『百舌姫事件』(☆3.0)


まずはあらすじ。

町に須黒魔術団がやってきた。宝飾店輝美堂の店長は「彼らが訪れた町では必ず宝石強盗が起きる」という噂に怯え、石神探偵事務所に相談に来る。
魔術団は町に伝わる「百舌姫伝説」に材をとったショーを上演するが、後援の地元新聞・真実日報社からの圧力で取り止めになってしまう。
そんな折、輝美堂からダイヤの指輪が盗まれた。さらに、商工会議所会頭の死体が自宅庭の木に串刺し状態で発見された。
それは伝説の中の"百舌の早贄"を彷彿させるものだった。町を揺るがす怪事件に、狩野俊介と野上探偵が立ち向かう。
書下ろし長篇本格ミステリー、名探偵・狩野俊介シリーズ待望の最新作。


入院前~入院中は久しぶりにたくさん本を読みました。
といってもほとんど再読本なのですが、これは数少ない初読。実に久しぶりの狩野俊介シリーズの新作。
長編になるといったいいつ以来なんでしょう^^;;

久しぶりに読むと、俊介がいったいいくつだっけ??と思ってしまいました。
最初の頃は小学生だった気がするんですが、気のせいでしょうか。
それがもう中学生になって・・・月日がたつのが早い。(単に刊行期間が開きすぎてるだけ?)

読み終わってしばらくたち、記憶も薄れがちなのですが、良くも悪くもシリーズ本ですなぁ。
事件としてはシリーズ全体の流れとして、そこまでガチガチじゃない。
むしろ見た目派手なトリックで一発かまして、あとは・・・みたいな気安い感じもありますね~。
今回は最初の事件が起きるまで、少々ページがかかったので余計そんな気も。
犯人なんかもわりと分かりやすいしね。

ただ主人公たちの年齢や、本格度のゆるいわりには犯人の動機が割りと重いのもこのシリーズの特徴のような気がします。
今回もやっぱりそれなりに重い。
過去の作品も含め、いろいろと残酷な人間模様を突きつけられた俊介君。
そのわりに、まだ捻くれ度が低いのは回りにいる大人や友人たちに大切にされてるからでしょうか。
その経験を踏まえて、すこしづつ大人になってく俊介君の姿も、長い間の読者には感慨深いかも。

でも裏を返せば、シリーズを通して読んでない人には物足りなさがかなり残る作品かもな~ということなんですが^^;;



採点  ☆3.0