『機巧館のかぞえ唄~名探偵夢水清志郎事件ノート~』(☆3.5)


機巧館でひらかれたパーティーのとちゅうで、老推理作家が消えた。
そして、作家が消えるまえにつぶやいた呪文のようなかぞえ唄どおりにつぎつぎと事件がおこり、亜衣の身にも危険がせまる…。
読者をあっといわせる結末が待つ『夢の中の失楽』をはじめ、こわい(?)話から赤ちゃん騒動まで、ボリューム満点の名探偵夢水清志郎事件ノート第6作。
小学上級から。

yahooより

はやみねかおる西尾維新週間第2弾。
夢水清志郎シリーズ第6弾のこちらの作品。

『踊る夜光怪人』 で、読者の期待と安心感を裏切らないと書いたこのシリーズ。
そんな舌の根も乾かぬ第6弾、まさかこんな展開がまっていようとは^^;;;

今回は収録作が3篇(っていっていいのかな^^;;;)。
最初の最後のゆる~いほのぼの加減はいつものノリ。
特に、最初の話でどこかで聞いたことのある怪談話をかたっぱしから事件にして解決してしまう夢水の夢水っぷりがファンにはたまらないでしょう。

問題は2番目の作品である『夢の中の失楽』。
ミステリファンなら誰もが竹本健治のあの作品を思い出すわけですが・・・
いやあ、内容もまさにあんな感じ。
足跡の無い殺人の
読者を煙に巻く重層構造のお話。そこに仕掛けられた叙述(?)トリック。
大人の本格ファンでもううむ、なのに子どもに果たして通じるのかが謎です。
さらにはシリーズ初のリアルタイム殺人事件(過去に人が死んだ事件はありましたが・・)。
この事件の真相がまた子ども向けにはブラックな気が。
でもこの真相も本当にそうなのかがまた。。。

いやあ、子供向けにはひねりにひねりまくった作品だと思いますわこれ。
ぜひとも冴さんのお嬢さんの感想をぜひ聞いてみたいところですね。

果たしてこの流れがシリーズにとっての異色作となるんでしょうか。
個人的にはやっぱりこのシリーズはほのぼの色で進んでほしいな~と思うのですがどうですか?



採点  3.5