『中原の虹 第4巻』(☆3.4)



まずはあらすじ。

「答えろ。なぜ宦官になどなった」「将軍はなにゆえ、馬賊などにおなりになられたのですか」
最後の宦官になった春児と、馬賊の雄・春雷。極貧の中で生き別れた兄弟は、ついに再会を果たし、祖国は梁文秀の帰国を待ち望む。
龍玉を握る張作霖。王座を狙う袁世凱。正義と良識を賭けて、いま、すべての者が約束の地に集う。
ついに歴史が動く。感動の最終章。

yahoo紹介より

いよいよ、この大河小説も完結です。
3巻を読んでから半年弱、いやあ覚えてねえ^^;;

張作霖の時代のお話はまだなんとか覚えてるんですが、清朝の生業の歴史についてはほとんど人間関係が飛んでます。。。
もちろん、名前が覚えにくいというのもあるんですけどね~。(名前と愛称が混在するし、愛称も何パターンもあったりするから^^;;)
とにかく物語の終着点がどこにあるのかというのが、かなり不安だったのですが、ううむ、その懸念は半分当たってたような。
張作霖自体、最後は関東軍の謀略によって殺害されてますから、この物語におけるヒーロー性とはそぐわない人ですからね・・。
まあ、その辺は実際に本を読んで確認してくださいとしかいいようがありませんが。。。

でも全4巻を読んで思ったのは、この小説の主役は袁世凱だったんだなと。
その功績はともかく、史実的には決して人気の高いとはいえないこの偉人。
作中でも決して愛されるキャラではない部分も多々あったんですけれども、それでもその人間臭さがたまらなかったりましす。
そしてクライマックスで彼の行動の真の意味が語られるとき、その切なくも不器用な生き方にぐっときました。
それにひきかえ、孫文の低評価っぷりも別の意味で印象に残りました。

お世辞にも着地点が素晴らしかったとはいえず、メッセージ的にも物語的に消化不良に終わった感は否めません。
なんとなく張作霖をあまりに魅力的に描こうとしすぎたせいで、作品の幅をかえって狭めた部分があるのかもしれません。
それでも『蒼穹の昴』の中で生き別れになった家族の再会は、前作を読んでるファンにとっては感涙もの。
裏を返せば、前作を読んでないと少々読み続けるのはつらい作品だったともいえるのかもしれません。。。


採点  ☆3.4