殊な設定の中でそこで活きるロジックで物語を閉じたにも関わらず、想像外の方向からぶっ壊すしてくれます。
 そしてそのぶっ壊れたものを次の章で一旦通常まで戻し、そしてまた壊していく。その壊し方ゆえに2話目以降のストーリーには触れる事ができませんが、このバカミスになりそうなぶっ壊し方だけでも読んでみる価値はあろうかと。

 あまりに・・な展開が続くだけに、物語が進んでいっても果たしてこの物語がどこに着地していくのかまったく予想ができないなか、最終話へ・・・。

 は???・・・・・・お、おい・・・・そうきちゃうの・・・

 これまでの話も尖ってたけど、最終話のこの締めくくり方はある意味物語だけでなく、それまで維持していたミステリの枠組みすらぶっ壊して飛んでいってます。
 人によっては脳みそを投げられたような、あるいは本を壁に飛ばしてしまうか・・これまでの読書時間をどう捉えるかものすごく分かれると思います。
 ちなみに私は・・・すべてを受け入れ考えるのを止めました^^;;

 さて、あなたの感想は一体・・・



 
採点  ☆3.9