『町長選挙』(☆3.9)



札束が乱れ飛ぶ町長選挙は、離島のお祭り。伊良部さえ引く大騒ぎの結末はナント!?(町長選挙)表題作のほか、ナベツネらしき大新聞会長の「暗闇恐怖症」ホリエモンらしきIT長者の「ひらがなアルツハイマー黒木瞳らしきカリスマママ女優の「年齢をとる恐怖症」などを超自然体の伊良部が癒す3篇の短編集。空中ブランコのばかばかしさが、さらに暴走して気楽になれる。。

yahoo紹介より

『イン・ザ・プール』『空中ブランコ』に続く伊良部シリーズ第3弾。これまた半年以上の予約待ち。回ってくるタイミングが同じだったのは、同じ人が借りてたのかしら。

いや、面白いのは面白い。待った甲斐はあった。
ただ前回までのような馬鹿馬鹿しい笑いというより、苦笑に近かったのは気のせい?
やっぱりそれは、表題作以外の三作の裏側にあるモデルの存在が影響してるかな~。
彼らのアク(あるいはモデルのアク)が強すぎて、伊良部のトンデモキャラがかすんでる。

やっぱりどれだけオチで爽やかに締めくくったとしても、あまりに現実の発言を下敷きにしすぎてて、悪趣味感が先にたつなあ。
特に第2話に関しては、あの人の今を思うとあまりにシュールすぎてねえ^^;;
この作品に関していえば、オチの部分まで下敷きがある分、余計それが透けてみえる。
第3話のあの人なんかも、こういう芸能人って大なり小なりみんなこんな苦労してるんだろうな~、って思っちゃうぶん病気としての意外性は少ないかも。

まあ、モデル達がモデル達な分、伊良部の精神科医としての名医(?)ぶりが今までの作品と比べて際立ってるか(笑)。
そして愛すべきマユミちゃん、胸元と太股という武器に加え今回は金ダライが登場。これでもかというぐらいにみんなの頭をドツキまくり。
このツッコミのタイミングがいちいち素敵なので、ほんと自分も一発入れてもらいたくなるぐらいだ(笑)。
でもあの歌詞はいくらなんでもダメなんじゃねえかーー;;;

オリジナル(?)の第4話に関しては、今までのテイストが一番出てる作品で面白いんじゃないかな~。
小さな小さな島の村での、極端なぐらいの札束選挙。
いくらなんでもここまで露骨なことやってたらまずい(何しろ村長候補者の2人が両方とも過去に贈賄罪で捕まってるというのが^^;;)と思いつつも、いろいろな意味で純粋なぐらいに熱い派閥同士の争いは微笑ましいぞ。
そんな派閥間の間を上手く渡り歩こう(あるいは何も考えとらん^^;;)として、最後は携帯電話で・・・な伊良部がバカだな~。

なんだかんだといっても相変わらずコストパフォーマンスの高いこのシリーズ。
もう少しコンスタントに発売されて欲しいと思うのは、酷な願いってもんすかね~(笑)。


採点  3.9