『2012』  監督:ローランド・エメリッヒ


 ロサンゼルスでリムジン運転手をしている売れない作家ジャクソンは、別れた妻ケイトのもとに暮らす子供たちと久々に再会し、イエローストーン公園までキャンプにやって来た。彼はそこで怪しげな男チャーリーから奇妙な話を聞かされる。それは、“地球の滅亡”が目前に迫っており、その事実を隠している各国政府が密かに巨大船を製造、ごく一部の金持ちだけを乗せ脱出しようとしている、という俄には信じられない内容だった。しかし、その後ロサンゼルスをかつてない巨大地震が襲い、チャーリーの話が嘘ではないと悟るジャクソン。そして、大津波や大噴火など、あらゆる天変地異が世界中で発生、次々と地球を呑み込んでいくことに。そんな中、ジャクソンはケイトと子供たちを守るため、巨大船のある場所を目指して必死のサバイバルを繰り広げるのだが…。

 	
監督: ローランド・エメリッヒ	
 
出演

ジョン・キューザック
キウェテル・イジョフォー
アマンダ・ピート
オリヴァー・プラット


 いやあ、『アバター』と同時期の公開じゃなかったらなぁ、目玉になっただろうになぁ・・・。
 そんな配給会社の声が聞こえてきそうな(実際どれくらい興行収入を取ったんでしょうか?)パニックSFの超大作、しかも監督がエメリッヒときた日にゃB級好きの血が騒ぎます。

 今回はブルーレイで見ましたが、感想としては単純にエンターテイメントとして面白いじゃないかと。まあストーリーは正直代わり映えはせんし、同じ監督作品の『デイ・アフター・トゥモロー』と同じような内容じゃねぇか、と突っ込みたくはなります^^;;

 でもどちらかというと、『デイ~』よりもやっぱり同じ監督作品でアメリカ万歳な『インディペンデンス・ディ』に近いようなノリを感じたかなぁ。宇宙人は一切出てきませんけど、物語のクライマックスで科学者役のキウェテル・イジョフォーが世界各国の首脳を前に演説を打つシーンは、『インディペンデンス・ディ』でビル・プルマンが演じたアメリカ大統領の演説シーンを彷彿とさせてくれました。
(あそこまで「アメリカンじゃなくてもアメリカ万歳にしてやるぜ」的なテンションはなかったですが^^;;)

 そして全編において突っ込みどころがあるのもB級のお約束ですな。基本は世界崩壊からいかに人類を救うか、主人公家族(旦那は離婚して、元奥さんは子供を連れて再婚しとりますが)がいかにして助かるかという二つなんですが、前者については本当に「ノアの箱舟」(推定定員10万人!!)を7隻ぐらいつくっちゃう豪快っぷりだし、崩壊のシナリオが明らかになってから2年足らずで完成させてしまう無茶な展開は「さすが中国人、間に合わせたぜ」の一言で終わらせてしまう、まさに男気!!
 家族についてはいくら感動のドラマにしようとしても、一回助かるたびに犠牲者一人みたいな感じなので、素直によろこべんぞ。特に再婚相手の旦那や知り合いの女性(?)があっさり死ぬとは思わなかったなぁ。特に後者はなぜあなただけ???とついつい突っ込んでしまいました(ほとんど心配もされんし)

そんな訳で全編を通してB級な匂いが残る作品(ジョン・キューザックは好きだけど大作顔じゃないよな~)だけれども、それをA級エンタメ作品に押し上げちゃってるのが驚異の特撮技術。いやぁ、これはまじで凄い!!『アバター』の3Dのインパクトには負けるかもしんないけど、このクオリティの高さは尋常じゃないです。ブルーレイで映画を見始めて、綺麗すぎて現実感が感じられないと思うことがたまにあるんですが、これはもうナチュラルというかなんというか。もちろんあざといまでにデカ過ぎる大津波やら、崩れまくる観光名所などギリギリな線もあるんですが、違和感というよりもむしろ「おお~~~~」という言葉がふさわしいと思う。特に大津波なんて『デイ・アフター~」と比べても雲泥の差。これだけで血湧き肉躍り元はとったぜ!!という感じになっちゃうんでは。