『QED~竹取伝説~』(☆3.4)


まずはあらすじ。

"鷹群山の笹姫様は…滑って転んで裏庭の、竹の林で右目を突いて、橋のたもとに捨てられた"。不吉な"手毬唄"が残る、奥多摩織部村。
この村で、まるで唄をなぞったような殺人事件が発生。崇は、事件の本質を解き明かすべく、「竹取物語」の真実から「かぐや姫」の正体にまで迫る。
まさに「QED」の真骨頂。


腹痛(盲腸)で病院を訪れたとき、なぜか持っていったのがこの本でした。
最近急に読み直したくなったこのシリーズ、なんとか順調にすすんでるいっていいんでしょうか。

シリーズ第五弾。
とりあえずこれは、犯人や「光る竹」の謎は覚えてたぞ~。
犯行の動機は藪の中に片足つっこんだような記憶の状態でしたが、「お~、そうだったそうだった」と思い出す。
そういった意味では印象深い作品だったんだなと改めて思ったり。

かぐや姫のくだりはさっぱり忘れてたし、今改めて「ふ~ん」としか思えない(いや、よく考えられてるとは思うのですよ)。
歴史的な部分に関しては、もしかしたらはじめて置き去りにされた作品かもと思いました。

でもその分、現在の事件の動機というのはなかなか「ほほ~~~」と思いました。
このシリーズ、現在の事件の動機に関して、「ええ~~~~」と思うぐらい、思い込みが激しい動機が多い気がするんですが、これもそういうところがなくはないでしょうな。
それでも他と較べるといいなと思うのは、歴史的な因縁の部分に加えて、犯人が過去に体験した事件が現在の事件に反映されてるという、いわゆる「普通の動機」がきちんとあるからかもしれませんね。やっぱりこういうのがあると安心してしまうのは、私が保守的なせいでしょうか。



採点  ☆3.4