『踊る夜光怪人~名探偵夢水清志郎事件ノート~』(☆3.3)


幽霊坂の下にある桜林公園に、夜光怪人が出没するといううわさが広がっていた。
そのころ、亜衣とレーチは、後輩の千秋の依頼で、彼女の父(虹斎寺のおしょう)の悩み解決にのりだす。そして、ふたりはおしょうから謎の暗号を見せられる。
そこにはどんな秘密がかくされているのか?暗号と夜光怪人につながりはあるのか?小学上級から。 

yahooより

今週ははやみねかおる西尾維新の週となりましたですな。
その第1弾として、夢水清志郎シリーズ第5弾のこちらの作品。

シリーズのファン(特に子ども)の期待を裏切らない展開と安心さ。
第2作登場以降は名前しか出てこなかったレーチも登場、さらにはあの伯爵まで。
というかまあ、過去の犯人(?)達が問題なく登場するのもこのシリーズのいいところなんでしょうか(笑)。

まあ、事件はどこか乱歩の子ども向け作品を彷彿させる夜光怪人が微笑ましい。
はっきりいって中盤辺りには正体バレバレですが、それだけがこの本の謎じゃないところがいいんではないですか。
大人に対しては、意外に歯ごたえのある暗号の問題が。これは子どもが解くにはちと難儀かも^^;;;

今回も爽やかな後味。
まさか事件を捜査する夢水の狙いがあんなところにあるなんて。
お釈迦様でも気がつくまい。

なにより、も亜衣とレーチの絡みが初々しくてねえ^^
登場人物紹介では、亜衣の彼氏と紹介されてるものの、本編では亜衣は肯定せず。
でも亜衣に電話をかけるかどうか、電話機の前でウロウロしているレーチの姿が在りし日の自分に(笑)。
レーチが亜衣に告白した時の返事、具体的には書かれてないものの、最高の返事をもらった記憶が。
一体亜衣はなんて言ったんだろうな~。
これが一番の謎ですよ。

満足感より安心感。
どこまでも子どもに優しく、でも密かにミステリ好きに調教してしまう(?)このシリーズ。
やっぱりはやみねさんははやみねさんというところでしょうか。


採点  3.3