『QED~諏訪の神霊~』(☆3.2)



まずはあらすじ。

長野県・御柱祭の最大の見せ場である木落坂で、うねり暴れる御柱から振り落とされ、一人の男が亡くなった。
一ヵ月後、諏訪大社の血生臭い神事を調べるため同地を訪れた桑原崇と棚旗奈々は奇妙な連続殺人に遭遇する。
「御柱祭」とともに千二百年続く「御頭祭」の意味とは?
一連の事件を結ぶ恐るべき因縁が、今明らかにされる。

yahoo紹介より

べる子の上、曰く。
「・・・私としては冴さんが何故このシリーズを追いかけているのかの方が不思議になってきました^^; 」
冴の君、答えて曰く。
「う~ん。何故でしょう」

大なり小なり、私は似たようなもん。
タタルさんと奈々ちゃんの行方が気になるからといったら、ホントそれだけのような気がする。
とにかく最近のシリーズ既刊は読んでてきつかった。(前回の連作短編集は普通に読めたが)
それでも読んでしまう。
二人の恋の行方が気になるだけがために。

舞台は諏訪。
タタラだ河童だ大国主命だの、読者を煙に巻く準レギュラー陣は今回も健在だ。
それでも、今回は御柱祭、御頭祭。
特に御柱祭はテレビで見たことがあるから、なんとなく馴染みがあるし、なんでこんなデンジャラスな祭がというので、近年のシリーズより興味が持てた。
今回はタタルさんと奈々ちゃんの二人旅。タタルさんの相変わらずのナチュラル・セクハラっぷりとそれにモンモン(?)とする奈々ちゃんの姿は、ある意味図書館シリーズのあのバカップル以上に照れると思うのは気のせいか?

それはともかく、諏訪大社の謎はタタルさんの頭脳をもってしても悪戦苦闘。
実地調査に加え、「こんな奴ら、ぜって~いね~ぞ」と誰もがつっこむぐらい博識なお仲間達の力を得てなんとか結論を導き出す。
今回の歴史の謎については、実際誰かの論文の結論をベースにしているのか、それとも独力なのか、あるいはとっくにだされている説なのかよくわからんが、「コロンブスの卵」だと思う。言われてみりゃ~そういうしきたりから生まれりゃこうなるかもしれんな~、と思った。
そこに、奈々ちゃんみたいに神仏だのなんだという先入観があるから気づかないだけみたいな。
うん、最近の本の中では一番すっきり腑にオチたかな~。
途中の論旨の展開は半分ぐらいは片っ端から頭から零れてったけど、構造がわかりやすかったですからかね。
とにかく、謎だらけの神社でした、諏訪神社は。

そして本シリーズのサブストーリである現実の事件(笑)。
メインストーリー(?)との絡みがあったせいか、ロジック的な部分はほぅほぅと。
ただ、その動機に関してはもうほとんど理解の範疇外。
いったいあなたは何時代の人ですか?ってなもんです。
過去のキャラの再登場も多かったせいか、犯人がヒジョーにわかりやすい。
しかも、人少ないし、あからさまに怪しい行動するし。
ただ、その周りの人物の行動も不可解だらけでしたが^^;;;

まぁ、トータル的には及第点の満足感はありましたよ。(小説として面白いかは^^;;;)
でもやっぱり興味は二人の行方。
タタルさんも否定しね~しな~、まんざらじゃないんだろな~。

最後に、なぜ小松崎はあの現場にいたんだ?
(クシャミするためだけ?)


採点  ☆3.2