『虹北恭助の冒険』(☆3.6)


ひとりでにふえてゆく駄菓子屋のおかし。深夜、アーケード街をさまよう透明人間の足跡。なんでも願いをきいてくれるお願いビルディング。
虹北商店街で巻き起こる不思議な不思議な謎・謎・謎!美少女・野村響子ちゃんをワトソン役に、講談社ノベルス史上最年少の名探偵〈小学6年生〉・虹北恭助の推理が冴える。

yahooより

ちょうど、夢水清志郎シリーズ第1作そして五人がいなくなると同時に借りて面白い方を先に読み進めようと思ったのです。
結果は記事の順番でわかるとおり、夢水清志郎シリーズの方が進んでしまいましたが、こちらが面白くなかったわけではありません。

しっかしこの表紙きついな~^^;;;
来週31になるオッサンが借りるには勇気がいるぞ。
そしてイラスト、何回見ても恭助が女の子にしか見えん。
おもわず実は女の子ではないのか?と注意深く読んでしまいました^^;;

ラインとしては講談社ノベルズということで、夢水シリーズに比べて若干対象年齢を高くしているのかなあ。
恭助と響子は、夢水シリーズに登場する岩崎三姉妹(初登場は中学1年生)より年齢の低い小学生。
でも妙にこちらの方が大人びた小説な印象なのは、大人っぽいところを持つ(子どもっぽいところもありますが)恭助と、大人っぽくない夢水清志郎の差なのか?

ただ本格ミステリとしては、レベルは同じぐらいなんじゃないかな~。
ミステリとしてのツボはきっちり抑えてはいるものの、虹北商店街における日常の謎・子ども版といった趣が強い。
若干大人よりな雰囲気、あつかうミステリの易しさのバランスが、夢水シリーズに比べて若干バランスが悪いような気がするのは俺だけ?

でもほろ苦さという点では、こちらも侮れない。
その理由はやっぱり恭助のキャラクターなのかな。
小学5年生にしてどこか達観してしまってる雰囲気。
人に対する優しさも、そして響子との絡みで垣間見せるその年齢に相応しい反応を見せるだけにどこか切ない部分もある。
世の中には本や勉強だけじゃない、いろいろな知識が溢れてるんだよ、と教えてあげたい。
いや、もしかしたら恭助も気づいているのかもしれないが。
そこから先は響子がどこまで頑張れるかになってくるのかな~。
そういった部分では、シリーズ物としての大きな流れは夢水シリーズより確固たるものがあるのかもしれないと思ったり。

ま、本編と関係ない部分ではありますが、虹北商店街プローモーションビデオ『名探偵はつらいよin虹北大決戦』が見たいのは私だけではないはずと思っている今日この頃。。。



採点  3.6