『きみとぼくが壊した世界』(☆3.9)


まずはあらすじ。

奇妙な相談を受け、シャーロック・ホームズが愛した街・ロンドンへと誘われた病院坂黒猫と櫃内様刻。
次々と巻き起こる事件の謎解き合戦が始まった!これぞ世界に囲われた「きみとぼく」のための本格ミステリ

西尾氏の作品を読むのは久しぶり。『傷物語』(初出で既読)以来。
冴さんも太字でおっしゃられてましたが、非常に萌え度の高い小説ですなぁ。
冴さんは様刻くんでしたが、私はhimaさんと同志なのでやっぱり黒猫坂さんです。
ベーカー街を訪れた場面、悶絶です^^

ネタバレではないけれど、構造的に中々感想が書きにくいんですが、まぁ一つの章に一つの謎があり、その章の中で解決する、ぐらいは書いてもいいのかな。
一発目からかなりヘンテコ(?)な事件でしたが、それ以降も不思議系というか不条理系というか脱力系というか、そんなネタの連発。
そのヘンテコなネタを壁本にしないのが、さすが西尾維新というべきか、やっぱりすごいです。

それを支えているのは、結局萌えな部分。
これだけ無駄な会話を作品として消化しきれるのは、維新かまほろかしか思いつかん(後者は消化しても面白いのかという部分は別問題である)。
それぐらい語り芸として完成されているし、それがミステリの部分にもきちんと読み手をひきつけるという要素にもなりえている。
やっぱり維新は維新なのです。

このシリーズも未だにそこが見えないというか、続刊が楽しみ楽しみ♪

で、冴さんは結局『化物語』を読まれたんでしょうか?


採点  ☆3.9