『チーム・バチスタの栄光』(☆3.9)  著者: 海堂尊



まずはあらすじ。

東城大学医学部付属病院は、米国の心臓専門病院から心臓移植の権威、桐生恭一を臓器制御外科助教授として招聘した。
彼が構築した外科チームは、心臓移植の代替手術であるバチスタ手術の専門の、通称"チーム・バチスタ"として、成功率100%を誇り、その勇名を轟かせている。
ところが、3例立て続けに術中死が発生。原因不明の術中死と、メディアの注目を集める手術が重なる事態に危機感を抱いた病院長・高階は、神経内科教室の万年講師で、不定愁訴外来責任者・田口公平に内部調査を依頼しようと動いていた。
壊滅寸前の大学病院の現状。医療現場の危機的状況。そしてチーム・バチスタ・メンバーの相克と因縁。
医療過誤か、殺人か。遺体は何を語るのか…。
栄光のチーム・バチスタの裏側に隠されたもう一つの顔とは。第4回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。

yahoo紹介より

この本も、いまさらな感じもしますが実は読んでませんでした。
映画が面白そうだったので、見に行く前に読んでおこうと思ったら読み終わる前に映画が終わってしまいました(笑)
実際映画はどうだったのでしょう。小説は面白かったですが。

いや、最初に読み出したときはいったい物語はどこにいくんだろうと思いました。
舞台が舞台なだけに、単なる(といったら失礼ですが)ミステリのお話にはならないだろうとは思ってたんですが、最後の最後まで読めなかった~。
途中は、臓器移植の低年齢化というタブーに切り込んでいく作品かと思ってたんですけど、これはこれで捻って別の要素に使ったのね。

正直医療モノだし、専門知識がどれだけ頭に入ってくるかちょっと心配だったけど、すごくスムーズに読めました。
とにかくわかりやすい。でもそれは単純に平易な文章っていうわけじゃなく、整理されてるって印象なのかも。
デビュー作でこれって、やっぱりすごいなって思います。作家としての力があるっていうか。
丁寧に書きすぎたらもしかしたらまったく別の小説になってるのかもしれなけで、ギリギリまで情報量を抑えてる分だけキチンとエンタメになってるってかんじだと思います。
ミステリとしてみたら、正直解決への道筋とかについては弱いかな~。バチスタっていう設定ももう少し生かせてない気もするし。
設定は専門的なんだけど、犯人に関していえば他の設定でも描ける気がしないでもないっす(トリックとかはまぁこの設定ならではかもしれないけど)。
もすこし、臓器移植とかバチスタ手術について掘り下げてくるかな~と思ったんですけどね、そのぶんちょっと尻すぼみ感もありました。
それでもレベルは高いっすけどね。

登場人物に関しては、伊良部登場かと(笑)。
それぐらい白鳥のキャラがたちまくっております。
伊良部みたいに天然(?)じゃないから、どこまでこれを計算してるのかどうかわかんないというかなんといか。
ほんと、ある意味伊良部よりムカつくかも^^;;正直私はちょっと苦手だったかもしれません。
逆に田口の理想と現実のばらんすがとれた中庸感がすきかも。
中庸っていっても最後はかっこいいっすけどね、このあたりは真似できん。
でも一番かっこよくて、でも大人なのは高階だと思いますが^^

とにかく読んで満足です。続編もさっそく図書館に予約しました^^

しっかし映画版のキャスティング、すごいですね~。
小説の外見とは似ていないけどなんとなく雰囲気がわかる阿部寛はともかく、竹内結子は田口だったのね^^;;
まあ、花があってもいいと思うのですが。。。
それ以上に強烈なのは、桐生が吉川晃司っすか!!!!氷室がココリコ田中っすか!?
うむむ、だんだん見たくなくなってきた。。。。


採点  ☆3.9