『C.M.B.森羅博物館の事件目録 6』&『Q.E.D.証明終了 28』(☆3.2)  著者:加藤元浩


エジプト・王家の墓――。ミイラの発掘現場で不審な事故が多発。
謎を追う燈馬が出土した首飾りの鑑定を依頼したのは、C.M.B.の指輪を持つ少年榊森羅だった!

MIXプロジェクト! Q.E.D.×C.M.B.
C.M.B.より三賢者の指輪を継ぐ少年 榊森羅登場!!

(講談社HPより)

エジプト・カイロの考古学博物館で殺した人間の臓器を奪うという猟奇事件が発生! 
犯人を追う森羅の前に現れたのはMIT帰りの天才少年燈馬想! 
燈馬が森羅を真実に導く!!

MIXプロジェクト! Q.E.D.×C.M.B.
Q.E.D.よりMIT帰りの天才少年燈馬想登場!!

(講談社HPより)

yahoo紹介より

登場人物の組み合わせが似ているので、その差異が分かりにくいと一部で評判の加藤元浩Q.E.D』と『C.M.B』。
ついに最新刊でコラボ企画。ついでに単行本も同時発売。
発売のタイミングを合わせるために、先に発売された『Q.E.D』27巻では、本誌連載ではコラボ企画よりあとに掲載されたものを先行して収録する念の入れよう。
果たして、その効果は!?

・・・・・・う~ん、なんだかな~。
とっても消化不良な感じっす。
まずは『Q.E.D』の方から。ネタの構成としては、『Q.E.D』シリーズの中でよく見かけるパターンのような気がします。
事件としても伏線が分かりやすいので、シリーズの読者なら検討がつくのでは?
コラボとしての見所は、発掘品の鑑定を森羅に依頼するところ。
まあ、これに関してはある程度納得できるのかな~?かつて古代文書の関する事件を扱ったことのある想ではございますが、一応考古学は専門外ということで説明がつきますからな~。それはそれでよろしかろうと思います。
思いますが、あまりにあっさりしすぎてコラボ企画としてはやや物足りないのかな~^^;;;

ちなみにこちらはもう一遍短編を収録しているのですが、これは被害者の選択の仕方がやや強引なのと、幕の引き方が分かりづらいのが難点。
イデアとしては面白いんですけど、出来としてはいまひとつだと思います。

さてさてコラボ企画に戻ります。
つづいては『C.M.B』の方。
こっちは『Q.E.D』にもまして、コラボ企画のミソである想と森羅の競演の中途半端っぷりが気になりますね~。
一応エジポトで起こった連続殺人のヒントを想が森羅に伝えるのですが、これ・・・森羅の方が気づかなきゃだめでしょう^^;;
いや、事件に深入りしている分だけ物事の判別が・・・というフォローもありそうですが、でも専門分野なんだからね~。
むしろ想×森羅よりも、可奈×立樹のコンビの方が強烈ですな。
二人がタッグを組んで、敵に立ち向かう場面。
割愛されてますが、森羅が呟く「この世にあんな光景があるなんて・・・」というシーン。
いやあ、実際の事件より恐ろしい(笑)。
事件のネタとしては『C.M.B』よりのネタではあるかな~と思うんですけど、でもこうやって二つの作品を同じ土壌で並べてみると、書き分けの差がますます曖昧に思ってしまうのは確かなところ。
それぞれのキャラの立ち具合、そしてコンビの熟成度でも、『Q.E.B』の方がやっぱり上ですな~。

最後に。
『C.M.B』で触れられたピラミッドに関する森羅の推理。
これは加藤さんの推論なんですかね~。それとも既成の説の引用なんでしょうか。
ちょっとだけ気になります。


採点  3.2



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